見せられた記憶の舞台裏ー社畜たちの大騒ぎ
見なくても問題ないです
ここは、総世界管理部。
とってつもなく忙しく、もっと忙しいー例えば第3世界担当部署のミスの尻拭いが回ってくる部署だ。
だから別名尻拭い部。
千数百は有る世界の全てのミスの後始末をしているので、とてつもなく忙しい。
第三世界の次に忙しいと言われるくらい。
それで職場がどうなるかと言うと、書類の山が出来ている。
文字通り山になっている。
ミスが起きると、大抵自我そのままでもう一回人生を送らせるという措置を取る。
希望に合わせて送る世界を決め、ある程度の年齢で自我や記憶を覚醒めさせる鍵を送る。
面倒なので、大抵は、人生のダイジェストになる。
あの日も、仕事をこなしていたら、上司に呼び出された。
なんでも、第三世界部の新人がミスを自分で解決しようとしたらしい。
すでに記憶を封印して、別世界に送り、鍵を作って保管庫に保存するところまでやってあるというから、大したものだ。
ミスがバレたのも鍵保管庫の無断使用が原因だそうだ。
…空いているはずのスペースが埋まってることに気づいた先輩が報告したらしい。
ここまでは完璧に隠蔽していたことを考えると、出世して使用許可を自分で出せるようになればミス隠蔽の達人になること間違い無し。
多分、第3世界担当より総世界管理部の方が向いている。
しかし、こちらとしては大迷惑だ。
いきなり、
「例の隠蔽騒ぎの鍵、ここに送っておいて」
と走り書きのメモ(隠蔽しようとした子の覚書メモらしい)を渡された。
そして、私は削ぐにそれを処理したのだ。
「801 / d1086XM … 第801世界、個人ナンバーはd1086XMだね。」
そして数日後、上司に呼び出された。
「一体どこにあの鍵を送ったんだ?とどいてないと第108世界から連絡が来たが。」
なんてこった。
私は第801世界のd1086XMに送ったがどうもメモを逆から読んだらしい。
「逆向きに読んだようで、第801世界のd1089XMに送りました」
「鍵だけ見たなら、夢でも見たと思われただろう。今すぐ、第108世界のWXg801Pに鍵を送れ」
もちろんそうした。
とばっちりを食らった第801世界の誰かには本当に申し訳がない。
要するにヒロインは転生者ではないです