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ヤソマ、涙を流す。

俺の名前はマガツヤソマ。17歳だ。

日常における些細な事から天災に至るまで事あるごとに不幸を呼び寄せる事から、昔から不幸を呼ぶ男と呼ばれてきた。

ある日は町内会のお祭りに嵐を呼び、学校の遠足は常に大雨で中止。

あと一勝で全国大会に行ける野球部を何の気無しに応援しに行けば全員腹を下してコールド負け。

偶然と言えば偶然なのかもしれないが、人というものは雨男や晴れ女など、何かと人にレッテルを貼りたがるもの。

誰が言ったか巻き起こる不幸の中心にはいつも俺がいると言われ、めでたく不幸を呼び寄せる男というレッテルを貼られた。

あだ名は"不幸マン"など様々あったがひどい時は"追手内洋一"とも言われた。誰がらっきょを食べてバビョーンやねん。(わからない人はとっても!ラッキーマンを今すぐ全巻買いなさい!)


もちろん友達なんかいない。しかし決して友達が欲しい訳では無い。俺自身も自分の不幸体質を理解しているので巻き添えをくらわないように"あえて"遠ざけているのだ。

桃鉄はもちろん1人99年でやるし、ウイニングイレブンは最強のチームを作ってCPUをボコボコにしている。

あー一回でいいから笑いながらマリオパーティしてみてぇ。


さて軽く自己紹介をしたが、そんな俺も人並みの人生を送りたいと考えている為、高校にはちゃんと通っている。

近くも無いが遠くもない為、徒歩で通学している。

おっと危ない。昔から通学中は毎朝鳥のフンを頭に落とされていたので、鳥フンを回避するスキルはLv.マックスになってしまって、直撃直前で回避できるようになってしまった。もはや匠の技である。

どうにかこのスキルを生かして彼女を作って童貞を卒業できないかと考えていた時、本日2度目の危険を察知した。

いつもは一日一糞のはずなのに連続で来るとは珍しい…。しかし無駄だっ!!

と思って軽やかによけるといつものピチャっという音とは違う音がした。

ビッタァァァァァン!!

え?誰か燃える闘魂に気合い注入された?

と、勘違いしてしまいそうな音が響いた。


「!?」


いつもの鳥フンと違う雰囲気の落下物に俺は恐る恐る目を向ける。

それは鳥のフンと呼ぶにはあまりにも大きく、あまりにも美しい漆黒の髪をした物体だった。


「なっ…!ひ、人か?人が降ってきたのか?」

俺はその地面にめりこんだ人らしき物体を助けるでもなく、かといってその場から立ち去るでもなく、ただただ立ちすくんで状況の把握に努めていた。


兎にも角にも、気になるのはこの人らしき物体が人であった場合、生きているか死んでいるかという事。死んでたら意外とデリケートな俺はゲボしちゃうゾ☆

そんな事を考えながらその鳥のフン、もとい人らしき物体を見ていると、ぴくりと指先が動いた。

良かった。生きている。この美しい地球を俺の吐瀉物で汚す事は無さそうだ。

俺が今日も美しい地球を守れた事に安堵していると、その女性らしき物体はうつ伏せでコンクリートにめりこんだ状態からゆっくりと体を起こした。


「…。」

生まれて初めて、言葉を失うという事を体感した。

すらっと伸びた色白の足、細く締まったウエスト、潤んだ大きな瞳、色白の透き通った肌と、どこまでも漆黒の長い髪が美しいモノトーンを描き、桜色の小ぶりな唇が全体のコントラストに華を添えていた。

何より目が離せないのは、その汚れなきおっぱい。

明らかに常人のそれとは違う美しきおっぱい。

大きさもさる事ながら衣服を着用していてもわかる形の良さ、胸周りだけ無重力なのかと疑うようにツンと上を向いている。

この悪魔のように凶暴なおっぱいだが、どこか上品さを兼ね備えている。

何故か俺にはその上品さが何を指しているか理解できてしまった。

そうか。この上品さの正体は…純潔だ。

このおっぱいは誰の手にも触れられた事の無い穢れなき真のおっぱい。

神ですら手に取る事を躊躇うであろう神々しさである。

あれ?雨が降ってきた?

陶酔しきっていた俺の頬が濡れてふと正気を取り戻す。

いや、違う。俺はその最高の芸術作品と呼ぶに相応しいそのおっぱいを見て気付かぬ内に涙していた。


父さん、母さん、俺を産んでくれてありがとう。

このおっぱいに出会う事ができました。

だけどごめんなさい。

俺は今から殴り殺されてもいいのでこのおっぱいを触ります。


俺は今までで一番澄んだ瞳でそのおっぱいを見つめ、一息ついてから両の手を前方に構えた。

もはや今の俺に一分の隙も無い!


いざ、実食!


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