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ヤソマ、たつ

キーンコーンカーンコーン……



人間界にいた時と似たようなチャイムが2限目終了の合図を告げる。


前の席のオカゲは非常に気持ち良さそうに寝ていたが、チャイムの音が鳴るとすぐに反応して、大きなあくびと共にんーっと背伸びをした。

くそぅ!ヘソがかわいいぞ!


「ふわぁ〜、よく寝たぁー。さぁーて、寝覚めの運動と行きますか!ほらヤソマ!行くぞ!」



無邪気な笑みを浮かべたオカゲは、俺の手を引いて教室を出ようとする。

何だかんだずっと右も左も分からない俺を気にかけてくれてんだよな。こいつ、良い奴かもしれない。しかも可愛いし。どこかの芸術おっぱいとはえらい違いだ。



運動場では神獣科とはまた別の集団がいた。

ん?あのアメイジングおっぱいは…。



「ヤソマ!どう?初めての修練所は?」



そう言いながら駆け寄って来たのはツクヨだった。



「ん、まぁボチボチかな。こいつに助けてもらってる。」




「あら、オカゲちゃん。ありがとうね。私の相棒が迷惑かけてない?」


「いや全然ですよ、ツクヨ様。強いて言うならウチの体めっちゃ見てくるぐらいですかね。」


え、何?バレてたの?

超恥ずかしいんですけど!


「はぁ…。あんた本当にスケベね。言っとくけどオカゲちゃんの感覚の鋭さは全学年でもトップクラスよ。後ろから見てても気づかれるわ。」


「流石にあんなにずっと見られるとウチも恥ずかしかったぞ!それに…」



やめてぇぇぇ!それ以上言わないでぇぇぇ!

オカゲが俺に追い打ちの言葉を連ねる。



「途中からヤソマ、ボッキしてただろ。」



バレてるぅぅぅぅ!

俺が青ざめた顔でツクヨを見ると、ツクヨはゴミを見るかのような目で俺を見下していた。

だって仕方ないじゃん!俺だって男の子だもん!

それにしてもボッキすると、前の席の女子にバレるなんてかなり地獄なんですけど…。



俺がこれから先の未来に絶望していると、スレンダー貧乳のクシナが通りかかった。


「あら、オカゲさん、ご機嫌よう。それからそこのお2人も。今日初めて依代に神通力を入れるのでしょう?楽しみですわね。ところで何のお話をしていらしたの?」


毎度の事ながらこいつの話し方は鼻につくな。俺がイライラし始めるとオカゲが声を大にしてクシナの問いに答えた。



「ヤソマがボッキした話だ!」



「え?何ですって?」



「ヤソマがボッキした話だ!」



「ボ、え?ボ、ボ、ボッキ?」



クシナの顔がみるみる赤くなる。

ざまぁみろと言いたい所だが俺も同じぐらいかそれ以上にダメージを負っている。



「そ、そんなの、はしたないですわ!妊娠させられてしまいます!汚らわしい!」



そう言ってクシナはプリプリしながらその場から離れて行った。




「オカゲ、サンキュな。俺あいつ嫌いだから痛快だったよ。でも、ボッキしてたのは出来れば秘密で頼む。」



「いいってことよ!まぁウチとしてはウチにボッキしてくれたのは嬉しいんだけど、ツクヨ様もいるし程々にしろよ!」



「あんた達いつまでそんな事言ってんのよ!」


ボッキトークに耐えかねたツクヨが俺達にツッコミを入れた。

次回から物語が動き始めます。

乞う御期待!

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