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ヤソマ、騙される

昨日はお休みを頂きました!引き続き毎日更新していきます!

「おう、マガツ。こいつらがお前らの新しい仲間だ。アホばっかりだがまぁお前なら馴染めるだろ。お前らも仲良くしてやれよ。んじゃあマガツは一番後ろの窓際の席な。」


そう言って俺に「ほれ、行け。」と促して金剛先生はさっさと授業の準備を始めてしまった。

めっちゃ放置するやん。俺放置型RPGアプリみたいに勝手に成長できないんですけど…。

金剛先生に対する恨み節を喉元で止めて俺は自分の席に向かって歩き出す。

ちょっと待って、超睨まれるんですけど。世紀末にいそうなモヒカン達が口をくっちゃくっちゃしながら俺を舐めるように見てくるんですけど。

なんでちょっと劇画タッチなんだよ…。

金剛先生はこいつらの何を見て俺と馴染めると思ったんだ?新手のバカなの?

とりあえず絡まれてブっ飛ばされても嫌なので、俺は視線を逸らし自分の席についた。ビビってないよ!戦略的撤退だよ!


とりあえず俺は荷物を机の横にかけて、着席し一息ついた。

本当は俳優の藤原竜也みたいに、「なんでだよぉぉぉぉ!」って叫びながら地面に転がりたかったが注目を浴びすぎてしまうので自粛した。

すると目の前の席にいた色々はだけてるミニスカ金髪ショートの黒ギャルがくるりと俺の方を向いた。



「ふっふっふ…、ドッキリ大成功ーー!!皆ー!!もう大丈夫だよー!!」


黒ギャルがそう言った瞬間ヤンキー達が一斉にヅラのようなものをはずしてまともになりだした。

世紀末のモヒカンは髪を貼り付けていただけで、取ればただの野球部のようだった。あら、愛くるしい。

こいつ今、ドッキリって言ったのか?

正直、昨日から色々あり過ぎてどこからがドッキリかわからないから、「うわー、やられたー!」って全然ならないんだけど…。

俺が何を言っているのかわからないと目をぱちくりさせながら態度で訴えると、その黒ギャルはにひひとイタズラな笑みを浮かべて俺の前にピースサインを差し出した。


「どう?どう?びっくりした?転校生なんて初めてだからさ、驚かしてやろーってなったんだ!面白かっただろ?」


「いや、確かにおどろいたけど正直に言うと面白いよりも、けっこう引いている。」


「えぇぇーーー!?なんでーー!?」


俺の引いているという言葉を受けて、その黒ギャルはずーんと沈んだ雰囲気になる。いちいちリアクションが大げさだな……。

捨てられた子犬みたいになっているので、俺は仕方無くフォローする事にした。


「あー……、まぁ俺を楽しませてくれようとしたのは伝わったかな?こういうのあんまり慣れてなくて…。その、ありがとうな。」


そう言うとその黒ギャルは「ほんとに!?」と言って沈んでいた雰囲気から一転、飼い主が帰ってきた時の犬よろしく全身で喜びを表現してきた。

こいつ、めちゃくちゃ扱いやすそうだな。


「にひひひ、喜んでくれて良かった!ウチの名前はオカゲ!狛犬の神獣宿してんだ!」


「ああ、よろしくな、オカゲ。」


決して喜んではいないが、まぁこれで満足してくれるのであれば、そういう事にしておこう。

少し話して思うが彼女、オカゲは正に元気印と呼ぶに相応しい快活な少女だ。染髪しているのか地毛なのかはわからないがその金髪も似合っている。色黒だが日焼けサロンで焼いてというよりかは、外で走り回って遊んでたら焼けちゃった!みたいなタイプだろう。

何よりこの少女のおっぱいも素晴らしい。さっきからチラチラ見えているのだが水着跡の白さと健康的な黒さが最高のコントラストを描き、その快活っぷりとは反対に艶美な雰囲気を醸し出していた。

ぶっちゃけ超エロい。



「ところでヤソマは何の神獣宿してんだー?」



俺はいきなりの質問に戸惑った。チラチラおっぱい見てたのバレてないよね?


「いや、まだわからん。俺の神様が言うには能力的に多分オオモノヌシとかいう神獣らしいんだが、確定的では無いな。何しろ昨日神獣を宿してる事を知ったばかりだからな。」



「そっかそっか。じゃあ対話とかもまだだな!けっこう最初は苦労するけど、頑張れよ!」



「対話?自分の中にいる神獣と話が出来るのか?」



「出来るぞ。神獣の力を内に留めておくには対話をして認めてもらわないといけないんだ。」



「難しそうだな。どうしたら出来るようになるんだ?」



「修行あるのみだな!修行して自分の心を外側から見れるようになれば、誰か自分じゃない何かがいるからそいつにひたすら話かける感じだ。」



俺は嫌な予感がしたが、恐る恐る聞いてみた。



「ちなみにどれぐらいで出来るんだ?」




「どんなにすごいやつでも1年はかかるぞ。」



確かツクヨは試練は1ヶ月後って言ってたな……。

詰み過ぎィィィィィ!!

と頭を悩ます俺を見てオカゲは心配そうにおろおろしていた。


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