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プロローグ
この世には神様なんていないと思っていた。
毎年、誕生日に財布を盗まれたり、食中毒にかかって1日中上げ下しを繰り返しながら寝込んでいたり、
自分だけが不幸になると思いきや、周りの人間も巻き混んでしまう、はた迷惑な存在だった。
青春を謳歌する若者達、幸せそうな恋人たち、微笑ましい家族、様々な幸せを横目に不幸に付きまとわれる俺は生きていくために精一杯だった。
なんで俺ばかり…そう幾度思っただろう。
この状態が続けばさすがにこの世に神様は存在しないと思うようになった。
たとえ存在していたとしても神様は俺の敵だと思った。
これはそんな俺が、何の因果か巡り巡ってある少女を神様にする為に奔走するお話。