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DIE CORN 〜転生したら大根だったがな!〜  作者: 瑞 ケッパオ
狙われた王族・王女様、覚醒するっちゃ!編
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第94話 インコ界の大物



俺はウサタンを食い止めるも、アーモンド弾が不発に終わったドン・グリードの援護をする事にした。


根っこ触手で、クレアの聖剣を構え発電を行う。


ウサタンはこちらに気づいて無いようだ。


ドン・グリードが上手いこと、どんぐり弾やクルミ弾で、ウサタンを食い止めてくれている。


しかし、油断は出来ない。


赤筋大根になれない今、電気類は天敵。

しかも、放電するだけで労力を使う。

下手すれば俺の体が発火してしまう。


労災など無い。

失敗すれば虚しく死ぬだけだ。


だから、出来るだけ通常の大根の身で、この聖剣は使いたくない。

やっぱりすげーよクレアは!



ある程度蓄電する事が出来た。

とりあえず、木製の家屋に火をつける事は出来るくらいのエネルギーは集まった。


これ以上の蓄電は、俺自身に危険がおよぶ。


俺は聖剣をウサタンに向けた。


ドン・グリードはそれに気づき、ウサタンから距離をとる。



「残念! 僕がそっちに気づいて無いと思った?」


ウサタンが俺の方に視線を移してきた。


うわ……うわぁ、そんなー、バレちゃったよぉ……!



ウサタンはモフモフな体毛の周りに、魔術による透明の膜を形成させた。


あの膜には見覚えがある。

あれは俺達が、シギア峡谷でマグロ人族から身を守るために使ったバリアだ。


時すでに遅く、俺は聖剣から稲妻を飛ばしていた。


放たれた電撃は、ウサタンの周りのバリアに弾かれ、彼の足元へ落ちた。




そして、ウサタンの周りが爆発した。


「なんだこれぇ!」


爆発音が轟く。

砂煙が舞い上がる。


突然の爆発に、流石のウサタンも困惑している。


その一方、俺もドン・グリードも突然の爆発には困惑しない。


こうなる事を事前に知っていたからだ。

だからダリアちゃまという犠牲を出してまで、こんな河岸まで移動したんだ。(ダリアちゃまは生存)


俺は最初から、ウサタンを狙って放電したわけじゃない。


俺は、ウサタンの足元に落ちたアーモンド弾を狙って、電撃を飛ばしたのだ。



だって、俺が生成できる電気エネルギーなんてウサタンにとっては、肩こり改善するほどに無害に決まっている。


そしてドン・グリードも、最初からアーモンド弾で確実に仕留めるなど思ってはいない。


全ては俺とドン・グリードの作戦だ。



「ゴホゴホ!砂煙がひどいなー、もう!」


ウサタンは砂煙によって、視界を奪われた。


俺とドン・グリードは最初からこれが目的だった。


モフモフ体毛で、アーモンド弾が受け止められる事も、ドン・グリードは読んでいた。



では何故、視界を奪ったか?

それでは、仕上げと行こうか!


「アードバーグさん! 今です!」


「おう!任せとれ! この磨王が上手い事、決めたるけぇのぉ!」



刻甲の指示のもと、アードバーグを沢山の小鳥達が持ち上げる。



そのまま、アードバーグは砂煙の中にいるウサタンの頭上に迫る。


「砂煙、邪魔!」


ウサタンは魔術で突風を生み、砂煙を吹っ飛ばす。



「ぬぉおおおおお!」


上に風が吹いた事で落下速度が遅くなり、アードバーグは確実にウサタンの頭にめがけて落下する事が出来た!


「うわぁ! アライグマが降ってきた!」


まさかアライグマが降ってくるとは予想していなかったウサタンはそのまま、アードバーグに馬乗りにされる。


ウサタンは身動きが取れない。


「これでもくらえや! とびっきりに綺麗になるまで洗ったるけぇのぉ!」


アードバーグの持つモップから湧き出した泡に、ウサタンが飲み込まれる。


「そ、そんな! この魔王が! 磨王ごときにぃ! ウギャアアアアアアアア!」


洗いきれないほど汚れているのなら、汚れを落としやすくすれば良い。


俺達はウサタンに無駄な力を使わす事で、アードバーグに綺麗にされる抵抗力を弱めたのだ。


ものの数秒で、泡はウサタンを呑み込み、漆黒と化したウサタンの体毛から魔王としての穢れを落とされ、以前の純白なものとなった。



その影響か、ウサタンの体が更に縮み、元の大きさに戻った。 頭の一角も背中の翼も消えている。



「くっそー! よくも僕を洗ったな! せっかく魔王の姿になれたのに台無しじゃないか! また覚醒するのに、相当力を使うんだぞ!」


ウサタンはピョンギヌスの槍を握りしめて、怒りを露わにしている。


「これで、テメェは只のクソガキだな! 俺の能力を奪った事を後悔させてやるぅ!」


ドン・グリードは、鉄筒を咥え、それをウサタンに向けた。


ウサタンは再度、魔王本来の姿になるらしい。


無限の再生なら、絶望感が強いが、今ウサタン本人が、再生するのには相当な力を使うと言っていた。

つまりアードバーグがウサタンを洗い続ければ、いずれウサタンの魔力は尽き、怒涛の魔術の猛攻を辞めさせる事が出来るだろう。




ウサタンが魔王の姿になるよりも、ドン・グリードの方が早かった。


ドン・グリードは、鉄筒から一粒の木ノ実を吹き飛ばした。


それは、こんがり焼かれたアーモンド弾であった。



「ぬわぁあああ!!?」


三度目の正直。

アーモンド弾はウサタンに直撃し、大爆発を引き起こす。


ウサタンは悲鳴を上げ、くるくると回りながら放物線を描き、飛ばされた。



そして、ウサタンは川に落ちた。


ビターン!って感じな音が鳴った。

運が悪い事に、あれは腹打ちした時に出る音だ。

モフモフな体毛に覆われていなければ、即死だろう。


だが、メタ的に考え、『水落ち』なのでウサタンが生きている事はほぼ確定、いや確定に決まっている。


「なぁ、刻甲! ちょっと剣持っててくれ! 川に近づいてみる!」


「剣を……? なるほど、そういう事ですね! わかりました! 気をつけてください!」


刻甲にクレアの聖剣を預ける。

正直、赤筋大根になれない今、普通の大根形態でクレアの聖剣は使いたくない。

放電とか稲妻とかが怖い。相性が悪すぎるからな!



俺は恐る恐る川に近づく。

俺だけでは不安だと思ったのか、鉄筒を構えながらドン・グリードも同行する。


「ムカシ、ムカシ、オジイサン、オバカサン、ハ、カワヘ、センタク二、イキマシタ」


ドン・グリードの頭のインコは、飽きもせず呟き続けている。

君、状況わかってて言ってる? もしかして誰かをディスってるの?



と、俺がインコに気を取られている時だった。


「ダイコン! 危ねぇ!」


え?


ドン・グリードの注意と同時に、川から桃が流れて……は来なかったが、代わりに槍が、俺の眉間目掛けて飛んで来た。


あ、これは避けられません!


「アホンダラァ!」


ドン・グリードに蹴り飛ばされ、槍に貫かれる事は免れた。


飛んで来た槍は、自我を持っているようで、大きく旋回しながら、こちらに戻ってきた。


あの槍は、ウサタンが持っていたピョンギヌスの槍だ。

ただ、ピョンギヌスの槍の大きさが規格外に大きい。

5mを優に超える長さだ。

ピョンギヌスの槍は使用者なら体格に合わせて大きさが変わる仕様となっている。


つまり、ウサタンは生きているという事だ。しかも最悪な形で。




「避けちゃダメじゃないか!」


川から巨大な何かが現れた。


飛翔するピョンギヌスの槍は、川から現れた『何か』の元へ戻っていった。


かつて、川からカピバラゴンが突如現れた事があった。


しかし幸いにも、カピバラゴンではなかった。



頭には一角。

背中にはコウモリの翼が生えている。

全身は光を吸収するほどの真っ黒な剛毛に包まれ、彼の周りには、可視できる赤黒い邪悪な気が立ち昇っている。


川から出てきた『それ』は、体長5mを越すウサギだった。つまりウサタンだ。


カピバラゴンじゃなかったが、魔王だった。

おまけに今までのどの形態よりも巨大化してる。


せっかく、アードバーグが洗って小さくしてやったのに無駄骨じゃないか!

聖剣ラビ・ラコゼを使うのはストレスなんだよ。


俺の頑張りを否定するような展開はやめてほしいよね!?


とまぁ、全て水の泡となってしまったのだ。洗浄だけにな!




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