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DIE CORN 〜転生したら大根だったがな!〜  作者: 瑞 ケッパオ
ネスノ村・大根転生編
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第6話 触手は騎士に絡みつく

「うぇええええええん!おうち帰りたいいいい!」


「どーどー!落ち着きたまえー」


「うぅ……ママァ!シオンお姉ちゃん!どこぉ!大根に襲われるぅうう! びぇえええええん!」


俺は、癇癪を起こしているクレアちゃんの、ご機嫌をとろうとしているが、一向に良くはならない。


逆に機嫌を損ねている様にも見える。

何を言っても、やっても、おそらく火に油。


少し、そっとしておく事にしよう。



トトンヌに投げ捨てられたクレアちゃんの剣は、そのまま放置されていた。


トトンヌが戦利品として持ち帰る事が無かったのは、情けだろうか?


いや、ただ忘れていっただけだろう。


今のクレアちゃんに渡そうかどうか、迷う。

下手に渡したら、俺に斬りかかってくるかもしれない。


……いや、逆に「大根さん、ありがとー!」って感謝され、ご機嫌良くしてくれるかもしれない。


うん、今は前向きに行こう!


後者の案にしよう。



俺は剣を引きづりながら、彼女の元へ持っていく。


「それ私の!返して!」


乱暴に取り上げられた。


この展開は予想していたが……


俺はいつでも逃げられる様に構える。

しかし、斬りかかってくる事は無かった。


クレアちゃんは剣を鞘に納めた。


「やってしまったか……」


クレアは一言、唇を噛み締め呟いた。


それは元のクレアだった。

クレアちゃんはクレアに戻ってくれたのだ。


剣を返した途端に元に戻る。


……なるほど。


確認の為、俺はクレアから剣を奪った。


「ちょっ……!? 何をする!?それを……返し……うぇええん」


やはりそうか。

剣を手放すとクレアは、幼児退行してしまい、『クレアちゃん』になるようだ。


何というか、面倒臭い奴だな……。


俺は剣を彼女に返す。


「ゴホン……そ、その、つまりそういう事なのだ……」


クレアが申し訳なさそうに言った。


「この事に関しては、私も治す努力をしてるつもりだが、全く改善されないんだ。……すまない」


クレアは頭を下げた。


「いつからなの? 生まれつき?」


俺はクレアに尋ねる


すると彼女は、懐から15cmほどの針を取り出してきた。


それは金属に見えたが、触ってみると何か動物の毛だという事が分かった。

げっ歯類繋がりで、ヤマアラシの毛だろうか? じゃなければハリネズミだな。


「これは、私がまだ見習い冒険者だった頃、バーディアという砂漠の国で、何者かにこれで刺されたのだ。それ以降、私は何か握っていないと自我を保てなくなってしまったのだ。 本当に迷惑をかけた。 申し訳ない!」



再びクレアは頭を下げた。


そこまで負い目を感じてるのだろうか? この俺、大根に?

もともと俺が、邪魔していたようなものだけどね。


あと関係ない事だが、目の前で女騎士が頭を下げている、その姿を見るだけで、興奮(ムラムラ)します!



「いや、実際助けになったよ〜。こちらこそ感謝する。ありがとう。クレア……クレア・フィ……」


クレアの苗字なんだっけ?


「クレア・フィ……なんとかク?」


油性ペンで化粧するおじさんの様な、ボケをかましつつ確認してみる。


「……クレア・フィンバックだ」


彼女は苦笑いしながら教えてくれた。




・・・




唐突だが、俺は気を失った。


本当に急だったので、新たな敵が攻めてきたのかと思ったが違った。


飛び蹴りが覚醒した時と、同じように頭に新情報が入ってきた。


それによると、倒れた理由は、『野菜エネルギー』の使い過ぎによる過労であった。


『野菜エネルギー』とは俺がこの姿で活動を続けるために、必要となるものらしい。


もっとも、気絶していた時間はクレア曰く、1分程度

とかなり短い時間だったとか。


入浴中に一瞬寝てしまうのと、同じ感覚だろう。


飛び蹴りや、根っこ触手で力を使い過ぎてしまったのだろう。


新情報によると『野菜エネルギー』の回復や増強には、根っこ触手を使った、土や植物、人間を含む動物類のエネルギーの『吸収』によって補給するらしい。



……という事で、意識を取り戻した俺はクレアに補給を提案してみた。


さっきまで、精神が安定しなかった彼女に、こんな事を頼むなんて、普通ならまずしない。


だが、俺は彼女に頼んだ。理由は簡単に「面白そうだから」である。


エネルギー補給はクレアと共に村に戻る途中に行なう。

マサ子にクレアと共に跨り、補給する。


少量、クレアのエネルギーを貰うだけだ。すぐ終わる。


俺は彼女の、うなじに根っこ触手を伸ばす。


クレアは、くすぐったいようで身体がプルプルしてる。


かわいい


うなじだけでは、エネルギーの吸収具合が悪かったので、俺はどさくさ紛れに鎧の中の奥まで、根っこ触手を伸ばす。


「ヒッ!?……な、何をしているんだ!?奥の方まで入ってきてるぞ!?」


『入ってきてる』んじゃなくて『入れてる』んだよ!

こうでもしないと補給できないんだ。


それにしても吸収しづらいな。恐らく、まだ触手の扱いに、慣れてないからだろう。


「あと、少しなんで。我慢してくだせぇ!」


俺はもうしばらく耐える様に頼んだ。


よくよく考えてみたら、女騎士に触手を絡ませているって、大丈夫な絵面じゃないな。規制がかかりそう。やめた方が良さそうだか……。



だが俺はやめない!


むしろ、弄んでやりゃー!


という事でクレアの全身に根っこ触手を貼る。


鎧のせいで気づかなかったが、彼女は良い身体をしている。


何がとは言わないが、でかい。


鍛えられている身体の締まり具合とかも、たまらねぇなぁ!おい!



根っこ触手には計測という能力があった。


お陰で彼女の3サイズを知る事が出来たので。公表したいと思う。













……と言ったな、あれは嘘だ。


詳しい情報は、トップシークレットだ。教える訳にはいかないのだ。ボルガ博士、お許しください!



彼女の全身を、野菜エネルギーの補給という名目で、弄びつくした。


満足である。


だが、俺は紳士なのでクレアの『バミューダトライアングル』には、侵攻していない。


アソコは禁足地だからな。

神聖な場所への、安易な立ち入りはやめようね。


「くっ……。こんなの、聞いてにゃいぞ……」


クレアの我慢が限界ぽいので、弄ぶのはこれにて終了。


これ以上先のステップに進むのは、危険だ。色々な意味で。


俺はエネルギーの吸収も出来たし、愉しめた。

一石二鳥だ。不満はない。


残念ながら大根なので『いきりたつモノ』は無い。

仮に植物の『いきりたつモノ』に変わる部分、つまり花があったとしても、先ほどマサ子によって、モシャられたため今存在しないので『満開』できない。


よって、そこまでのエクスタシーは得られなかった。


悲しい。


通常なら余裕の射爆了。




・・・




村の入り口に辿り付き、俺とクレアはマサ子(馬)から降りた。


クレアはまだ顔が赤い。どうしてだろう?



そこでマサ子に呼び止められた。



トトンヌに関わっていたせいかどうかは分からないが、動物の気持ち、それに言葉が、多少分かる様になっていた。


マサ子は、いななく。


「ヒヒン!ブルルルル……!」


訳すとこんな感じだ


『大根の癖に、いい仕事するじゃねーか!

おかげでクレア嬢の『愛』が、俺の背中に染み付いたぜ!……大根、手荒な真似して悪かった。貴様と俺は今日より盟友だ!』


……だそうだ。


どうやら、マサ子に気に入られた。


というか、マサ子お前……


……牡馬(オス)だったのかよ!




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