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DIE CORN 〜転生したら大根だったがな!〜  作者: 瑞 ケッパオ
シギア峡谷・アライグマのピカピカ大作戦編
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第47話 分裂なのか分身なのかはっきりしろ!

連投2日目。

このまま連日投稿されると思ってましたが、明日で連投は終了でございます。


『分裂』


それが俺に芽生えた新たな能力。

こいつに覚醒したのは、マーモットの件より少し前に遡る。



真夜中の高原。

旅路の疲労を癒す為、皆が眠りについている時間帯。

その時、俺は退屈だった。

普段なら眠れているはずが、この日に限って、らしくもなく昼寝をしてしまった。

やる事がなさ過ぎるので仕方ない事だ。

誰だって寝落ちする。現に俺がした。



眠りにつけもせず、俺以外、誰一人として起きていないので暇で暇で仕方なかった。


そして、俺は一人でしりとりをする事にした。


これが、なんのなんの、楽しいんだ!

一人でやってるはずなのに、まるで複数人でやってるような、そんな気持ちになったんだ!


そしたらさぁ、この『分裂』っていう力に目覚めたのさ!


突如として、俺の脳内に浮かび上がる『分裂』の説明はこんな感じだった。



【他の大根に自我を分け与える能力】


大根が準備できるのなら、幾らでも増えることが可能。

普通の大根に、自分の意思、魂を分配する事で発動します。


なお、増殖した『分身』が扱える力は『本体(オリジナル)』が扱える能力のうち『飛び蹴り(未覚醒)』と『根っこ触手(最大射程5m)』のみである。


それぞれの分身が得た情報、経験は、本体を始め、全ての分身と共有できる。




ぶっちゃけ、一体だけではクソザコな能力なのである。


唯一使える根っこ触手も、本体(おれ)は50m伸ばせるのに対して、分身は5mと、常識的な長さにまで劣化してしまった。

当然だが根っこ触手の『根っこ視覚』『根っこ聴覚』といった能力も使えない。……クソだな、こりゃ。飛び蹴りしか出来ないでやんの……。


だが、大根が集められる限り、増殖可能なのである。

……そんな大量に大根集められる機会なんてあるのだろうか?



そして、わざわざキツネ人族のフーリーにまんまと殺されに行ったのは、偽装工作である。


亡き俺の分身を踏み砕いたフーリーから、だだ漏れのやりきった感が伝わってきたので、ひとまず作戦は成功だ。奴は完全に俺を殺したと、思い混んでいる。


それにしても、ヌーターンがげっ歯類連合(ローデンティア・ネオ)の旧友に囚われてしまっていた事は予想外。


「おい、レイラ!ちょっといいか?」


「ん?なんか用?」


俺はレイラを呼びつけた。


「頼みたい事があるんだ。ヌーターンがとある場所に置いてきた手紙を取ってきて欲しい」


その手紙とは、ヌーターンが視線で伝えていたあの手紙だ。

おそらく、あんな結果になった経緯が記されている。


俺やミーナ、刻甲は勿論のこと、ライオネル達も向こうに顔が割れている。

それに対しレイラは、げっ歯類連合に認知されておらず、おまけに隠密な行動には適した人材である。


「もしかしたら、その近くに、敵のキツネやアライグマ、その他ネズミ共がいるかもしれない。用心してくれ」


「なるほど、わかったで!」


レイラから了承を得た所で、彼女に場所の説明をする。


「あー、あそこかー、さっき、そこの近く通ったけぇ、大丈夫だで!」


レイラは、自分の帰り場所もわからないヌーターンとは対照的に、方向感覚が優れている。


一度通った道は、覚えておく用に習慣化しているそうだ。まじめだねぇ。

おまけに、細かな地図を見ても、脳内で地図を立体的に変換し、どんな洞窟、迷宮でも迷う事は無いそうだ。


それに比べ、俺なんて中学の時の修学旅行で、バカな友人共と一緒に、大迷宮と称される新宿駅を彷徨い続け、一日終えたなぁ。

あれはもう、リアル脱出ゲームってヤツでしたわー。

ガチで死にかけたわー。



皆さま、またはご家族、ご友人に新宿駅で迷ったあげく、朽ち果ててしまった方、即身仏や化石になってしまった方は沢山いらっしゃると思います。


そんな時、レイラちゃんは役に立ちます!

瞬時に現在地を理解し、目的地へエスコートしてくれるでしょう!



でも、お高いんでしょう?


それがなんとぉ!レイラちゃんのお値段!

たった100億兆円の12回払い!


誰にも売る気はないって事なんだな〜これが。ハッハッハ〜!

みんな化石になっちゃえばイインダ☆




・・・




レイラがヌーターンの手紙を探しに行った後、ライオネルによる、アライグマ人族流、フーリー戦に備えた修行を行う事となった。


ライオネルに連られ、辿り着いたのはシギアゲートより少し離れた川のほとり。


また川か。

ワニはいないだろうが……また川なのか。


「あの、なんでここなんだ?」


俺はライオネルに尋ねる。


「そりゃ、ここならヤツらにバレにくいけぇじゃろ?こがにぃ所の方が、町ん中より案外良いもんじゃで?」


ライオネルにはライオネルのやり方があるのだろう。


つべこべ言わず、ここは彼に従う事にした。




・・・



俺が、打倒フーリーのためにアライグマ人族のアドミラール・ライオネルによる修行をしている一方、ミーナちゃんはシオンの看病をしている。


この空間にいるのは、ミーナとシオンと俺だ。



ややこしいだろう?


修行をしているのが『本体』


そして、ここにいる俺は『分身』である。


フーリーに殺される担当とは別に『本体』がもう一体、分身を作っておいたのだ。それが俺だ。


なぜ、二体分身を作ったかというと『たまたま大根が2本あったから』という安直な理由なのである。


出来れば沢山、増やしたいねぇ。

でも増えすぎると、どこかの虫メダルコンボみたいに予算使いまくって出番無くなるかもしれない。

この件は、考えておかないとダメだな。



「まさか、デロちゃんが増えるなんて思っても見なかったです。シオンさん体調どうですか?」


俺の『分裂』に関しては誰にも言ってなかったので、ミーナも初めてこの力を使う時は、驚いていた。その時なにか、良からぬ笑みをしていた気がするが多分気のせいだ。


「は、はい……一応、大丈夫っすよ。力不足で申し訳ないっす」


シオンは今も体調が優れない。


高熱、腹痛、黄疸。


シオンに表れた症状は、フーリーに打ち込まれた寄生虫によるものと一致している。


しかし、彼女の体を医者が検査すると、ある一点、おかしな事があったそうだ。


「さっき、お医者さんはシオンさんの体、肝臓を調べても、エキノコックスらしき寄生虫の姿を確認する事は無かったそうです」


ミーナちゃんが俺に囁いてきた。


「別の箇所に移ったとかじゃないのか?」


「いいえ、それはないです。そもそもエキノコックスがいた形跡すら無かったらしいんです」


「それってどういう……」


ミーナちゃんの言葉の意味がよくわからない。


シオンはキツネの持つ寄生虫により、体が蝕まれている。側からみても辛そうな事はわかる。


寄生虫がいないとなると、そもそも感染していない可能性とかあるんじゃないだろうか?

だが、症状は表れている。


これは、フーリーを倒すヒントになりそうだ。

俺はフーリーの能力について推測してみる事にした。




「……なぁ、大根おるぅ?手紙持ってきたでー!」


思考に頭をぐるぐる回していると、レイラがやってきた。

彼女には手紙を病院に持っていくように頼んでいた。


「お!? ありがとうレイラ!ナイスタイミング!」


俺は無事に勤めを果たしたレイラに感謝し、手紙を受け取る。


「その手紙って……?」


「例のヌーターンのヤツっすか?」


ミーナとシオンの視線が、手紙に向く。


俺はヌーターンが、げっ歯類連合に拉致された事は皆に告げていたが、その理由はこの手紙を読んで見ないとわからない。


もしかしたら、フーリーについても書かれているかもしれない。


俺は封を開け、中身をみる。

中には手紙が2枚入っていた。


ミーナとレイラも手紙を覗きこむ。




『ダイコン、そして我が盟友達、ありのままに言うが、ワタシは皆と共に旅が出来無くなった!申し訳ない』


手紙の最初に書いてあった事は、ヌーターンが俺たちと一緒にいられなくなった事を詫びる言葉だった。




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