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DIE CORN 〜転生したら大根だったがな!〜  作者: 瑞 ケッパオ
げっ歯類を攻めにいこう!
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第35話 別に無口キャラじゃ無いだがな!


「オッス!オラ重巡ダイコンデロガ!わくわくすっぞ!オメェ、名前はなんて言うんだ?」


「……」


この暗殺者風褐色少女に、橙色の猿人みたく語りかけた所で、彼女は口を開かない。

暗殺者という身、口は災いを呼ぶと言われ育ったのかもしれない、それなら仕方ない。


「あぁ、その子の名前はレイラだ。よろしくやってくれ」


前言撤回。

クレアが代わりに少女を紹介した。既に俺やシオン以外は知っているらしい。

他人に紹介されたのが気に食わないのか、レイラという少女は眉間にシワを寄せていた。


「私……疾風の血を引く子、レイラ・ビント・ファルボド・アスファ……」


結局、彼女は自分から名乗った。

バーディアは砂漠の国だから文化が違うのだろう。名前が長いので、とりあえず呼び方はレイラちゃんで良いだろう。


「よろしくレイラちゃん!」


とりあえず笑顔で挨拶してみた。


「……!?」


常に鉄仮面だったレイラちゃんの目が驚いたように見開き、表情が変わった。

慣れない呼び名には抵抗がある様だ。

彼女は側から見ても分かるくらい動揺を隠せず、俺から視線を逸らしてしまった。

なにこれ、かわいいなぁ!?お前もわくわくさせてやろうか!?


「ダイコンデロガ殿……、その身だとレイラ殿が困惑してしまってるぞ?」


クレアよ、多分この見た目は関係ない。


話を戻す。

まずはレイラから聞かなくてはならない事があるだろう。


「何故、げっ歯類連合(ローデンティア・ネオ)を追っているんだ?やっぱり国が狙われているからか?」


俺は率直に質問した。


「それが、答えてくれねぇんだよ。言いたくないのかもしれんぞ?村を焼かれたとか」


トムは呆れた様子で呟くが、それに対しレイラは首を横に振る。


「え?違うの?へぇ……」


レイラはトムに対し、コクリと頷いた。



レイラちゃんがげっ歯類連合を追う理由は、結局聞き出せなかった。あまりしつこく追求するのも良くないので時が経ち次第、彼女が口を開くのを待つ事しか出来ないだろう。

進んで口述しないあたり、もしかしたら大した事ではないかもしれない。


あと、バーディアへの遠征は3日後と決まった。

いや、それは急すぎるって!




・・・




疲れた。


屯所から出た俺は、地獄のピクニックの疲れを癒すべく、心地の良さそうな土壌に潜り、束の間の休息にふけっていた。

だが、こういう時に限って眠れない。

日中だし、村人達で周りがガヤガヤしてるし。


なので、根っこ触手の五感を使い、周辺の情報を暇つぶしに、集めてみる事にした。



『隊長!こっちもデカイ岩盤があってこれ以上掘れないであります!?』


『なんだとデマルミエ!そっちもか!』


『隊長!デマルミエ軍曹!こっちの岩盤、ピッケルあれば崩せそうだっぺ!』


『本当かシリヤネン上等兵!よし、フルチノフ伍長!地上のヌーターン殿からピッケルを貰ってこい!』


『Да!』


隊長のスッパマッパ大尉が穴掘りの指揮をとり、デマルミエ軍曹とシリヤネン上等兵が掘削に励み、不要な土や石はフルチノフ伍長が地上へ運搬しているようだ。

ちなみに地上のヌーターンは、彼らが求めていたピッケルを蹴飛ばしてしまい、小指を負傷していた。

何やってんだこいつ?


源泉を掘り当てるスッパマッパ分隊の方は、とりあえず問題なさそうだ。

彼らは穴掘りのプロなので、掘り過ぎて村の地盤が崩れる事が無い事を祈ろう。

これ以上村で問題を増やされるのは御免だ。




『お兄ちゃん、私デロちゃん達の助けになれたよ。あの封玉ありがとね』


今度はミーナちゃん宅に根っこ触手が繋がった。


『禁術つかう奴がまたいたのか……。あれを渡してて良かったよ。ケガは無かったか?』


『うん!デロちゃんが助けてくれたもん!』


『ダイコン助けたのに、なんで最終的にお前が助けられてるんだ……?』


兄妹の他愛もない会話だ。

ここで知ったが、鳩尺様が最初の時より運動性能が落ちていたのは、やはりミーナちゃんの働きのお陰か。

彼女には、改めて礼をしなければいけない。


ミーナちゃんに道徳心を叩き込まれた俺は、自分でも違和感がある。罪悪感が湧いたり、慈愛の気持ちが溢れ出たりして。

あれは怖い。できれば二度とやられたくない。

俺は俺の意思を保つ!

トラウマが1つ克服し1つ増えた所で、この大根は不動なのだ!

好き勝手していいって神様公認やぞ!?

誰も俺を止められない!止められるもんなら止めてみろ!



『ん……?』


『どうしたミーナ?』


『……デロちゃんがまた良からぬ悪巧みしてそうだから止めてくるね』


は!?何故バレた!?ミーナちゃんもしかして超能力者(アギト)なのか!?目覚めるな、その魂!



『そっか……』


おいジェイク! そこは、引き止めてくれ!



……。


「……とりあえず、逃げよう!」


俺は迫り来る逆らえぬ脅威(ミーナちゃん)から少しでも逃げる事にした。

違う意味で、今の俺は止まれ無い。




・・・




「まさか動く大根の噂が本当だったとは驚いたがな。これは国の危機を救うチャンスだで」


脅威から逃げていた俺は、村外れにて何者かの癖の強い話し声を偶然耳にした。


俺の知る限り、こんな喋り方をする奴はいない。

シリヤネン上等兵やフルチノフ伍長とは違う癖だ。

とりあえず、俺について喋っている事はわかった。



「おい、そこに誰かいるのか?」


「なっ!?」


声の主と目が合った。

その人物は、あの無口な暗殺者少女レイラだった。


「俺について何か言ってた?」


「くっ……聞かれた」


俺は思い出した。俺はギルドとかいう組織から金貨5枚の懸賞金をかけられている事、それとトムがレイラと出会ったのは、冒険者ギルドだったという事を。


つまり、コイツは村に潜入し、俺を暗殺するために送り込まれた刺客という事だ!


「先手必勝!」


俺は向こうが行動を起こす前に、彼女を根っこ触手で拘束した。


「危なぁ!……なんだいや、これ!外せんがな!?」


レイラの反射神経は、俺が今まで出会った誰よりも郡を抜き優れていた。

彼女の前身をグルグル巻きにするつもりが、ほとんど避けられた為、両足首しか縛る事は出来なかった。

動きを封じられただけ今は良い。とりあえず手首も縛っておこう。


「ぐぬぬ……!なんでこうなるだ!?全然、意味分からんっちゃ!」


本当に初対面の時と同じ人物なのだろうか?

物凄く喋るよ、この子……。


「とりあえず何処の差し金だ、お前?俺を殺しに来たのはわかってる」


レイラから情報を聞き出そうとすると、彼女が困惑しだした事がわかった。


「へ?何いっとるだ……?アンタを殺すなんてする訳ないがな。ギルドがアンタを手配しとろうが私には関係ない事だし、どっちかと言うと逆だで」


彼女が俺を狙っている感じはない。殺気もない。


「あんなー、もうベラベラ喋っとるけぇ言うけど、私はアンタの仲間」


「随分、喋るな、本当にさっきのレイラちゃんと同じ人物?」


「あんなー、バーディア語で話すとなぁ、全然似てないのに、アライグマ人族語と間違われるだがぁ?

一度この国で疑われるとあれこれ聞かれるし、憲兵共が付きまとって、気が悪い……。だけぇ、私はこの国におる間は、喋らんって決めた!下手にバーディア語が出るのもいけんし」


どうやら、彼女が無口だったのは、誤解を防ぐためだったらしい。

彼女が喋っている言葉、訛りはバーディア語というらしい。


ちなみに以前、調べ物をしていた際に、アライグマ人族語がどんな物かジェイクに尋ねたら、俺の知っている限りでは、何故か任侠モノでよく耳にする広島弁だった。


俺が思うに、彼女のつかうバーディア語とアライグマ人物語は全然似てないように思えるが、ここらの地域の人には区別が難しいようだ。

多分、関西弁と大阪弁の違いがわからないのと同じ感覚なのだろう。


「じゃあ、なんでげっ歯類連合を追ってるか教えてくれるか?」


「多分奴らの頭目はカッチョパッチョ大王で間違いない。私はその大王と、げっ歯類連合の面々が使うという禁術、生命再生に興味がある。アンタがその力によって生まれたのという事はわかっとるで?」


禁術というのは、さっきジェイクとミーナが話していた魔術の一種だな。

トトンヌが使った野菜魔物化や、巨大ヌートリア、鳩尺様がそれにあたるのだろう。

低コストで高クオリティの魔術なんだから禁術とは恐ろしい。


「興味があるって事はレイラちゃんは、何か復活させる気なのか?」


俺の問いにレイラは首を横に振った。


「あんな?興味があるっていっても、どっちかと言えば殺す方の使い方に興味あるだが。」


急に物騒な事言い出したな。


「現在、バーディアの海にはかつての三界王の一角、海王リヴァイアサンが支配しだしたんだが?

でな、それを復活させたのがげっ歯類連合、なんとかして復活した海王を倒さんと、国の漁業は廃れてしまうぞなー?って事で私がげっ歯類連合の足取りを追ってここに辿り着いた。他の三界王を復活させないためにも、早く奴らを倒さな、いけんって事だっちゃ」


げっ歯類連合(ローデンティア・ネオ)

彼らの目的はあくまで温泉郷を築く事。

なのに何故、海王リヴァイアサンを復活させたんだ?

おまけに、奴らには三界王の一角、陸王ヨルムンガンドを倒した邪竜カピバラゴンがいる。

明らかに目的に対して、労力を無駄に使い過ぎである。本当に温泉が最終目的なのか疑わしい。


とりあえず、今の話はみんなに語る必要がある。

もう一度、屯所に突っ込んで来ようと思う。



その頃、俺を探していたミーナちゃんは俺から邪念が失せていた事を察知し、何も無かったかの様に家に帰っていった。

やっぱ、あの子普通じゃない……、おっかねぇよ。



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