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DIE CORN 〜転生したら大根だったがな!〜  作者: 瑞 ケッパオ
アライグマの全世界ピカピカ計画
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げっ歯類連合vsアライグマ人族【前編】

今回から二回ほど閑話。三人称になります。


アライグマ人族は武力によって己の存在を世に知らしめる。


かつての洗浄戦争にてヌートリア人族に勝利したものの害獣指定を受け、人間からしてみれば腫れ物のような存在だ。

しかし彼らの生命力、根性は他種族と比べれば高い。


そんなアライグマ人族はある村を侵攻していた。


村の手前には、大きく深い川があるが、彼らアライグマ人族の水軍にとって、そんな物はなんとも無い。


アライグマ人族の水軍はワニに乗り川を渡る。

その姿から水軍は『ドラゴンライダー』とも呼ばれている。


攻められている村には、武力によって侵された際の抵抗する術が無かった。

ここら地域には、魔物がいなければ盗賊も居ない。

ここより西にあるネスノ村の様に、村がこの国にとって有益な存在なら、戦える人員が国から送られる。

残念ながらこの村には何もない。


よってアライグマ人族に占拠されるのは一瞬の出来事であった。



村を占拠して数日後、彼らアライグマ人族は試される事になる。


現アライグマ人族の王、アードバーグ・ライジングは、とある噂を耳にする。


「なんじゃと?ネズミどもが攻めて来とるんか?」


アードバーグ王は旧友アドミラール・ライオネルの言葉に眉をひそめた。


「あくまで未確認情報じゃけえ、確信は持てん!げっ歯類連合(ローデンティア・ネオ)とか言うイキった連中らしいんじゃがのぉ……。ヌートリア人族そん中におるらしいで?」


腹立つ(はがえー)のぉ、あの馬鹿(だらず)どもかぁ……。こりゃ、ちぃーと、ぶちまわしたった方がええな」


アードバーグ王は、部下を呼ぶ。アドミラールから見ても、彼はとても不機嫌な顔をしていた。


「お呼びでしょうか?」


「この近くでヌートリア人族やネズミどもが暗躍しとるらしいで?いち早くヤツらを探しだし、見つけ次第、首根っこ切り落としてこいや!」


「こんな時間に……ですか?みんな寝ておりますし、面倒(たいぎー)です」


現在、真夜中。アライグマ人族の多くは眠りについている。

部下の言葉を聞き、アードバーグ王の機嫌が更に悪くなる。


「こがな時間もクソもないわ!文句(かばち)たれとる暇があったら、はよ兵を集めてこいや!」


アードバーグ王の怒鳴り声は外まで響いた。

王の一喝に不満気味だった部下は、慌てたように命に従った。


それを見ていたアドミラール・ライオネルはため息をつく。


「お前さんは、もちぃーと優しく言えんのか?そがな調子だとほんとに怖がられるで?」


長年の仲、アードバーグ王の暴走の歯止めになっているのはアドミラールなのだろう。

彼はしばらくしてからその場を立ち上がる。


「んじゃ、そろそろ(いぬ)るけぇの?『げっ歯類連合(ローデンティア・ネオ)』の事はまた明日考えればええ……」


アードバーグ王との雑談を終え、アドミラールが帰ろうとした時、事件は起こった。


「夜分遅くにお邪魔しますよ?」


突如、この空間にアードバーグでもアドミラールでもアライグマ人族でもない、2人組が現れる。


1人は身長が2mを超える巨体にシルクハットに片眼鏡、燕尾服を着たカピバラ人族。


もう1人は漆色のローブを纏った、アライグマ人族より一回り小柄で彼等とは犬猿の種族、ヌートリア人族だ。


「なんじゃ、おのれら!?」


アードバーグ王は声を荒げ、側に置いている剣に手を伸ばす。


「急にすみませんね。お初にお目にかかります。我々、噂の『げっ歯類連合』の使者、私がヒパビパで、こちらがトトンヌでございます。」


ヒパビパは営業スマイルを浮かべ、帽子を脱ぐと、ご機嫌をとるような口調でアードバーグ王に挨拶する。


「何の用なんじゃ?こがな時間に?」


アドミラールがヒパビパに問う。


「いやはや、こちらとしては、偉大なる高潔なアライグマ人族さんに、いち早くご挨拶がしたかったのでね?無礼を承知で伺った訳なんですよぉ」


「……用件はなんじゃ?」


アドミラールが冷静に尋ねる。


「アライグマ人族も『げっ歯類連合(ローデンティア・ネオ)』に加わって頂きたいのです。げっ歯類と言うのは表向きでして、獣人ならば何人だろうと構わないのです……」


ヒパビパは一呼吸入れ、話しを続ける。


「ここから、西にあるネスノ村。そこの地下には、温泉が眠っております。ここは一つ我々と共に財宝(おんせん)を手に入れませんか?もちろん山分けです。狡い事などしません。」



「は?温泉じゃと……?ワレェ何言うとるんか分かっとるんか?」


低い声で、退屈そうにアードバーグが言い放った。


「わいらアライグマ人族は、例え竜族だろうと、それを負かしたカピバラ人族の軍(ローデンティア)だろうと、同盟する気も、傘下に加わるつもりもない。……『ローデンティア』を自称してイキっとるのも、たいがいにせぇや!おどれらの面なんか見たくないわ!去ね!」


アライグマ人族は頑固でプライドが高い。

わりと長いアライグマ史において彼らが別の種族と手を組む事など無い。

そんな事は、ヒパビパは知っていた。

知っていながら、アライグマ人族の王を勧誘した。それはもはや挑発。



「どうやら、交渉決裂だな」


トトンヌが口を開く。アードバーグ王は彼を睨みつける。


「ええ、本当に残念ですトトンヌ御大。仲間になって頂けないのなら、財宝(おんせん)の事を忘れてもらいましょう」


ヒパビパの表情が鋭く変化した。

その変化にアードバーグ王もアドミラールも身構える。


「ここでやっておきたいのは山々ですが、トトンヌ御大もそれじゃつまらないでしょう。明日また伺います。気が変わりましたら、川の向こう岸におりますゆえ、良い知らせを持って来てください」


「おい待てや!」


アードバーグ王は『げっ歯類連合』の使者2人に、近くにあった自分の彫刻像を投げつけるも、2人は来た時とは逆に、その場から一瞬して消えてしまった。


まるで今まで、幻か夢を見ていたかの様な顔を浮かべるアードバーグ王とアドミラール。


「アドミラール!軍の準備は任せる。奴らドブネズミどもは1匹たりとも逃さん!アライグマの牙と爪でかぐって、ぶち洗って、ぶち殺したるけぇの〜!!」


アードバーグ王は額に血管を浮かべ、全身を強張らせ、怒りを露わにする。


げっ歯類連合(ローデンティア・ネオ)にとってアライグマ人族は色々と邪魔でしか無い。

今回の件でアライグマ人族と戦う理由が出来た。



開戦は6時間後。




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