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DIE CORN 〜転生したら大根だったがな!〜  作者: 瑞 ケッパオ
ネスノ村・ビーバー卓の騎士編
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第24話 ヌーターン、ネスノ村の英雄になれ!


よく映画などに出てくる超巨大なモンスターや宇宙船には、重大な弱点がある。

そこを突けば、ダメなおっさん1人でも「よぉ、タコ野郎、帰って来たぜぇ!」と言えば破壊出来るのだ。


それは巨大ヌートリアに対しても同じ事、俺の予想通りだった。


クレア曰く、魔術によって生み出されたゴーレムには(コア)があり、それを破壊すれば解決するのだとか。


シオンを気絶させたのは間違いだったな、ゴーレムについて知ってそうだったし。


巨大ヌートリアの背中は落雷によって大炎上。

更に背中が裂けているので、被害は目立つ。

俺が体内を掘りまくったせいもあるが、崩壊が始まっている。


これだけ巨大ヌートリアの現状を述べれば、このまま自壊するのを待てばいいと思うかもしれない。

しかし、元々の体格が大きい為、致命的なダメージにはなっていない。



巨大ヌートリアはご立腹だ。


身体を起こし二足歩行でこちらに突進してきた。


そこでクレアが雷撃を巨大ヌートリアの足首に放つ。


「ピバァアアア!??」


体のバランスを崩し、あのデカブツは、氷で滑ったかのように頭から転んだ。


俺の目の前まで、ヤツのデカい頭が迫ったが特に何とない。


というか、これは絶好のチャンス!


ヤツの頭部をミェルニルで叩ににかかる。


「危ない!?」


クレアが叫ぶ。


俺は周りが見えていなかった。

巨大ヌートリアから飛び散った破片が、俺に直撃する。


不幸にも当たった破片は丸太。こんな大きい物が不意に当たればたまったものじゃなかった。


俺は丸太の下敷きとなり、目の前にいる巨大ヌートリアにパクリと飲み込まれた。




・・・




巨大ヌートリアに飲み込まれた俺はヤツの体内にいる。


人工物(ゴーレム)のくせに体内の作りはしっかりしている。

俺がミェルニルで掘った穴よりも整えられている。

まるで正規の通り道かのようだ。

内部までこだわるイタリア製品みたいだと、褒めたいがそれどころではないだろう。


何かがいるのを発見した。


『ぐぬぬ……!どうしてこうなったのだ?ワタシの力があればこのくらいぃ……」


ヌーターンが木の間に挟まっていた。


なんで、お前がここにいるんだ?

背中から落ちてから何があったんだ?


「よぉ、少し振りだなヌートリアの騎士王さん(笑)」


「なっ!?貴様が何故ここに?……そうか、()()()ドジ踏んで食べられたんだな!ざまぁみろ!


なるほどそういう事か、ざまぁみろ!


「それはそうと、なんでお前はそこに挟まってんの?バカなの?」


「バカとはなんだ!騎士王への不敬はゆるさん!」


今更、何言ってんだ?

初めから、尊重なんざしとらんがね!


「けして、ワタシは脱出しようとして、そこらを叩いてたらヘマこいて割れ目に挟まったとか、そういうんじゃないぞ!?」


なるほど、下手に動くとヌーターンみたいになるようだ。


「じゃあ、おたっしゃでー」


俺はこの空洞を探索する為、ヌーターンをそのままにさして去る。


「まてまてまて!待ってぇ!!お願い!?」


「次はなんだよ!?」


ヌーターンが去り際の俺を必死に呼び止めた。


「ここから、出してくれ!これ以上魔力を吸われたらミイラになってしまう!特別にワタシに触れる許可を与えるぞ!」


どうやら魔力を奪いとる効果がこの壁にはあるらしい。


俺自身は野菜エネルギーが減る感じはない。

野菜エネルギーは魔力とはまた別のモノなのだろうか。


「よし、出してやろう」


俺はしばらく考えそう決めた。


「おお、有難い!早速、そのハンマーでやってくれ」


「ただし、条件がある」


「条件……だと?なんだ?」


もちろん、タダで助ける訳にもいかない。

コイツは俺や村人を不眠症にした極悪非道のクソ野郎だ。


「お前ら『げっ歯類連合(ローデンティア・ネオ)』について、アライグマの様に洗いざらい話して貰おうか!あと賠償金に100兆円よこせ!」


「なんだと!!それは……」


仲間の事は大切なのだろう。ヌーターンは俺の提案に乗り気ではない。


ならば、話を変えてみよう。


「お前らがこの村を滅さなくても温泉を手に入れる方法がある」


「それはどういう事だ!?」


お?喰いついた。


「別に村を滅ぼしてまで新たに『温泉なんとか』を作らなくても、村人と交渉して、名産品の大根と温泉で人を呼び込めば、両者にとってwinwinな関係が築けると思うし、無駄な戦いはしなくて済むんじゃねーの?」


「……」


俺の提案にヌーターンは口をポカーンと開けたままだ。


どうやら、彼の頭の情報処理が追いつかず、電源がオチてしまったんだろう。



「……それだ!今まで思いつかなかった!」


数秒の沈黙の後、ヌーターンは提案にのってきた。


和解出来たようでなによりだ。


俺はミェルニルでヌーターンの周りの壁をエグる。


「ふぅ、助かったのだ!まずはこのヌートリアの大魔神をどうにかしなくてはだな!?」


ヌートリアの大魔神とは巨大ヌートリアの事だな。


「このデカブツを破壊する。(コア)はどこにあるんだ?」


「ふっふっふー!ワタシがそんな事、知らない訳無いだろう!」


ヌーターンは自慢げに腕を組むと、威張りながら言った。


「んで?どこにあるんだよ?」


「そっちだ!」


ヌーターンが指を指す方向。そちらは更に内部への道だ。

そっちから、なにやら緑色の光が見える。


「あれか?」


「あれだ!」


ヌーターンに確認を取り、光のもとへ向かう。


「おい!そんな事より、ワタシのエクスカリカリバー返せ!」


ヌーターンは俺を掴み、引き止める。


ヌーターンは現在、俺がミェルニルで鎧を蒸発させ、エクスカリカリバーを奪ったので、丸裸。ただのヌートリアだ。

多少、大きいヌートリアだ。


「……ほらよ」


核の場所もわかっているので、俺はヌーターンにエクスカリカリバーを返す事にした。


もちろん、ただ返すだけな訳ない。


「な、なんだ!?貴様!?」


俺は根っこ触手でヌーターンを縛った。


和解出来たとは言ったが、和解したとは言ってない。


不意を突かれでもしたら、大変だ。この件が終わるまでは、ヌーターンを縛っておこう。


「なんだこれは!どういう事だ!」


俺は暴れ叫ぶ、ヌーターンを無視し、引きずりながら核の場所へ向かった。




・・・




「おお……、デケェ」


緑色に光る球体、核を見つけた俺はその綺麗な見た目に思わず口が開く。


とりあえず、触ってみよう。


グチャ……。


「……」


嫌な音と感触だ。


光でよく見えなかったが、よくよく見てみるとブヨブヨとした芋虫のような皮にドロドロとした液体が纏っており、その液体が緑色の光を放っていたようだ。


しかもこの液体臭い。

生ゴミと便所の臭いを混ぜて、キツめの香水をぶっかけたような臭い。


「うわぁ……」


俺に引きずられていたヌーターンが謎の液体まみれになった俺の手を見て引いた。


嫌だな。こんな五感の全てを刺激する不快感。

おまけに蠢いてて、超キモーい!



やったね、ヌーターンちゃん!トラウマが増えるよ!


次、同じ目にあったら体の全細胞がショック死する!

いわゆる『こんなの二度(アナフィラキシ)とゴメンだ(ーショック)』ってヤツだ。



俺自身こんな事で行く手をはばかれるとは思ってなかった。


謎の液体をヌーターンの毛で拭き取る。

それに対して、ヌーターンは必死に抵抗して、もがいていたようだが、俺が拭き終わると、すごく静かになった。


「ヌーターン!お前の力を借りるぞ!」


俺はヌーターンを根っこ触手で縛ったまま、振り回す。


「な?な?な!?なんだぁ!やめっ!やめルォオオ!」


「騎士王ヌーターンよ!貴様をネスノ村の英雄にしてやる!」


俺は、モーニングスターとかいう武器の要領で、ヌーターンを気持ち悪い球体、核へと叩きつけた。


芋虫を潰す音が聞こえた。


それからまもなく、核がブルブル震え、風船の様に弾け、緑の液体が当たりに飛び散った。


これが俺が最後に見た情景。そこから放たれる、圧倒的な刺激臭の猛攻によって、俺の意識は奪われた。






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