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DIE CORN 〜転生したら大根だったがな!〜  作者: 瑞 ケッパオ
ネスノ村・ビーバー卓の騎士編
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第22話 赤筋大根


現在、巨大ヌートリアの背中。

ヌーターンが玉砕を前提とし俺に斬りかかって来た。


今のヌーターンは怒った様は、怒髪天を衝く。


前みたいに、適当な事を言って危険回避する事は出来ない。マジで。

それを証拠に今、俺はミェルニルで奴の猛攻を防ぐのに、めいいっぱいなのだから。


ヌーターンが斬撃を飛ばしてくる。俺はミェルニルでそれを受け流し、ヌーターンとの距離を詰める。


次に斬りあげる形で斬撃が飛んでくる。


俺は地面を根っこ触手で蹴り、ヌーターンの頭上へと上がる。あとはこのまま、ヌーターンの頭に一撃(ハンマー)をブチ混むだけだ。


「引っかかったな!マヌケ!」


ヌーターンは頭上の俺に斬撃を飛ばす。


「なっ!?」


迂闊だった。奴の上を獲ったと慢心した俺は反応に遅れた。

根っこ触手を伸ばし避けようとするも、飛んでくる斬撃は、俺の両足をちょん切った。


痛みは無い。それに根っこ触手を使えば、足など無くても問題無い。


しかし今まで、雷などをくらっても、失わなかった身体の一部が、たった今、無くなった。


地の利を活かした良い戦法だと、俺がジェダイなら褒めていたがそうはいかない。


「落ちろ!」


態勢を崩した俺はヌーターンに蹴られる。


そのまま、さっきまで掘っていた穴に俺は落ちてしまう。


ホールインワン!……と言ってる場合ではない、穴の最深部に落ちた俺は上を見上げる。


……。


「うわぁ、なんか空光ってる」


僅かに見える空がチカチカと光を見せていた。


「あれってもしや……?」


俺は思いだした。

一度、シオンのフォローによって防がれたアレを。


また雷だ。ヌーターンから『沼狸神の(エル・ヌートリア・)積乱雲(サンダーヘッド)』と呼ばれていたヤツだ。


上からヌーターンの声が聞こえる。


「ふっふっふー!このまま塵と化すが良い!さらばだ、大根!貴様の事は、ワタシが語り継いでやろうぞ!」


「マジかよ……」


俺はせめてもの抵抗で、ミェルニルで身を守る。


雷が巨大ヌートリアの背中に、俺のいる穴に突き刺さる。

コイツの背中には無数のネッコボルグを突き刺したはずだったのだが、避雷針として機能する事は何故か無かった。



つまり、雷は俺に直撃した。




・・・




その時、不思議なことが起こった!


雷に打たれ、絶対絶命かと思われた大根、俺の身体の底から力が湧いて来た。


その力は、俺が飛び蹴りや根っこ触手、ネッコボルグを使うのに消費される力、野菜エネルギーだった。


どこにこんなポテンシャルがあったのか?


今までの行動で野菜エネルギーを使いすぎていたと俺は錯覚していた。


否、野菜エネルギーは、()()()()の莫大な力、引力によって増幅されたのだ。


それは、俺が持っているミェルニル。


どういうわけか、ミェルニルが俺の潜在的能力を覚醒させる要因になった。



俺の全身に、赤い筋が浮かび上がる。


身体の底から、とてつも無い野菜エネルギーが湧き溢れる。おまけに足も再生した。


「これは勝ったな」


俺はそう確信した。


根っこ触手を伸ばすと自分でも信じられない速度で穴を抜けた。


「なんだこりゃ!」


辺りを見渡すと一面、火の海と化していた。

原因はあの雷のせいだろう。

木が乾燥していたのか、火がまわり巨大ヌートリアの背中は大火事だった。


「めっちゃ燃えてるやん!」


火は俺にとって天敵。雷もそれなりの被害を受けるが、火の海には包まれたとなると、かなり危うい。


そんな絶体絶命の中、なぜか不思議と熱さは感じ無い。


ヌーターンは俺が雷で死ななかった事を考え、火をまわしたんだ。間違い無い。


という俺の予想は見事に外れた。


「あ"あ"あ"あ"あ"あ"!?背中に火がぁ!?アツいぃいいいい!!!?」


背中が燃えて、走り回るヌーターンがそこにはいた。

『カチカチ山のヌートリアさん』ってとこかな?


「なにやってんだ、あのバカ?」


そもそもヌーターンの鎧は可燃性なのか?それとも体毛が燃えているんだろうか?

どちらにしても、滑稽な姿を笑ってやりたいが、残念ながらそんな事をしている場合では無い。


俺はミェルニルで走り廻るヌーターンの背中をぶん殴る。


金属が凹む音が聞こえると同時に、ヌーターンの鎧が蒸発した。

おまけにヌーターンの背中が鎮火したためヤツはその場に倒れた。


ヌーターンは俺に気づき、距離をとる。


「何故だ!なぜあれをくらって、何故生きているのだ!?貴様は本当に大根なのか!?野菜獣大根なのか!?それにその体は、赤いのはなんなのだ!?」


ヌーターンは自分の鎧が蒸発した事よりも、俺の存在

が気掛かりらしい。


「やはり、貴様はここで始末させてもらう!『火焔閃槍(トドメだ!)』しね!」


ヌーターンは例のレーザーを放つ。



運が無い。まさかこんな時に限って、魔術が成功するのだから。

レーザーが俺に直撃すると焼夷(ナパーム)弾の様に炎が弾け、爆発した。

本当に運が無い。俺はこの爆発によって爆発四散し塵すらも残らないのだから。


まぁ、それは以前の大根だったらの話なんだがね?


少しびっくりして寿命が縮んだかもしれないが俺は無傷だ。


「なっ!?どういうことなのだ!??大根は火に弱いはずじゃ!??」


「うん、そう思うじゃん?けど今の俺は、ただの大根じゃないんだって?」


「なら、貴様は、だれだ??」


ヌーターンに問われ俺は答える。


「今の俺は『赤筋大根』……らしい」


「なんだとぉ!??」


そう、全身に赤い筋が浮かび上がり、俺は赤筋大根になっている。

それは今さっき、久々に脳内に入ってきた新情報でわかった事だ。




『赤筋大根形態』


聖剣を含む伝説の武具を使用の際、莫大な量の野菜エネルギーを一時的に発生させる事で、本形態になれる。


通常形態との主な違いは、雷や火炎と熱に対する高い耐性能力。増強された身体能力の使用。




……だそうだ。


つまり赤筋大根になれたのはミェルニルのおかげというわけだな。


そしてこの場にはもう一つ、聖剣がある。

エクスカリカリバーである。


傲慢だが『俺の物は俺の物。お前の物は俺の物』という素晴らしい言葉にならい、ヌーターンからエクスカリカリバーを奪う事にした。


「なんだ?やるのか?」


ヌーターンは受けて立つと言わんばかりに剣を構える。

律儀にやってる暇は無いので、ヌーターンの懐に踏み込み、俺はエクスカリカリバーを掴む。

逆の手に持つミェルニルでヌーターンを殴り飛ばした。


この間、僅か0.2秒!ヌーターンが反応できないのは仕方ない事だった。


ヌーターンは地上へと落ちていった。死ぬ事は無いだろう。


ミェルニルとエクスカリカリバーを根っこ触手で持つと体内から更に倍以上の野菜エネルギーが込み上がってきた。

よし、思った通りだ。


いつまで赤筋大根形態が維持していられるかわからないので、巨大ヌートリアの核を急いで探す事にした。





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