「いのち」
皆、知っているのでしょう
いのちは永遠に続くものであること
親が、子よりも先に逝くことを
私は知っているのです
いのちはつまり脆さであること
愛は、この世の何よりも強いことを
辿りきれないほどの歴史を生んだ
数えきれないほどの人間が生まれた
世界が回り、技術の人が走り続けても
いつの日も、いのちは脆い
皆、知っているはずでしょう
いのちはいつも 悔やまれるほどにやわい
神か仏かもわからぬ何かにすがりつき
どうして死ぬのかと なぜ先に逝くと嘆く
自由に生きて、自由を奪われる
いつの時も、いのちは重い
こう話せば、冷淡に見えるだろう
血も涙もない、世界の除け者になるだろう
けれど、私は習い、学んでいる
腰が折れ、ひざが歪み、何か飲めば咳をする
そうした「生きる苦しみ」すら味わえず、
眠ったあの人の想いがどれだけ強いか
わたしはどうしてもわかることができない
皆、知らないのです
果たされない想いといのちの先を
だからこそ、いのちはずっと 脆いのです