◇90
狐と獅子の戦いは観戦者達を釘付けにする程の試合となり、狐が勝利し幕を閉じた。
この試合でプンプンが狐...魅狐族であると気付いた者はいない。しかしほぼ全員がワタポ、プンプンを警戒すべき相手 と認識した。
星霊族の十二星座とケロッチが告げた瞬間誰もが星座を見て、この試合で情報を集めようとしただう。しかしその星座チームはノータッチだったチームに2敗、この瞬間から全出場者達はフェアリーパンプキン+をどのチームよりも視野に入れる。
この注目された試合の最後を飾るのは十二星座最強の座を持つ乙女座ヴァルアと、フェアリーパンプキンのマスターひぃたろ。
試合を始める前に闘技場のケアをしていると、会場が妙にざわつく。この声に試合を終えたプンプンが試合前のひぃたろへ一言呟く。
「みんなやっと思い出してくれたかな?ギルド フェアリーパンプキン」
「そうね、ここで初の顔出しになる感じかな?」
「?...あ、そっか!フェアリーパンプキンって色々な噂があるギルドで、2人だけのギルドって知ってるのはワタシやエミちゃ達だけだったね」
ワタポもここで思い出す。
ギルド名フェアリーパンプキンは実力派ギルドだが、その名だけが広まりメンバー構成、マスター名等もほぼ知られていない。強靭なマッチョ集団と言う者もいれば、頭脳はインテリギルドと言う者も。
しかし真実は女性2人の超小規模ギルド。
この真実に気付いた観戦者達は更に驚く。ゴブリンの集団を殲滅、大型モンスター討伐等のクエストをたった2人、それもまだ若い女性が完遂していた事実に。
「さぁさぁさぁさぁ!お待たせした感じだけど、続きを始めまっフゥー!この試合の最終戦!」
ケロッチの声に今までは盛り上がっていた会場が一気に静まる。ケロッチに飽きた訳ではなく、本当に次の試合を待ち望んでいたからだろう。
両チーム最後のメンバーが観客達を焦らす様にフォンを触り装備を整える。本来試合前に完璧な状態にし、会場へ現れるが初戦となれば相手に装備等でヒントを与える事になるので最低武器は直前に装備する方がいい。
るーの様に武器を背負ったまま会場内を歩き回る冒険者も勿論存在していて、それはただ単純にその武器が好きで装備したまま、や、武器や装備でまだ見ぬ相手を脅す狙いの者もいる。るーは言うまでもなく気に入っているから装備している。
お互い装備を隠していた質素なマントがフォンに吸い込まれる様に消え、すぐに観客達が声を溢す。武具に詳しい冒険者は勿論、武具の知識は無いが長年冒険者達を見てきた客も2人の防具に反応する。
乙女座ヴァルアの防具は前回とは少し違い、鉄部分もあるがベースは布や革といった軽量系素材。
回避や行動力を重視するならば布や革等の素材に鱗や牙、鉄系素材を少量合成して作るのが普通。鉄部分が露になる軽量系防具は珍しいが、見た目も拘れば鉄素材を装飾的に使う場合もある。
緑のベースに白鉄でガード部分をつける防具 グリアライトアーマーがヴァルアの防具。前回使用していた鎧を強化したモノだろう。
ひぃたろの防具は露出の少ない赤色のパラディアトップに黒いショートスカート、ダークゼレフスカートを合わせた混合防具。パラディアトップはマスタースミスビビが前愛用品だった防具全てを素材にして生産した装備。ダークゼレフスカートは競売でそのレア度を知らない者が安く出ていた装備品。
入手方法はダークゼレフからドロップ、生産不可能なドロップ限定防具。ネクタイやブーツもビビ生産のアクセサリー。
次は武器だ。と言うように2人は剣を装備する。
星霊界では盾と剣を使っていたヴァルアだが剣と短剣の双剣スタイルに。
ひぃたろは星霊界で入手した宝剣を最大強化したパールホワイトの刀身を持つ固有名 星霊剣メビウスを構える。
「宝剣...この試合で私が勝利した場合、その剣を私が貰う」
ヴァルアが突然そう言う。星座として星霊の宝剣を取り返したいと思ったのだろう。しかしここで承諾する訳もなく、ひぃたろはクチを開く。
「その防具...グリアライトを使ってるわね?私が勝った場合、グリアライト結晶をくれるならその賭けに乗るわ」
ここでヴァルアは武器を鞘へ戻し、フォンからグリアライト結晶を取り出し見せる。
「これでいいか?」
ひぃたろが頷くと結晶をフォンポーチへ戻し、剣を手に。
お互い賭ける品を見せ合い、賭けが成立すると、司会やゲストが割り込む隙もなく、お互いの剣が無色光を放ち衝突した。
十二星座の中で最強の乙女座、先程の2人も敵わないレベルの相手にひぃたろは1歩も引かず単発剣術で挨拶をする。相殺で終わった剣術、ここでディレイが発生するも、2人の動きは止まらない。
剣を持つ腕から意識を遮断し行動するディレイキャンセル。と言っても本当にディレイが無くなる訳ではなく、剣とそれを持つ腕だけをディレイ対象にし、他の部分は自由に動かす高レベルスキル。高い集中力が要求されるスキルなので初撃を単発剣術にしディレイキャンセルを発動するのが一番成功率は高い。
距離を取ろうとする半妖精を乙女座は追い無色光を纏う短剣が素早く煌めく。
突進系剣術を短剣で発動させる。剣よりも軽い短剣で突進系剣術を使えば威力と重さは半減以上する、しかし速度と距離が数倍ブーストされる。
乙女座と同じく剣と短剣を使うエミリオはこのメリットとデメリットを知らない。
矢の様に一直線にひぃたろへ距離を積めるヴァルアだが短剣は音をたて空気を貫き裂いた。そこで停止する事なくヴァルアは剣を強く握り半回転する様に上を狙い、剣を横振りする。
鋼鉄音が響き周囲の空気を揺らす。
「エアリアル...扱うのが上手くなったわね」
「盾術だけじゃなく短剣術も使えるとはね」
フェアリー種族が詠唱なしで使える造形魔法 エアリアル。自分の背に4枚の羽根を造り出す魔術。羽根が出ている間は魔力が限度なく減り、他の魔術は一切使えなくなるが、空を飛べる事で戦闘の幅は一気に広がる。
今ひぃたろは回避からのカウンターにエアリアルを使った。
薄く綺麗な桃色の翅を1度扇ぎ、空へ。この時翅から微粒子を散りばめ乙女座の周囲を舞う。
微粒子が停止し細く鋭い針に姿を変化させ乙女座を貫こうとするも、一瞬早く気付いたヴァルアは素早く回避、闘技場の地面深くへ突き刺さり微粒子の針は消滅。
回避成功に安心する暇も与えずひぃたろは翅を折り上空から急降下、単発重剣術をヴァルアへ撃ち込んだ。
無理な姿勢からのガードは脆い。ガードブレイクが発生し乙女座は弾き飛ぶ。剣と剣が接触する瞬間にエアリアルがふわりと消え、詠唱を始めていた半妖精は地面に倒れる乙女座へ上級光魔術 ホーリ レイを降らせる。
白金の魔方陣が上空にいくつも展開され、降り注ぐ光の雨がヴァルアを叩く。
「まぢかよハロルド...ホーリ レイとか相当凄い魔術だよ」
魔術に特化した種族、魔女のエミリオも驚くホーリ レイ。消費魔力は多く詠唱も長い。しかしひぃたろは詠唱を省略し発動させた。消費魔力は通常詠唱と同じ量で威力は低下、しかし素早い詠唱で発動可能になる省略詠唱。ダメージを与える事だけを考えた作戦ならば燃費の悪い光属性ではなく、風属性を選ぶのが普通だがひぃたろは光属性の上級魔術を省略詠唱という形で発動させた。ダメージを与えるのは勿論だが狙いはそれだけではない。
「ハロルド、まさか」
エミリオの予想は的中する。
半妖精は素早く唇を揺らし、中級光魔術 シャインスピアを追加詠唱で発動させた。
下級からは下級、中級から中級と下級、上級からは上級と中級と下級を繋げる事が出来る追加詠唱。勿論上級から上級などの同じランクを繋げる場合は簡単にはいかず、同ランク魔術でも上下はあるので、魔術をよく知ってから使わなければファンブルする。
ダンジョンでハルピュイアが使ってみせた追加詠唱、それを後々エミリオが説明した。たった1度の説明で理解し、今追加詠唱を使って見せた。
上級光魔術をわざわざ省略詠唱して発動させたのは次の中級魔術へ繋げる為だった。
追加詠唱、省略詠唱は魔女以外の種族も頑張れば使えるスキル。
妖精と人間の混血、ひぃたろは人間が持つ物事を深く知りたいと思う脳と妖精が持つ素早く理解しまとめる脳を最大まで使い、このスキルを飲み込んだ。
シャインスピアは乙女座を見事に貫き、試合はひぃたろの勝ちで終わり。
誰もがそう思った瞬間、ひぃたろは剣を大きく振った。
再び響く鋼鉄音、そしてゆっくり姿を乙女座。
剣と剣で押し合う2人の姿に観戦者は驚き声を漏らす。
光の槍に貫かれ倒れていたはずの乙女座がなぜ半妖精に攻撃しているのか、半妖精はなぜそれに気付きガード出来たのか。
「超広範囲の状態異常...いや、条件がある状態異常ね?」
ひぃたろが質問をぶつけるとヴァルアは一瞬驚く。すぐに刃で刃を撫でる様に滑らせ距離を取り言った。
「私のディア...ゲフェーアリヒ リューゲ。私の姿を見ていた時間帯だけ、私の嘘にハマる。そしてお前が言った様にこれは状態異常を与えるディア」
「そのディアは簡単なモノではなく自分に都合の悪いモノにしか発動しない。自分で発動タイミングを決める事が出来ない。だから ゲフェーアリヒ リューゲ...危険な嘘。そうね?」
「正解」
乙女座ヴァルアのディア、ゲフェーアリヒ リューゲ。
自分の命に関わる未来を嘘で塗り潰し変えるディア。自分の意思ではなく力が勝手に判断し発動するタイプのディア。無敵に思えるディアだが制御不可能、効果は状態異常のジャンル。
星霊界でひぃたろはこのディアを1度体験しているからこそ見抜く事が出来た。そして...
「私のディアは...そうね、デュアルリジェネとでも言えばいいかな?魔力を継続的に消費して、傷や消耗した体力を回復しつつ状態異常を消し去るディア。アナタのディアと違って自由に使える回復系ディア」
ひぃたろの様な複数の効果を持つ1つのディアは非常に珍しく、そして厄介。
ヒール、リカバリを同時に行えて、詠唱も不要、ディア発動中に剣術や魔術、エアリアルも使える。
シャインスピアを放つ前にこのディアを発動させていた為、ヴァルアのディア...状態異常の対象から逃れる事が出来た。ひぃたろはここで更に言葉の攻撃でヴァルアを揺らす。
「そんな壊れ性能ディア...連発出来たら凄いわね?」
ひぃたろは気付いていた。
連発出来るならば他にも使うタイミングがあった、しかしそこでは発動せず攻撃を自力でどうにかしていた事から連発は不可能だと。
ヴァルアの苦い表情が答えだと受け取り、ひぃたろは剣を構える。するとヴァルアはフォンを操作し短剣を盾へと変更した。
フォンを操作している隙に斬る事は充分可能だった。しかしひぃたろはそれを選ばず、装備を変更させる時間を与えた。嘘が入り込む隙を失ったヴァルア...本気の乙女座と戦いたいという気持ちがひぃたろを足止めさせた。
「私達星霊は戦闘訓練と言えばこの世界で言う殺し行為になる。失格にはなりたくないが手加減など出来ぬ。悪いが死なぬ様工夫してくれ」
本気で戦う。死にたくなければ死なない様に自分で判断して動け。ヴァルアの言葉は本来相手を怖じ気づかせ、降参させる言葉。
しかし今の相手にその言葉の刃は通用しない。
鋭ささえも感じる眼光がぶつかり合う。空気を切り裂く様に光の線は激しく衝突。
遅れをとった方が散る。ローズクォーツの髪とホワイトシルバーの髪が無風のデザリアで暴風に揺れる様に忙しく動く。
単発剣術をお互い撃ち合い、素早く次の剣術へ繋げる。
剣と剣が奏でる唄に観客達は耳を奪われ、魔術の光に眼を奪われ、2人の戦闘に心を奪われる。
剣術、体術、魔術がとまる事なく何度も何度も繰り返し放たれ、会場を魅了する。
まばたきも許されない戦闘、呼吸1つ1つが産み出す小さな隙を研ぎ澄まされた神経が噛み付く。
お互いがお互いの限界を越えた戦闘。集中力や体力、技術などの言葉はそこには存在しない。あるのは勝つか負けるか。ただそれだけ。
シールドバッシュをエアリアルで回避し回り込み剣撃、剣を剣で迎撃し、体術で弾き合う、生まれた一瞬の時間に魔術を衝突させ、素早く光纏う剣でお互いを削りに。
乙女座と妖精が踊る様に舞う闘技場。殺し合う様に冷たい剣を交え、優雅に踊る。
大小のダメージを受ける2人だがその動きは止まる事がない。
何がそんなに急がせた?妖精。
やっと出来た大切なモノを失いそうになった。
雷の娘の事か?
ひぃたろがヴァルアに負けたあの日、プンプンの心が揺れた。それをヴァルアも見ていた。2人の関係は簡単なモノではないとヴァルアは思っていた。
今ひぃたろへプンプンの事を話してみた時、ひぃたろは眼を一瞬鋭く輝かせた。
何があったのか乙女座は知らないし、聞きもしない。
守るモノがある者は恐ろしい速度で強くなる。
「...羨ましいな」
乙女座はポツリと呟き、盾を捨て剣を両手で握る。鋭く、重く、大きな無色光を纏う剣を半妖精へ振り降ろす。
ヴァルアが使える剣術の中で最も破壊力を持つ、単発重剣術 ベルサイス がひぃたろを近距離から襲う。
「星霊王を守ればいいじゃない。アナタが」
そう呟き、ひぃたろの持つ星霊の宝剣が無色光を纏う。二連重剣術 テュールクロス の一撃目でベルサイスを撃ち消し、二撃目がヴァルアへクリティカルヒットする。
滑る様にお互いが横切り、ヴァルアは崩れる様に倒れた。
「守りたいから強くなる...私達は少し違う。失いたくないなら、取り戻したいから強くなる」
プンちゃんだけじゃない。
全部を失いたくない。半妖精であると知ってなお、笑って接してくれる者達も。
奪われたモノを...プンちゃんの妹も、ワタポのフレンドも、魔結晶も全部取り戻す。
感情を...私を取り戻してくれたあの日の様に、今度は私が力になるよ。相手がどんなに危険でも。
遠くに消えていた音が半妖精の耳へ届く。観客達の歓声、仲間の声。
フェアリーパンプキン+ と コンステレーション。勝利したのはフェアリーパンプキン+。
人間のワタポ、魅狐のプンプン、半妖精のひぃたろ。
種族の違う3人は観戦者を魅了し、仲良く笑って闘技場を去った。
「強いニャ、あの3人」
「フル課金で2ヶ月毎日、長時間レベリングしたんじゃね?」
「なんじゃそれ?」
「さぁーね」
3人と再会出来た事が妙に嬉しくてエミリオは笑った。
◆
普段決して顔を出さない集団が人の影に隠れ蠢く。
「あれがお前達の言ってた魅狐と妖精か?」
インクをベタ塗りした様な濃い黒色の長髪を揺らし、男が問いかける。
「う、ん」
「痺れるだろ?俺は痺れたぜ?リーダーも痺れたろ?」
白い毛と青白い肌を持つ人形の様な可愛らしいドレスに身を包むオッドアイのツインテールと妙な形の長刀を背負う長身の男が答えた。
「魔女は?」
黒髪の男が再び問い掛ける。
「あの猫人族と情報屋の間にいる青髪」
黒髪に赤い瞳を持つ悪魔が、黒い爪を持つ指先で観客席を指す。
「セツカは?」
またしても黒髪長髪の男が質問する。
「セツカ様は...見当たりませんね」
「お前のその喋り方イライラする」
執事の様に左手を背に右手を前に構えスラリと立つ男へ、メガネを装備した元ユニオンリーダーが噛み付く。
「おい、メガネ返せよ!ボクのだろそれ!」
眠そうな瞳の強気な少年はメガネを奪い返し装備する。
鋭い瞳を持つ男がゆっくりクチを開き言う。
「私には表の立場がある。妖精と魅狐、魔女の確認を終えたので失礼させてもらう」
「大変、ね。頑、張って、騎士、団、長様」
「頑張ってねー!」
人形の様なドレスを着た白髪が独特な喋りで、同じく人形の様なドレスに身を包む桃色の髪を揺らすオッドアイがブイサインで見送る。
死体を人形の様に操り、死体を素材に人形を作るリリス。
プンプンの妹モモカの髪からデータをとり、量産された人形のモモカ。
元人間の悪魔、魔女を妙に気にするナナミ。
マスタースミスの称号を持ちながらも犯罪者へと堕ち、執事になりセツカへ近付いていたスウィル。
元ユニオンのリーダーで犯罪者のロキ。
痺れるじゃねぇか、と何かあれば言う長刀使いのベル。
元ペレイデスモルフォのメガネの少年リョウ。
ドメイライト騎士団長にしてS3の犯罪ギルド レッドキャップのメンバー。リョウを揺らし、少年に対人戦闘を教え込んだフィリグリー。
全員がS3ランクの強さを持ち、S3では計り知れない危険度を持つ犯罪ギルド レッドキャップを仕切るギルドマスター。ベタ塗りの黒長髪を揺らし青い眼で笑う過去に闘技大会決勝で殺戮を魅せた最強最悪の男 パドロック。
リリスとモモカはセットだとして、レッドキャップの主力メンバーは8名。
数が必要になればリリスが人形を作り、それでも足りない場合はレッドキャップに入りたいと願う犯罪者を片っ端から勧誘し、捨て駒にする。
「タマキン魔結晶をゲットしたのはいいけど、どう使うんだよリーダー。全然痺れねぇじゃねぇーか」
ベルが両手を広げ、やれやれ。と全身で気持ちを表現し言った。
レッドキャップは普段、超ハイド率ブースト効果を持ち、防御力も耐性も高いフードローブ、ブラッドローブを愛用しているが今日は各々自前の装備で闘技大会の地へ。
「アレだけじゃ壊れ性能武具を作るくらいしか役にたたない」
パドロックはそう言うとリリスを見る。
「モモカ、空、間魔、法、でどこ、か、遠く、へ」
「はーい」
何もない空間を掻きむしる様にし、空間魔法を無理矢理発動させる。その空間へ1人、また1人が入り込み入り口は消える。
ドメイライトの教会があった村、今は廃村になっている。そこへ空間を繋ぎ移動した。
「ここならまぁ...誰も来ないな。フィリグリーも拾ってきてくれ」
そう言われた瞬間、リョウはフィリグリーへメッセージを飛ばし場所を確認。モモカが空間魔法を繋ぐとフィリグリーが再合流。無駄話をせず話の続きを始める。
◆
「以上が必要なモノだ」
パドロックは集めた情報から、黄金の魔結晶を最大限に使う為に必要なモノ...魔結晶を使って世界を変える方法を話した。壊してしまってはその後が無くなる。人間以外を排除し、人間だけの世界を作り頂点に君臨する。その為に必要なモノは黄金の魔結晶を使った圧倒的な力。
「今回俺達が闘技大会へ紛れ込んだ理由はターゲットの確認だ」
パドロックはそう言い青い眼をギラつかせ、リーダーとして3人のメンバーへ命令する。
「ナナミ、スウィル、ベル。エミリオを殺して魔女の魂を持ってこい。やり方は任せる。他のメンバーは好きにしろ。魔女の瞳は武具素材にもなり宝石マニアに高く売れる、入手した者が自由に使え...ターゲットはエミリオ、目的は魔女の魂を入手する事だけだ。邪魔するヤツは消せ」
───動く。




