# 9
次の日。
午前10時から、班自由行動だった。
奈津稀・昴大・姫咲・聖仁の班は、海に入ることにした。
「昴大ー、早く行こうぜ」
「おー!聖仁、何気に楽しみだろ(笑)」
「まあ、自由行動だしなww」
男子2人は自分の部屋でさっさと着替え、海に行ってしまった。
ロビーには、姫咲と奈津稀が残されていた。
「や・・・山本さ「橋本さん、水着借りに行こぉ?」」
「あ。はい・・・・」
姫咲に着いて行き、水着が借りれるお店へとやってきた。
「うわぁ!これ、新作の水着だぁ。どれにしよっかなぁ」
「・・・・・・」
「ちょっと。無視しないでよ。あんたも早く決めれば?」
「は・・・はい・・・・!」
それから数分後。
2人とも水着を選び終わった。
「橋本さん、どれにしたのぉ?」
「あ・・・・。こ・・・これ・・・・」
見ると、奈津稀が持っていたのは、いかにも服という感じの、
生地がとにかく多い水着だった。
「これぇ?だっさー。昴大もガッカリするだろうねぇ」
「え・・・。で・・・でも、可愛いし・・・」
「はあー。まあ、あたしは引き立たせてくれるからありがたいけど、
流石にこれは見逃せないっての。ほら、かして!」
そう言うと姫咲は奈津稀から水着を奪い、自分で水着を選びに行った。
数分後。
「ほら!」と言って姫咲が渡した水着は、先ほどの水着より、
はるかに生地がすくなかった。
「む・・・無理です・・・・!」
「無理じゃないっての!ほら。さっさと行くよ」
姫咲はさっさと試着室に入って水着に着替えた。
仕方なく、奈津稀もその水着に着替えることにした。
先に着替え終わった姫咲は、試着室の前で奈津稀を待っていた。
そして、試着室から出てきた奈津稀の姿は、
水着の上にパーカーを羽織っていた。
「ちょっ・・・!なに着てんのよ!」
「だ・・・だって・・・・!スタイル良くないし・・・胸ないから・・・
恥ずかしくて・・・・・・」
「はあ・・・・・。あんた、ほんっとに馬鹿ね。もういい。行くよ」
姫咲は呆れて、さっさと海に行ってしまった。
奈津稀は行かないわけにもいかなく、トボトボと海に向かった。
その途中、聖仁に出会った。
「あ・・・。有岡くん・・・・」
「あれ。委員長、水着着てんの?」
「う・・・ん・・・・。でも、恥ずかしいから、パーカー着てるの(笑)」
「ふーん。勿体無ぇ。っつーか、昴大もガッカリするぜ?」
「さ・・・さっきも、山本さんに言われたの・・・・。
でも、なんで昴ちゃんがガッカリするのか・・・わかんなくて・・・」
「・・・・気づいてないの?」
「・・え?なにを・・・・・・・」
「委員長、鈍感なんだな(笑)
まあ、俺から言うよりは本人から聞いたほうがいいよな」
「え?・・・え?・・・・」
「(笑)ほら。早く行こうぜ」
そう言うと聖仁は奈津稀に笑顔を見せた。
「う・・・うん・・・!」
海に行くと、姫咲と昴大が海で泳いでいた。
昴大は砂浜にやってきた奈津稀に気づき、海からあがった。
「奈津、なんで水着になんねぇの?」
「え・・・っと・・・・私、泳がないからさ・・・!」
「え。委員長泳がないの?!」
「・・・泳げなくて(笑)」
「ふーん。んじゃあ、昴大に教えてもらえば?」
「え?!」
「昴大って何気に泳ぎ上手いじゃん」
「何気は余計だっつーの」
「(笑)ってことで、昴大、任せた!」
「へいへい」
「い・・・いいよ!私、見てるから・・・・」
「え~。一緒に泳ごうよぉ」
そう言ったのは、姫咲だった。
「山本・・・さん・・・・・」
「あたし、橋本さんと泳ぎたいなぁー^^」
「ほら。山本も言ってんだしさ」
「・・・・わかった・・・・・・・」
仕方なく、奈津稀は昴大に泳ぎを教えてもらうことにした。