絵本 はじまりの神竜戦争
エブリスタでは挿絵をつけて「絵本」として公開しています。
文章だけですがなろうにも掲載します。
月光竜様の未来視によるお告げを受け、
太陽竜様は決断され、最後の神竜を誕生させました。
「この星に生きることは苦しみである。
傀儡竜、私の神器を用いて神竜達を解放しなさい」
サーラ様は影と仲が良く、一緒に楽しく暮らしていました。
そこへノアが現れ、影を殺めました。
影はサーラ様に、自らの神器を託します。
「これで切れば心の最も痛いところを傷つけます。
きっとマリアの心にも届くでしょう」
サーラ様は影の仇を討つため、ノアの旅についていくことにしました。
次に、ノアは母神竜様のところへ行きました。
「マリアの命令なら私は構いません。
その前にその剣で私の手の羽を落とし、神器とし、それで私を切りなさい。
それは魂と肉体を分かつためのもの。
私は次の輪廻では、母神竜ではなくひとりの女として生きたいのです」
次に、断罪竜様の元へ行きました。
「マリアの命令ならば私は構わない。
その前に、母神竜の神器で私を切りなさい。
断罪竜として常に公正な裁きを下すためには、
肉体に宿る感情など私には不要なのだ」
源泉竜様はすでに亡くなっています。
巨神竜様はあんまりにも大きくお強いので、戦って勝つのはとても大変でした。
天空竜様は人間の科学者達の度重なる研究によって、すでに体が崩れていました。
ノアは神器によって彼を楽にしてさしあげました。
「生が苦しみであると思うなら、わざわざ死刑の旅などさせずとも私を使えばいいのでは?」
風神竜様? は首を傾げますが、
「マリアの命令ならば私は構わない」とのお答えでした。
全てを終えて、ノアは太陽竜様のところへ戻りました。
サーラ様はついに自らも羽を落とされ、神器を作ります。
「この星の主はマリアでなく私よ!
もう好きにはさせないわ!」
太陽竜様とサーラ様の戦いの中で、
サーラ様を庇ってノアは命を落としました。
「正々堂々戦って討ちたかった……でも、もう、いい。
マリア、死になさい」
この星にいる以上、太陽竜様といえど、サーラ様の命令には背けないのです。
太陽竜様は、自らの神器で命を断たれました。
神竜達を失い、大地には雪が降り積もりはじめました。
ひとりぼっちで佇むサーラ様は長い時間を経て、一本の木に姿を変えました。
【この絵本からわかること】
※ノアが殺していないのは「源泉竜」「白銀竜」「太陽竜」「自分自身(傀儡竜)」
なので、傀儡竜が償わなければならない(神罰を受ける)回数は7回。
※夢幻竜の神器は「太陽竜に自決させるために作った(白銀竜が自分の手で太陽竜を殺めてしまうと、神罰を受けるため)」。だが、結果的にそれを使わずにはじまりの神竜戦争は決着した。