表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

〜✿エピローグ✿〜

「ねえ、ちょっと相談があるんだけれど…」


「新婚旅行の行き先のこと?」


「それはセイ君がいつか行ってみたいと言っていたオーストラリアで良いよ。私もコアラ抱っこしてみたいし…世界の中心で愛を叫んでくれるんでしょ?」


 高校時代から付き合い始めた幼馴染の二人は、昨年クリスマスにセイがプロポーズしてそれにマナがOKし、今は近所のファミレスで結婚について具体的に話を決めている最中だった。

 ここは学生時代からよく通っている店なので、何やかんやで一番落ち着く。


 結婚式はマナの神前式が良いとの希望で、馴染み深い近所の碧天(へきてん)神社で行うことに決め、紅葉の美しい季節の挙式を先日予約をしたところだ。 


 碧天様の愛称で知られるこの神社は、二人にとってはお宮参りに始まり、初詣、七五三、受験とずっとお世話になって来た神社で、マナが入院してしばらく学校を休んだ時にも、セイがバスケの試合で決勝戦に向かう時にも、必ずお参りに行った。 

 困った時の『碧天様』頼みというのは、この地域に住む人達にとって、息を吸うように当たり前のことだった。



「式場は先日二人で神社にお願いに行ったところだし…じゃあ、新しく借りるマンションのこと…?」

「違う違う。結婚式のことじゃなくて…職場のことなの…。

 最近、凄くイケメンのお客様がうちの銀行に融資の相談でやって来たんだけれど…

 何だかやけにその人に、出掛けた先で遭遇するのよね…」

「え〜ッ!!結婚を間近に控えて浮気〜!?」

 そんなことあり得ないと分かっているのに、大袈裟に非難するセイに恨みがましい目を向けながら、マナはその不審なイケメンの話を続けた。



「ふ〜ん。確かにそれは妖しいね。一度目は偶然、二度目は奇跡、三度目は…」

「三度目は?」

 セイの答えに、マナが聞き返すと… 


「それは運命でも何でもなく、仕組まれたものだね。

 その男は何か目的が合って近づいている。マナの銀行の融資は既に断られているんだっけ?」

「うん、あまりにも具体性に欠ける計画だったから課長が融資は難しいと断ったの。自己資金もゼロで、保証人も実在する人物かあやしかったらしいわ…」

「そして…マナが好きなアイドルのハルマのようなイケメン…」

「そこは要らない情報だし…」

「いいや、そこ大切だろ?だって…たぶんマナ…ターゲットにされてるよ」

「えっ…何の…?」

「結婚詐欺」



 大切な(未来の)嫁が狙われていると知って、それからのセイの行動は早かった。

 最近の詐欺の手口や被害、犯人の特徴を徹底的に調べ、マナのストーカー犯を割り出し、犯罪に巻き込まれる前に捕まえた。

 やはり、思った通り前科のある男で、その美しい顔は整形手術で手に入れたものだった。


「ありがとう。セイという素敵な婚約者がいるのに、私が結婚詐欺に引っ掛かるなんてことはなかっただろうけれど…他の同僚が狙われたかもしれないし、セイのおかげで犯罪が未然に防げたわ」

「え〜っ、本当に一瞬でもクラッと行きそうにならなかった?」

 冗談でそうからかうセイに、マナはあり得ないと思いながらも、確かにちょっと横顔は格好良かったかも?と思い返した…。


 でも外見より中身重視の自分には関係ないな…とそんな事件のことは忘れ、11月22日(いい夫婦の日)に澄み渡る秋空の中、二人は碧天神社の神々の前で夫婦として一生添いとげる契りを交わした。


 〜・〜・〜・〜・〜


『やっと結ばれたわね〜、あの二人』

『何もゾンビの世界に転生させなくても良かったんじゃないか?』

『あら、私は彼らの()()を叶えてあげただけよ。あの子達は生まれた時からずっと見守ってきた愛しい子達だからね』

『まあ…ちょっと強烈だったけれど…無事既定路線に戻ったから…いいか』

『そのくらいの()()があってもいいでしょ?

 来年にはまた新しい愛し子が生まれるから…退屈しなくていいわ〜』


お読みいただきありがとうございます。


誤字脱字報告ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ