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命ないからね?
突然だった。魔神が縦に二つに引き裂かれたのだ。驚いたのは燈馬たちのほう。だが、引き裂かれた魔神はリクとリコの姿に戻っただけだった。
「魔神招来の技が強制終了させられるなんて、ありえないっす!」
「インポッシボー!」
逆に目の前の4人衆は嬉々として喜んでいる。何か向こうにとって好都合な事が起こったらしい。
それは突然現れた。建物の影から一人の人影が現れたのだ。
「なるほど、お前が今回の魔力無効化事件の黒幕ってことか。」
燈馬が呟く。自然と全員が武器を構え始めた。燈馬とカルバとリーナは魔力弾の銃を、ミリィは魔宝石を、リクとリコはいつでも魔神招来を行えるように手を繋ぐ。カーラも薙刀を構え、眼前にマス目を表示させる。ナナリーに至っては、いつもの狙撃用の銃ではなく、グリップから長剣の形に魔力を練っていた。
しかし、それらの武器は一瞬にして消え去ってしまう。
「私と燈馬の久しぶりの再開を邪魔するなら、命ないからね?」