62/106
トーマは凄いんだよ
「あれ、君はこの前あの武器を使ってた人じゃないか?」
拳の痛みを、手を振ってとろうとしていた燈馬。後ろから誰かに話しかけられた。
「誰です?」
「これは失礼。俺はジャール。ジャール・ワイズマン。魔術戦闘部の部長なんかやってる。」
「俺はトーマ・ミヤシロ。」
「何だか面白そうな事してるね。見た所、魔力開放の訓練らしいね。バリアかな?」
「あぁ、なんて言うか…」
言葉に詰まる燈馬。あまりうまく説明ができない。
「彼は体に直接魔力を纏えるんですよ。防御と言うよりは、攻撃特化型の魔力開放ですね。」
燈馬の代わりにカルバが答えた。
「トーマは凄いんだよ。」
燈馬の腕にぶら下がっているミリィも答えた。
「なかなかの実力の持ち主みたいだね。ちょっとお手合わせ願えるかな?あの武器を使う人物と是非、と思っていたんだ。」
「いいですよ。」
「ちょっと待ちなさい。」