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った!
「とりあえず、魔力を拳に纏う。それがしてみたい。」
「それじゃぁ、頑張ってやってみなよ。」
カルバの応援の元、燈馬は魔力をイメージする。拳に纏わせたい。そのイメージがグローブとなってきた。それを手に嵌めるイメージをする。
「あ、これはしっくり来るな。」
「トーマ君、ちょっと試してみる?」
カルバが左手でバリアを張っている。どうやら、効果を試せと言っているらしい。
「んじゃ、お言葉に甘えて。はぁっ!」
拳を構えて腕を引く。それをカルバのバリアめがけて突き出した。
「った!」
しかし、カルバのバリアはミリィのレベルに匹敵する為、そう簡単にいかないのが現状。
「トーマ、大丈夫?」
「どうって事ないさ、ミリィ。こんなの奈々のに比べれば…」
少々ネガティブになってきた燈馬だが、特に怪我は無いらしい。