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ずっと抱き枕でいてくれる?
燈馬の忠告もあったが、ミリィは直ぐにマジック・ジュエルを展開し、魔力弾の攻撃を防いだ。燈馬もリーナにたどり着き、いつもの如く鉄拳制裁で何とかなったのであった。
「むぅ!」
頭に瘤を抱えながら、半ば睨み付ける様な顔のリーナ。
「リーナ、いい加減にしろ。飯がまずくなる。」
「ふぅんだ。私のこと、昨日勝手に置いて行って!しかもあの女の子と一緒に帰ったんでしょ?」
「るせぇなぁ。なんとなくナナリーには逆らえない気がしたんだよ。」
「ほら!もう名前で呼ぶような中になってるぅ!ミリィ、私たち捨てられちゃったよぉ。」
ナナリーが、名前だけでなく、雰囲気も奈々に似ているなど、言えない燈馬。まぁ、雰囲気が似てると言っても、数年前の話であるのだが…。
「トーマ、ずっと私の抱き枕になっててくれる?」
少しあせった様な、ウルウルとした瞳で見るミリィだった。
「とりあえず、俺が帰るまではな。」