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ありがとう
燈亜が去って行った後、燈馬もミリィを抱き上げて街のほうへと戻っていった。燈亜の事はまだ伏せて置くべきだろうとも思うのであった。
「ん…、トーマ?さっきのサリニャの兵士は?」
「見逃してくれた。」
「そっか、良かった…。ありがとう、燈馬。」
「礼はその兵士に言え。」
しかし、ミリィは既に寝ていた。適当なベンチに腰掛け、ミリィを寝かせる。傍から見れば完全にカップル状態なのだが、燈馬は特に何も思わないらしい。だが、一つだけ懸案事項があるとすれば、こんな状況を幼馴染の奈々に見られれば、怒られて殺されるだけでは済まされないだろうと言うこと。
「はぁ…」
一つだけため息を付いた燈馬。ミリィの顔を覗き込むが、やはり寝ているのだった。
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