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これって…
「こっちこっち~!」
いつものネムネム感はどこへやら。ミリィが走りながら森の中を進んでいく。燈馬も、果たして帰れるのだろうか?と言う疑問を頭に浮かべながらミリィを追っていた。
「やっと着いた~。」
小一時間も歩き続けてたどり着いたのは、綺麗な泉のほとりだった。どうやら湧き水による物らしい。淡い桃色の柳のような植物が数本立っていた。手近な岩に腰掛ける燈馬。
「そろそろ何しに着たか教えてくれないか?」
うん、と頷くミリィ。し切りに手招きをしている。燈馬がミリィのいる泉のほとりまで行くと、下を見るように促される。燈馬が見ると、水面下で何かがキラキラと光っていた。
「何だあれ?」
「とってごらんよ。」
燈馬が手を伸ばして水底からキラキラした物体を取り上げる。ミリィはあれ?と言う顔をしていた。燈馬が手に持つそれは、太陽光を反射して輝く。ちょうどビー玉のような感じで…
「これって、ミリィの魔宝石じゃないか?」
「そうだよ。」