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少しは自重しろよ
ミリィが私服に着替えて戻ってきた。ソファに座る燈馬の隣に座ると、そのままポスンと寝転がった。所謂膝枕状態である。
「それがご褒美か、ミリィ?」
「違うよ。」
膝枕とは通常、女子が男子にやる物だ。と勝手ながらの夢想論を話そうとするが、面倒そうなのでやめた燈馬であった。
「で、どうするんだ?」
「う~ん、…チューする?」
珍しくもちょっと顔を赤く染めるミリィ。だが、燈馬は一度ため息をついた。
「もしそれが奈々にばれた場合、俺が半殺し、いや、生殺しにされる可能性が高い。それにな、ミリィ、キスって物はちゃんと好きな奴とやれ。あ~、だからって女はやめとけよ。」
「む~。分かってるもん。」
頬を膨らませるミリィ。燈馬はそんなミリィの頭を撫でた。髪をすくように優しくだ。なんだかいい雰囲気ではあるのだが…
「トーマ!私にもご褒美ぃ~!」
ソファの後ろから燈馬の頭を掴んでユサユサとするリーナであった。