あっさり
「さて、ミリィの攻撃方法が分かった所で、俺も反撃するか。」
手首をスナップさせ、ナイフを構えなおす燈馬。
「勝ったらごほーびくれる?」
ミリィは眠たげに言った。一瞬何を言っているのか理解できなかった燈馬だが、ごほーびが“ご褒美”だと理解した。
「俺にできる範囲ならな。」
「うん。じゃぁ頑張る。」
再びポケットに手を突っ込むミリィ。取り出したのは更なる魔宝石だった。顔を引きつらせる燈馬、ほかのクラスメートもこの隠し玉は知らなかった為か、驚いている。
「f3o3n3g7e3u0n5b4b2n5h6…」
なにやら大量の数字とアルファベットの羅列を唱えているミリィ。それに併せて魔宝石の配置が変わっていく。かなり本気らしい。
「俺にも策が無いってわけじゃないだよな…」
カバーを開き、ボタンを押す。銃が更に展開され、平べったくなった。4枚の羽根を持つその武器は、まるでブーメランのよう。
「そらよっと。」
掛け声とともに燈馬はそれを投げた。クルクルと綺麗に円を描くそれは、並んだ魔宝石を壊していくのだった。
「あぁ~」
「悪いな。俺も負けたくない。それに、これがお前の弱点だろ?魔宝石自体を壊されれば攻撃も防御もできないって。」
「うん。そうだよ。」
あっさりと自分の弱点を暴露してしまったミリィだった。