うそぉ!
いきなり二話目かよ!
「…ここ。どこだ?」
黒い空間を抜け出したと思ったら、見知らぬ土地に行き着いていた青年。森が広がってる。
「誰かいないかぁ~?」
その時だった。草むらからいきなり光る弾が飛び出てきた。あわてて避ける青年。
「外したようね。次は当てるから。」
草むらから出てきたのは、銃を構える女子だった。ミニスカートをはいて、太ももの辺りにホルスターを取り付けている。しっかりと狙いを定めている。
「待った!俺が何か悪い事したか?」
「悪いも何も、あなたサリニャの手先よね?なら倒すだけよ。」
「サリニャって何だよ!落ち着けって。」
しかし、目の前の少女は躊躇いも無く引き金を引いた。思わず目を閉じて腕でガードしてしまう。
「え、どうして!?」
驚く少女の声。男子の体に傷は無かった。まるで銃から放たれた光弾が跳ね返されたかのように。しかし、気を取り直して三度撃とうと試みる。
「銃をおろしてくれ。ほら、プリン一つやるから!」
なだめる様に言う男子は、レジ袋からプリンを一つ取り出した。
「手榴弾?それなら腕ごと打ち落とせば。」
あからさまに危ない事が聞こえたので、青年はプリンを投げつけた。女子はそれに光の弾を見事命中させる。カップが弾けて中身が飛び散る。女子の口にも入ったようだ。
「んぐ!?こ、これはサリニャの新しい毒薬!?罠に掛かった?」
なにやら騒いでいるが、その隙を突いて青年は女子の銃を叩き落す。
「しまった!」
「いいから、俺の話を聞いてくれ。ここの住所を教えてほしい。」
あっけらかんとする女子。やがて、口の中の異物が毒でないと悟ったらしく、口を開いた。
「住所って言われても…。森の中としか言いようが無いし。変な人ね。」
「俺はただ奈々の奴にプリンを届けなくちゃいけないんだ。」
「プリン?」
「お前のさっき食った黄色い物。」
「ふぅん…」
ペロッと、さっきまで口に入っていた物の味を確かめるようにする女子。
「ここは危ない。サリニャの手先じゃないみたいだし、一旦来て。あ、まだあったらくれる?その…プリンって言う甘いやつ。」
また明日~