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頑張れよ
「次。誰かやりたいものは?」
「はい。私がやります。」
手を上げたのはカーラだった。
「おぉ、委員長。頑張れよ。」
「べ、別にあなたに褒めてほしくてやってるわけじゃないんだから。自分の成績のためよ。フンッ!」
ツカツカとフィールドへ向かっていく。カルバはヤレヤレと苦笑い気味だった。
「戦闘開始。」
カーラは槍を、相手は杖を取り出した。接近するカーラに対して、何やら呪文を唱える相手。
「そういえばさ、俺って魔法って言えば、呪文を唱える感じだと思ってたんだが、カルバとか唱えてないよな?」
因みに、燈馬が異世界から来ている事はミリィには伝えてある。しかし、他言は無用なので、知っているのは学園長、リーナ、ミリィだけである。
「うん。基本的に呪文は要らないよ。だけど、広範囲とか凄く強い攻撃には必要なんだ。特にカーラと戦ってるあの子は、武器の攻撃を捨てて魔法のみで戦うから、呪文は必須なんだ。」
色々と自分の常識とは違うのだと感じる燈馬だった。