波乱の高校生活の予感
何故か執筆中作品に入っていたものです。
もしかしたら不定期的に更新するかもです。
僕には同じ高校に通うことになった幼馴染がいる。
彼女は顔立ちがよく面倒見がいいと中学でも人気であったが、幼馴染の僕視点から言わせてもらうとそんなことは全くない。
顔立ちがよく可愛らしいことで人気があるのは正直本当だから理解できる。
だが問題は後者である。
いっつも何かあれば要求を押し付けてきて理不尽にキレる、優しさの欠片すら感じられない彼女がなんで面倒見がいいのだろうか。
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4月7日、入学式の日。
着慣れない真新しい制服を着た千田凪はバスに乗って学校に向かっていた。
「あれ?凪君じゃん!制服を見るにもしかして…同じ高校!?
だったらこの前の活動の時に言ってくれても良かったのに!」
少し茶色がかったロングヘアを靡かせて地域ボランティア仲間の大沢楓は凪の隣に座ると少し不満そうに言った。
「そう言われてもねえ、楓も言ってくれなかったじゃん。今日初めて制服姿見たし。」
「それはそうだけど…聞いてくれてたっていいじゃん。というか(田原)唯に聞いたら教えてくれてくれたでしょ」
「そういえばその手があったか。」
凪は楓の返答で楓と唯が付き合っていることと、唯も同じ高校だったことを思い出した。
楓と唯が付き合い始めたのは去年で、楓が凪にプレゼントやデートコースなどをどうすればいいのかアドバイスを求めていたのだ。
一方の唯からも相談をされることも多くいつしか男友達として仲良くなっていたのだ。
「凪君、今更だけどあの子って凪君の幼馴染で有名だって噂の相川星那ちゃんじゃない?制服見た感じ星那ちゃんも同じ高校っぽくない?」
「本当だ。でもうちらの学校って中堅上位だからてっきり星那はもっと上位の学校行くと思ってたけど…」
2人が星那の方を見ると星那も何かを感じ取ったのかこちらの方に振り向いてきたのだがすぐにまた前に向き直ってしまった。
「あいつ、人前ではいい人ぶってるけど本当はこんな感じで無愛想なんだよな。」
「凪君は人の事言えないよ?凪君はもっと同学年との関わりもしてください!この前のボランティア活動の時に新しく来た子と意思疎通が取れなかった時には流石に驚いたよ?」
凪は大人や年下相手ならしっかりと話すことができるのだが、何故か同学年やその近辺の年齢の人とは上手く話せないのだ。
「あれは…気にしないで?偶然だから。」
偶然と言うことにしておけばさすがに納得してくれるだろう。もしも次があったら、その時はその時の自分に任せよう。
と言ってもここ3年間活動してこの前の1回しか新しく来ていないので大丈夫だとは思うが。
しかし凪は肝心なことを忘れていたのだ。
これからは同じ高校だということを。
「へぇ〜あれが偶然ねぇ。まあいいわ、だったら入学式終わった後に誰か連れてくるから今度はしっかりと話してね?」
あっ…終わりました。
でもまだ違うクラスだったらその間に逃げられるかもしれないから希望はまだあるかもしれない。
そんな微かな希望も数十分後には打ち砕かれることになった。
「えーっと、あれ?私と唯君と凪君、それに星那ちゃんまで同じクラスじゃん!今年は楽しそうだね!」
話せる人が居てよかったと思う一方で、何かと色んなことが起こりそうで怖いと思った凪であった。
状況次第ではもう1つの小説の方と交互に出すかもしれないです。
現段階ではなんにも決まっておりません(>ω<;)