難関ダンジョンへ
第9話 難関ダンジョンへ
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レクサムの口から…その名前を聞いた瞬間…
周りの空気が、変わったのを覚えている…
ギルドの1人がこう呟く…
「三ツ眼の蛇…ああ…知っている…知らない奴なんて…素人ぐらいだろう…」
「あのパーティーは残虐だ…あまりの強さ所以なのか…知らないが…」
「三ツ眼の蛇に遭遇した連中は、全員死亡している…例え…仲間であっても…平気で見捨てる程の残虐性がある…」
「だから最強なのだと…」
レクサム『俺は「三ツ眼の蛇」に用があるんだ…居ないなら…ここをさっさと潰して終いだ。』
「ま!待ってくれ!」
「あんたの…ギルドに対する執念が、何処から来ているのか知らないが…あのギルド名を聞いた時ピンと来た。」
「あのパーティーは別格の強さを持つ…国なんて滅ぼせる強さを…」
レクサム『そうか…お前の話は済んだか?じゃあ潰すぜ…』
「ま!待ってくれ!」
「お前…可笑しいよ…」
「俺達が何をしたって言うんだ!」
急に冷たい空気が包み込む…空気が凍りつく程に…
何処か暗く…怒りの表情を浮かべながら…
青年の頭を鷲掴みにして…
レクサムがこう呟いた。
「いいか?」
「お前らの夢なんて微塵も興味ない…お前らに家族が居ようが…」
「俺は纏めて潰してやる…」
「奴らの名を出したのも…お前ら…三流以下の雑魚共をビビらす為でも無い…」
「お前らから…必要な情報を抜き出して…それから…報復を受けさせる…」
「ギルドに入った時点で…奴らとなんら変わり無い…」
「俺だって!優しさはある…生かしておいてやってるからな…」
「本当なら…八つ裂きにしてやりたい…」
私は彼の言葉を止める為に口を開く…
「もうやめて…」
「ああ?」
短い付き合いだが…
彼の表情は、何処までも暗く…眼には光が宿っていなかった。
私の他に…彼と対等に向き合い…あの場で止められる人は居なかっただろう…
あの時の彼の眼には、憎悪と執念が確かに宿っていた。
今の私だから分かる…
彼には…
他にも大切な人が居たんだと…
彼は、私の発言を聞いた時…怒りを露わにしたが…
直ぐに…私の恐怖による震えに気が付き…
ふと…我に帰った。
「済まねぇ…取り乱した。」
「だが…このギルドは潰す…これは…いくらお前であっても譲れねぇ…」
「パメラ…姉貴…悪いな…」
人々から夢を奪う…その行動に…
目をキラキラさせながら…彼はギルドの人達の居場所を壊してゆく…
今の私に…彼を説得し止められる力など無い…
あの頃の私は、どんなに小さかっただろう…
騒動を聞き…魔導兵団が駆けつけて来る…
だが…彼を見ると…
魔導兵団は、取り囲むことをしようとはせず…後始末に取り掛かった。
レクサム『こんなものだろう…』
彼はそう言い…王都を、出立することを伝える…
ふと…私は、魔導兵団の人達との間に、ラグスさんの姿を見た。
彼は、私の顔を見ていた…
なんとも複雑な表情を浮かべながら…
直ぐ…ラグスさんは私が見ていることに気付くと…そっと下を向いた。
ごめんなさい…
そんな感情を抱きつつも…その場所を後にした。
王都の外には、「閲覧板」と呼ばれる。
賞金が掛けられている様々な、依頼が確認出来る…
その内の1つに…「難関ダンジョン」と呼び名があった。
閲覧板の中で…最も賞金が高く設定されており…
ダンジョンの最奥には…ウルンズガードンと呼ばれる…
化け物が住み着いているそうだ。
怪物の討伐依頼らしい…
「ウルンズガードン?ああ…あのワイバーンの生き残りか…」
「ワイバーンは…ドラゴンの最も下位に位置する魔竜だ。」
「大昔では…ドラゴンになり損ねた存在として言い伝えられたらしい…」
ニイ『ドラゴンは大変…神聖な存在なので魔竜とは聞きません…』
シェルピー『それ!本で見たことがあります!』
私達は、早速…初のダンジョン攻略に向かうのだった…




