難関ダンジョンへ
第9話 難関ダンジョンへ
レクサムの口から…その名前を、聞いた瞬間…
空気が、変わったのを覚えている…
その内の1人がこう呟く…
ギルド『「三ツ眼の蛇」…ああ…知っているとも…知らない奴なんて…素人ぐらいだろうに…』
ギルド『あのパーティーは残虐だ…あまりの強さ所以なのか…知らないが…例え…パーティーの誰かが、危機に陥っても平気で見捨てる程の残虐性がある…』
ギルド『だから最強なのだとも…』
レクサムが、話に割り込む…
レクサム『そいつに用があんだ…居ないなら…ここをさっさと潰して終いだ。』
ギルド『待ってくれ!あんたのギルドに対する執念が、何処から来てるのか知らないが…あのパーティー名の名前を聞いた時ピンと来た。』
ギルド『あのパーティーは、別格の強さを持つ…国なんて滅ぼせる強さを持つ…』
レクサム『イスタルディアもか?』
ギルド『あそこは別次元だ。奴らもそこまで馬鹿では無い…』
レクサム『なぁんだ…話は済んだか?じゃあ潰すぜ…』
ギルド『まっ待ってくれ…』
急に冷たい空気が、包む空気が凍りついているのだ。
レクサム『いいか?お前らの事情なんて微塵も興味無い…お前に家族が居ようが…恋人が居ようが…』
レクサム『俺は、お前らギルドの連中を潰す…あいつの名前を出したのも…お前ら三流以下の雑魚共を、ビビらす為でもなんでも無い…』
レクサム『お前らから必要な情報を聞けるだけ聞き出し…それから…報復を受けさせる…』
レクサム『ギルドに入って居る時点で、既に、奴らとなんら変わりは無い…』
レクサム『俺だって!優しさは、ある…生かしておいてやってるからな…』
レクサム『本当なら、八つ裂きにしてやりたいのに…』
私は途端に口を開く…
パメラ『もうやめて…』
レクサム『ああ?』
短い付き合いだが、確かにその時のレクサムの表情は、見たことも無い顔をしていた。
その目には、憎悪と執念が確かに宿っていたのだ…
今の私だから分かる。
彼には…
他にも大切な人が居たんだと…
レクサムは、私の声を聞いた時一瞬怒りを露わにしたが…
直ぐに私の恐怖による震えに気付き…
ふと…我に帰った。
レクサム『取り乱した…だが…このギルドは潰す。これは…いくらお前であっても譲れねぇ…』
人の夢を奪う…その行動に…
目をキラキラさせながら…彼はギルドの人達を次々と倒していく…
今の私には、彼を説得し止められる力など無い…
あの頃の私は、どんなに小さかっただろう…
建物を壊して、兵士の皆さんが駆けつけて来る…
だが…彼を見ると兵団の皆さんは、取り囲むことをしようとはせず…片付けに取り掛かった。
レクサム『こんなものだろう…』
彼はそう言いこの町を、出ることを伝える。
ふと…私は、多くの魔導兵団の人達との間に、ラグスさんの姿を見た。
彼は、私の顔を見ていた…
なんとも複雑な表情を浮かべながら…
そのすぐ後に…ラグスさんは私が見ていることに気付くと…そっと下を向いた。
ごめんなさい…
そんな感情を抱きその場所を後にする。
国の外には、「閲覧板」と呼ばれる。
賞金が掛けられている様々な、任務が確認出来る。
その地域にしか無い…任務もある…
そこに、沢山のダンジョンの名前があった。
その1つに、「難関ダンジョン」の呼び名がある…何でも、閲覧板の中で一番賞金が高く設定されており…
その最奥に、ウルンズガードンと言われる…
化け物が住み着いているそうだ。
それの討伐任務らしい…
レクサム『ウルンズガードン?ああ…あのワイバーンの生き残りか…』
レクサム『ワイバーンは、ドラゴンの下位に位置する魔竜だ。』
ニイ『ドラゴンは、大変神聖な存在なので魔竜とは聞きません…』
シェルピー『本で見たことがあります!』
私は、早速初のダンジョン攻略に向かうのだった…