英雄軍の一人
第5話 英雄軍の一人
しばらくして彼は、持って来てしまった杖を返して戻って来た。
すると…ヴァラメンス城の方から沢山の人の歓声が聞こえて来る…
王がお越しだと…
ヴァラメンス共同国
国王「セザール・ペンタゴン・ロレアス」
人々の噂では、元英雄軍の一人であり…多種族間との争いを終結させた後に、この国を開いたそうだ。
王は、かなりのお歳をお取りであり…
その噂が、本当ならかなりの時が経っていることだろう…
しばらく続いた人々からの歓声の後…
国王が口を開こうとすると…その声が一斉に止んだ。
セザール『愛する民を…今再びこの時を、生きることに喜びを伝える。皆の働きがありこの国は生きる…』
セザール『この平和が続く限り…我々は前に進み続けることができる。』
セザール『先程…この国で人々を攫う不届き者を、捉えてくれた若者の話を聞いた。』
レクサム『あっ!俺のことだ。』
セザール『その若者の勇気ある活躍により…さらにこの国は、前に進むことができた。今ここに感謝を伝えよう…』
セザール『ここからは、我が永遠の友であり戦友であった。』
セザール『「イグニアブル国王」が、治める龍の国家「推進国イスタルディア」が戦争に勝利したと、聞いた。』
セザール『この栄誉を、讃えると共に友からこの国を、正式な保護化に置くと承った。』
セザール『そこで私は、愛する民の皆に長いこと隠し通していた。秘密を話さなければならない…』
セザール『その話とは、噂となり国中に広がってしまっている…私のかつての活躍であり…人々より、偉大と謳われた勇気ある功績…』
セザール『そう…私が、かつての英雄軍の一人だ。今ここに公表する。』
その言葉と同時に、人々は真っ直ぐに王の話を聞き続ける。
セザール『だが…いくら英雄軍の一人であろうとも…歳には敵わない。それを認め…そこでこの話を呑んだ。』
セザール『友は歳を取らない…それは力が衰えない証拠だ。私はそう…長くはないだろう…』
セザール『近頃に…後継となる我が娘…』
セザール『「シェルピー・ペンタゴン・ロレアス」を、この国の次期王として迎え入れる。どうか…経験の少ない彼女を、受け入れてほしい…』
そのお言葉の瞬間人々は、再び大きな歓声の声を上げる。
ついさっき…話にあった。
「推進国」とは…戦争や他の国の争いに、積極的に参加しその対価として…
その国らを配下として迎え入れ進展させる国のことであり…
イスタルディア自体は、戦争と言っても「不殺」を貫き…
あくまで、支配による恐怖では無く他の国を、助ける道を目指す国のことを指す
戦争では、「最強」を誇るとの呼び名も聞こえる大国である。
その後…ヴァラメンスの建国祝いが始まった…
レクサムが口を開く…
レクサム『行くぞ!』
そう言うと、私の手を引き連れられる。
手を離してもらうと目の前に、一人の女性が立って居た。
とても綺麗な人だ。
すると…レクサムがこう呟く…
レクサム『俺の姉だ。さっきの話の時に少し見えた。』
そして女性は名前を名乗る…
ニイ『初めましてですね…私は「ニイ」といいます。10年だったかしら…レクサムにもお友達が、出来るなんて…』
レクサム『姉貴にも会えるなんてな…』
レクサム『とりあえずパーティーは、揃ったわけだしそろそろ出発と行こう…』
その瞬間…レクサムの肩に少女がぶつかって来た。
驚いた様子は無く…さぞ起こることを分かって居たかのように、レクサムは続ける。
レクサム『こいつ…シェルピーも連れてな…』
シェルピー…そう…この国の王である。セザール陛下の娘だったのだ。
彼は、そのまま続けた…
レクサム『今のメンバーだと…他2人が足手纏いだ。これから2人の剣に対する才を、見定める…』
と言い…彼は、賞金を手に近くの武器屋に向かうと…ボロボロの剣を、2つ購入して戻って来た。
森の中に向かうと、早速レクサムが呟く…
レクサム『お前ら2人共…一斉にかかって来い!』
彼はそう言うと…剣を地面に置く…
彼は腰に下げている剣を、構えず素手で受ける様だ。