界門それはそこに立つ資格
第4話 界門それはそこに立つ資格
パメラ『あの…剣士さん…私の背中に印があるのですが...』
そう言って私はどう言うわけか…
裸のままで青年の前に立っていた。
レクサム『おいっ!バカ!入る場所分けた意味ねぇだろが!』
パメラ『あっ!そうでした!』
レクサム『服を着ろ…話してやる…』
レクサム『ああ…間違いなく界門だな』
パメラ『界門…お父さんからそう聞きました。』
レクサム『それを持つ者は、必ず決められた人数しか…ひとつの時代に存在しない…』
レクサム『それを持つ者は、記された門の前に立つことを許され…それを必ず実現できる力を持つ…』
レクサム『お前のその界門…それは探求だな...』
レクサム『探求…それは「探し求める力」だ。』
パメラ『冒険家であられた。曾お祖父様でも…その言葉と意味に、ありつけられないでおられました。』
レクサム『お前の曾爺さんが、「界門」と言う名にありつけるまで…一生掛かっていただろ?』
パメラ『はい』
レクサム『だろうな…本来…界門は、古の時代に伝えられた。言い伝えに過ぎない…』
レクサム『それも…現代ではとうに忘れ去られた。言い伝えになる…』
レクサム『持つ者は、指で数えるぐらいしか存在しないし…そのことについて記された。書物も発見されていない…謎に包まれた力となっている…』
レクサム『そうだな…あとこの力について他言はやめておけ...』
パメラ『どうしてでしょうか?もっとより多くの人に、伝えて広めていけば…同じ力を持つ方達にも会えるかもしれませんよ?』
レクサム『単純に理解出来ないからだ…』
パメラ『...』
レクサム『そんな深く考えなくても良いと思うぞ…』
レクサム『俺には、姉貴がいる…』
パメラ『お姉様がいらっしゃるのですか?』
レクサム『ああ…いるぜ…近くのクソギルドの連中が目撃してたらしい…』
レクサム『ギルド潰しに行くついでに、再会出来そうだ。』
パメラ『どのぐらい…会っていないのでしょうか?』
レクサム『かれこれ10年くらい?』
レクサム『親は俺を捨て…姉貴を奴隷に売る気だった。』
パメラ『どれい?』
レクサム『まだ…お前は知らなくて良い…俺は、そいつらからお前を守るからな…』
レクサム『ガキはそろそろ寝ろよ!明日は出発が早いぞ!』
パメラ『分かりました。』
そして翌朝…
私たちは、ヴァラメンス共同国…「王都グンファル」に向かった。
都市には、様々な飾り付けが施されており…
沢山の人達で賑わっていた。
レクサム『此処は随分と賑わっているな…』
レクサム『よし!近くに、ギルドがあるな…潰しに行くか…』
そう言い彼は、私を近くの広場に置いてギルドに向かって行ったのだった。
守ってくれるんじゃなかったの?
住民A『あらまぁ…お遣い?偉いわねぇ…』
パメラ『あっ!えっ!置いていかれて…』
住民B『一人でここまで?見ない顔ねぇ…』
そうやって…住民の方達と、やりとりをしていると…彼が戻ってきた。
レクサム『お待たせ…あいつら全然大したこと無かったわ…』
何故彼は、こんなにもギルドを恨んでいるのか…
あの時の私は、聞き出せないでいた。
長い旅の中で、聞き出せる時に聞き出せばいい…
ただ…その時が来るのを待つだけだ。
私はそう思っていた。
ずっと…
パメラ『置いて行った私を…』
レクサム『すまんって…ほら…広場だったら人目に着くから攫われないだろうと思って…』
レクサム『あっ!そうだ!ギルドの奴が、持っていた何か高そうな杖持ってたんだ。』
パメラ『物取ったの?』
レクサム『いやこれはその…』
レクサム『借りたと言うか落ちてたと言うか…』
パメラ『返して来てください…』
レクサム『分かった。そうする…今度こそ一緒に来るか?』
パメラ『うん』
ギルドと言う場所は、ボロボロになっており…そこには、大勢のギルドの人達が、横たわっていた。
パメラ『ひどい』
レクサム『これでも手加減した方だぞ…』
すると…その内の一人が、起き上がり呟き始める。
ギルド『お前は…ギルド潰し…ここにはお前の探している奴らは居ないぞ…』
そう言って再び気を失った。
探している人達とは一体誰だろうか?