シンボルビア森緑
第27話 シンボルビア森緑
「シンボルビア森緑」との境界都市「テュリス」に辿り着く。
境界都市テュリスは、多くの巨樹木に囲まれる。
元々は、シンボルビア森緑への侵入を、拒む目的で建てられており…
それであってか…都市の内部には、要塞のような面影を残しつつある。
シェルピー『それにしても…多くの人で賑わっていますね…』
レクサム『ああ…こいつらは、シンボルビア森緑を踏破する為にやって来た。冒険者の端くれ達だ。』
レクサム『シンボルビア森緑は「秘境ダンジョン」とも呼ばれていて…冒険者達の間では、実力を試す場所として認知されている。』
レクサム『見えたぜ…あれが…悪しき心を測る「真偽の天秤」だ。』
シンボルビア森緑の入り口中央には、巨大な天秤が建っていた。
レクサム『ああやって悪しき心を持たない者だけが、立ち入りを許可される。』
パメラ『それは、どう言うものでしょうか?』
ゼイル『まあ要するに…悪い事をしているか?または、悪い事を企んでいるか?を試すと言うことだろ?』
レクサム『ま…そう言うことだな…』
シェルピー『剣や弓を持っている方達がほとんどですね…』
レクサム『この都市にいる奴らのほとんどが冒険者だ。』
レクサム『冒険者からしたら…この「シンボルビア森緑」を攻略することは、冒険者の名を知らせるのに…どの依頼をこなすよりも手っ取り早い。』
レクサム『だが…森緑大陸で最難関と呼ばれている秘境ダンジョンでもある…』
ゼイル『武具からして…まだ「騎士兵団」の方が強い部類だろうな…あいつら「秘境ダンジョン」を舐めているだろ…』
レクサム『攻略難易度の種類は「大陸」・「ダンジョン」・「討伐」の3つある。』
レクサム『そして…シンボルビア森緑の攻略危険度は「星4」だ。』
レクサム『「魔導兵団」がごろごろ居るな…ここは、「魔導協会」も直接関与している。多くの魔導兵団は、魔導協会が配備しているんだ。』
レクサム『「閲覧板」の情報では、現在ここら周辺では…「魔龍」と呼ばれる存在の活動区域となっている。』
レクサム『あの魔王よりも面倒な存在が此処には居る…』
レクサム『因みに魔王の討伐危険度を知っているか?』
ゼイル『強いて「星7」くらいだろ…』
レクサム『どんなに弱くても…問答無用の、「星10」だ。それ以上は無い危険度だ。』
ゼイル『と言うことは…』
レクサム『ああ…こいつらは、「魔王」に会ったことの無い経験知らずだ。俺達はあれで運が良かった…魔王の強さに直接触れられたからな…』
レクサム『無から誕生する存在…その脅威は、いつ何処で出くわすか分からないほど…』
レクサム『真偽が始まるぞ…覚悟は良いか?』
私は魔王という存在が、かつて…多くの人々を恐怖で支配していたとは、到底思っていなかった…
人を迎え入れ受け入れる魔王も存在する。
魔王にも感情がある。例えそれが…偽りであっても…人と分かち合えた時点で不可能では無い…
そう思いながら私は、真偽の天秤を受けるのだった。
グラドール(先程は、あのように申しましたが…この様に着いて来てしまいました。「あの者」が持つ雰囲気に、私は囚われてしまった。)
?『クゥーン…』
グラドール『先程…道半ばで、思わず私に触れてしまった魔獣に、すっかり魅入られてしまいましたね…困ったことです。』
グラドール『私の紋章術は、触れた者を無意識に魅入らせる…』
グラドール『「魅了の暗示」が備わっている…もちろん肩に触れてもですが…まあ…魔獣なら…いくら操っても許されるでしょう…』
グラドール『この青年の姿は、素晴らしい程の仕上がりですね…』
?『ワオーン…』
グラドール『それと…ついでにですが…「潜伏魔法」と「変身魔法」も掛けておきました…これで…気配はおろか微量の魔力も感知されないでしょう…』
巨大な天秤が左右に揺れる…
天秤はどちらにも傾かず中央で安定した。
魔導兵A『天秤の安定を確認…』
魔導兵A『ようこそシンボルビア森緑へ!』
魔導兵B『現在シンボルビアは、とても危険な状態です。どうかお気をつけて…』
シンボルビア森緑…そこは、豊かな緑に囲まれ穏やかな音色に包まれる。
自然の宝庫だった。
何処からか動物達の話し声が聞こえてくる…
私達の入界を、歓迎してくれてるみたいに…
魔導兵A『次の者前へ!』
グラドール『私ですね…』
魔導兵A『そこの動物は、お前のか?』
グラドール『そうですね…私のペットです。』
魔導兵A『そうか…』




