微かな日差しの下で目覚める子羊たち
第1話 微かな日差しの下で目覚める子羊たち
?『だから!言ったじゃない!私は、子供なんて要らないって…』
?『僕は、君と幸せになると伝えた!君もわかってくれただろ…』
?『そうね…確かにあの時は、そう答えたわ…でもそれとこれとは別でしょ!』
?『その結果が…あんな子を産んだんじゃない!』
?『また…お父さんとお母さんの口喧嘩が、聞こえる…私の病室の前でまた病院の人に怒られるよ…』
お父さん『君とあの子は大切な家族だ!でも…僕には、仕事がある!せっかく上手く行っているんだ!家族を支えるだけのより良くする為に…お金を稼ぐ…父として当然の義務を果たしている…君には何故それが分からない?』
お母さん『何?自己満足のつもり?あなたは、ずっとそうね…私の苦労も知らずに…連絡すらしてくれない…ストレスで倒れた時も会社に篭りっぱなしであの子の医療費に、いくら掛かってると思ってるの?』
お父さん『それは…あの子も、もう時期10歳になる。先生からは、長く見積もってあと一ヶ月も生きられないと告げられた。』
お父さん『せめて…最期ぐらい…母親らしく振る舞えないのか?』
お母さん『振る舞っているわよ!私の健康と引き換えに!毎日!面倒ばかり本当に…』
お父さん『おい!それ以上は…』
?『…』
お母さん『あんな子産まなければよかった…』
ピー
すると病室からそんな音が鳴り響く…
駆けつけるお父さんと先生たち…
私はお母さんの…その言葉を聴き…深い眠りに着いた…
?『もし叶えられるのなら…この絵本のように…お外を歩いてみたかった…な…』
絵本の中の少年が、小さな冒険をするお話を…夢に思い描きながら…
?『眠りについたか…』
目が覚めると…白一面の場所に私は立って居た…
?『名前は確か…水汲知園…だったかな…』
?『僕ね…君みたいな幼い子はもちろん…沢山の人が亡くなる所を見てきたけど…』
?『君ほど気になる死は、無かったよ…』
知園『ここは…どこですか?私は…』
?『強い子だ…泣かないんだ!多くの者たちは、自分の死を悟った時になんだけどね…』
?『死後に恨みを残す者も居たね…でも君みたいな全く恨みの感情を抱かない子は初めてだ。』
?『隠していても…僕は魂ごと見通せるからね…でも君には微塵もない…』
知園『私を…どうするおつもりですか?このまま…天国に連れて行って貰えるのでしょうか?』
?『うん…そんな感じかな…君が今から向かう所は…空想ではなく本物の世界だよ…今は僕が管理している…』
知園『…』
?『そうだね君の夢…』
知園『!』
神『とても小さな夢だ…僕はね神なんだ…人間が考え崇める空想の存在…』
神『でも…そんな小さな夢を叶えられないのなら…神として成り下がってしまうからね…』
神『そんな僕からの新しい人生を…君にプレゼントしたいと思ってね…』
知園『何故…そこまでして貰えるのでしょうか…』
神『それは簡単だ…君のことが気に入った…ただそれだけさ…』
知園『…』
知園『私の夢を叶えてみたいです!』
神『うん…それじゃあ…お日様の下…自由に何処までも冒険し…またいつか…僕と会えると良いね…』
私は神様に、一言伝えようとした…すると、私の身体から光が溢れ出た。
記憶…それも、生まれたばかりの頃だったかな…それと同じ感覚が、身体を巡る…
今日、私はとある山奥の民家で生まれた…
私は、小さな意識の中で身に覚えのある声を聴いていた。
私がこの世に居なくなった時に、呟いていた声…
それはお父さんからだった…
不思議と意識が無いはずなのに…私は何故か、その言葉を最期に聴いていたのだ。
お父さん『もし聞こえているのなら…聞いてくれ…どうか…どうか…この謝り続けることしか出来なかった僕を許してくれ…』
そう聴こえていた。
私は、その声を思い出すと…同時に生まれて初めて涙を流した。
私は、ずっとお父さんとお母さんが大好きだ。これからもどうかお元気で…
泣き声を上げない私を…心配し必死で声を掛けるのが聴こえる…それは新しいお父さんとお母さんだった…
私は、心配させまいと鳴いているふりをした。
これが私の新しい人生の始まりだった…