魔王死す
別視点です。
場所は変わってここは魔王の城。城内で1人の小さい女の子が部下から報告を聞いていた。
「そ、そうか……。父上が死んだか……。」
「ええ、そうです。あのクソ王……じゃなくて魔王様は確かにお亡くなりになりました。」
「い~よっしゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!!!!!!」
その女の子は悲しむことなど全くせず、むしろ万歳をして大喜びしていた。
「ということは人類と戦争する派は壊滅したのじゃな!」
「はい。塵ひとつ残らずに。見てて『ざまあ~このクソスケベ王!』と思いました。」
「お前もセクハラ食らっておったのか……」
「と、言うことは姫様も?」
「ああ、妾が風呂に入っているときに覗きをしてきたのじゃ。マジで最悪じゃった。」
「自分の娘の風呂を覗くとか最悪ですね。あのヤロウは。」
女の子と部下はしばらくの間、魔王に対する愚痴を言っていた。
「それで父上はどうやって死んだのじゃ?」
「部下が撮ってきた映像です。こちらをお見せしたほうが早いかと。」
そして女の子は和人が隕石落下を使って魔王達、人類と戦争する派の全員がいる砦を塵ひとつ残らず消滅させている映像をみた。
「な、なに……。隕石落下じゃと……。」
「すごいですよね。実は私この映像みて何かスゴいドキドキするんです。これはきっと恋です。というわけで私は今日限りでこの仕事辞めてこのお方に会いに行きます。位置情報は虫型の眷属を着けたので大丈夫ですし。それでは今までありがとうございました。」
「ま、待て!」
「いくら姫様でも止めても無駄ですよ。私は愛に生きるんで……… 何で姫様顔真っ赤なんです?」
「いや、妾も会いにいこうと思って………」
「ま、まさか姫様………」
「な、なんじゃ!悪いか!ああそうじゃよ!妾も愛に生きたいんじゃよ!」
「ひ 、姫様まで…… それじゃあ諦めないといけない……?」
「いや、諦めることなんてない。お前もあのクソ野郎にはよくセクハラされておったしのう。2人でアプローチして2人ともあのお方に貰われようぞ!」
「ひ、姫様!一生ついていきます!!」
「ところでそのお方はどこにいるんじゃ?」
「そうとなったら、まずは母上にも報告しないとな。」
女の子とその部下は魔王妃に報告しにいった。
「やだやだやだ!!私もその素敵な方に会いにいく!!」
「でも母上は人族に戦争停止を伝えにいかないと………」
「嫌だ!私もそのお方に会って、貰ってもらう!!!」
「確かに母上もアイツに色々嫌がらせされてたのは知ってるが………」
「あっそうだ!ねえ宰相、人族側に戦争の原因の魔王が死んだから戦争を停止してくること代わりに行ってきて!!」
「ええっ!?わ、私がですか!?」
「いや、それは国のトップが行かなければ……」
「じゃ、あなたが今からこの国のトップね。はい、じゃ後よろしく。さあ、あなたたちそのお方に会いに行くわよ。眷属の位置情報によるとゼクト王国にいるのよね?早速いきましょ!!」
そんなこんなで魔王妃、魔王の娘とその侍女は和人に会いに行くことになった。
因みに宰相は人族との戦争を止めるために人族との会談に結局参加した。
そして人族が宰相が来た理由を問うと宰相は愚痴を少しこぼしたがそこから湯水のように溢れて来たので人族側は宰相に同情して戦争終結を宣言したらしい。