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1-6 私はこれで人間やめました

よろしくお願いします

昨日の夜、エイトは結局、エイトの以前の住居で寝ることとなった。一人で住んでいた場所に9人で寝るため、もちろん雑魚寝であった。適当な食事を済ませワイワイガヤガヤとなっていた。その輪に入っていけないエイトは、一人頭から布団をかぶって寝始めた。


宝箱のある部屋の前でショートスリープを繰り返していたせいか、エイトは皆が寝静まった頃、目が覚めた。そしてレッドと散歩をし予定していた行動を始めることにした。




そう、仕返しだ。エイトは、ストレス発散とばかりにやりきった。


(こういうときって他人の家はいいよね。無茶できるというか。


なぜか友人の家だと、お茶やジュースって零れるんだよね。


活躍したのはレッドだが、殺傷事件ではないよ。


先ず消音魔法と透明化の魔法をかけます。


馬面兄貴一派の根城に忍び込みます。


4つの部屋に8人の仲間がいたので睡眠魔法を配りました。


連帯責任というやつです。


2人の女の子はモヒカンに、6人の男の子は少し残して坊主に


僕はとても必死でした。笑いを堪えるのに。)



(箸が転んでもおかしい年頃って、あれって思春期の娘かな?まあ今回は特別枠でエイト君も入れてあげてほしい。しかも夜中、絶対笑いの神降りるよね。

前にはグースの顔にネギがついただけで朝まで笑ったんだ、今回は強面男女の禿の狂瀾だよ。もう笑いがスパイラルしてブレーキ利かず、トルネードも参加してコリオリが助力したってくらい笑った。)



(いやーレッドの剣は走ってたねー。)


とエイトのからくり人形レッドへのよいしょもしつつ、解説付きのテンションマックスでエイトはやりきったのだった。


***




そして朝、どうやらハナさんに集う関係者の11人が集まったようである。


なぜかエイトは教会で使っていた、竹刀を全員に配ります。


エイトは言います。


「それでは稽古です。かかってきなさい。」


(これですね、人を動かす力!いや僕は遠慮します。って言わせない圧倒的な牽引力、僕は昨日ハナさんに教わりました。)



エイトは全員同時に攻撃してもらい、練習します。そしてエイトは実感した。


ついでに一人3発食らわせて、エイトの溜飲も少し下がったのでしょう。



なんとなく思っていたエイト。パペットマスター148格というのは凄まじく、それだけで地力が上がっているのだと実感させられるのだった。


例えば、左の掌に皿を乗せていました。その上には肉が乗っています。右手のフォークでやや強めに肉を刺しました。なぜかそのフォークは肉を貫通し、皿を貫通し、左の掌に刺さっていました。


あれ!お皿にひびでも入っていたのかな?そう考えていた時期がエイトにもありました。


恥ずかしさのあまり、痛みよりも周囲の目を気にして、きょろきょろしていたエイト。彼の顔は真っ赤になっていたのです。


強いのだけれども恥ずかしい。大食いチャンピオンなのに18歳女子的な感じでしょうか。


またこんなこともありました。食卓にグースと並んで座っていた時、ハアッハと大笑いをし、2度の拍手のあと、グースの背をポンと叩いたんです。ゴンッという音と机にめり込むようなグースの頭。

顔をあげたグースの左の鼻から血が流れていました。


そんな日常でエイトは薄々気づいてはいました。決して得意では無かった乱取りです、しかも10対1なのです。こうしてエイトは格の違いを十分に体現したのでした。




尚、あれ以降、唯一の友人のグースは決してエイトの横に座らなくなりました。






***


汗も拭いて、落ち着いた頃、話し合いは始まります。


昨日居なかったドワーフのアントンは言います。


「あ、あの俺は彫金なんだな、んで妹のゾヤは酒造で奉公したいから、出来るのであ、あればすぐにでも北へ行きたいんだな。」


妹のゾヤも頷いています。


(あれ、共同生活って話してなかったっけ?まあ最後まで話を聞いてみましょう。)そんなことを思いつつ、エイトは半ば傍観者として話し合いの場にいます。


「わたくしテレストと言います。エイトさんとご一緒させていただきたいのです。」


(あの人は大人ボディーの・・・テレストさんか、メモメモ。しかし何故僕を名指し?)そんな疑問を持ちつつも話し合いは続いています。


「あ、僕、タチアナ。北」(淡泊タチアナさん、メモ)


残りのドーリス、ダフネ、エルサ、ニエベスも賛同し、満場一致?


ちなみにダフネ、エルサ、ニエベスはにゃーにゃー言っていた。


ドーリスは狼人。


そして、ハナさんが口を開いた。


「じゃあ満場一致ね。」


(一度も口を開いていないグースのことを、皆は覚えているのだろうか?わが友よ!僕の横には座らなくなったけど僕は覚えている。)エイトはそう思っていた。




「あとリーダーはエイトにお願いするわ。」


「えっ!!!!!」


(今、なぜ僕の名前が出たのだろう。傍観者の僕の名が・・・。)エイトは大きな驚きを声にした。


(そうか、なんだこの茶番は、談合か裏取引か、あーあの入札前に大人がやるという。陰謀だ。裏の組織の匂いがする。

これが噂のネゴシエーションからの、飲みニケーションこいつら僕に隠れて何飲んだんだ。)


すこしエイトは目線を上にやり、空を眺めた。(なんの試練?)そう心で叫ぶのだった。





(いろいろいろいろ~♪

いろいろいろいろ~♪


わからないことがある~♪


しかたないしかたない~♪


考えても~♪答えなんか出ない~♪


だって知らないのだもの~♪


この歌二番も作るかな・・・。)


エイトは、心の唄を声に出さずに歌った。


(さてとみんなの前で何か話さないといけなくなった。ちんちん出してお尻出しても許してくれないだろう。ハナさんが睨んでいる、きっと期待以上の成果を出さないと、あの必殺技、動かす力で何かをされるのだろう。)


「ざっと、」(あ、いかん2オクターブ上が出た。)


「ゴホン、ざっと現状を話すのですこし聞いてほしいです、今のままだと魔物に襲われ、すぐに死んじゃいます。あーそんな気がしますです。そこで僕が考える対処法なのです。がーーーまず、最初に魔法を覚えて、次に格をあげ、その後、北へ向かえばどうかと考えています。」


(あ、ダメだスロウなブギぐらいで喋ろうと思ったのにまるでエイトなビートだ。)


「僕もどのくらいかかるか分からないのですが、住居は広くしないといけません。それに加え。全員で寝食を共にし缶詰特訓になるでしょう。」


(あれ僕の声、みんなに届いているのかな?みなさん、あなた何言ってるの?って顔で・・・)


「えっと、ここまでで何か質問はありますか?」


(声のトーン、テンポ、それにみなさんに聞こえたのだろうか。だめだここは笑顔だけでも張り付けて好印象で乗り切ろう。)ニコニコ。


「ゲン神父も言ってただろ!攻撃魔法は1万人に一人だって。」


(おおっと、ここでグースが喋りました!みんなの同意を得ているようです。なんだあいつはいつも喋らないのに、友人のピンチだというのに、敵か敵に寝返ったのか、それなら僕にも考えがあるぞ。)


「他、質問無ければ試してみようか?ちょっとやりたいことあるんだよね~。ウヒヒヒ」



「エイト、顔マジ怖い。」(グース五月蠅い減点1っと。)


***


「それではこれから魔法の発現方法を試してみましょう。はいーみんな、はくしゅー。」


(みんな拍手くらいしろよ。寂しいぞ。)


エイトは先ず、全員で手をつなぎ魔素を、体内循環させるイメージを教えた。

これは女兵士カリナさんに教わったことである。


次にエイトは全員の鑑定をする。そしてその結果により、全員のグレーアウトしている属性を伝える。


(フフ見えているんだ僕にはね、アハハハハ。)


その後みんなにやることが二つあると伝え、それを実践してもらうだけである。


一つ目は、魔素を手に集めつつ、自分の属性の魔法を念じる。これを10回。


二つ目は、最後に他人の撃つ魔法を観る。これも10発。



すぐに歓声は上がった。全員ではないが・・・。



(どーだいどーだいどーだい、これこそ僕が調査行軍で得た成果だよ、水と光しか使えなかった半端者が全部使えますと言える成功者に成りあがる奇跡。兵士さん達のやり方をじっくり観たさ、何度も何度も真似しながら、魔素が流れると体を騙すんだ。とか言ってたっけやばいぞこれは特許出願でウハウハシャンペンコースに乗ったんじゃ・・・。)


エイトは興奮している。すこしうまく行き過ぎではないかと自分では思ってはいるのだが、自信に満ちた顔は少し鬱陶しくもあった。


(あ名前要るな、ダマース法とかどうだ。妊婦がシーシーハー言いそうだな。やってみせさせてみせ五十六のGOGO魔法塾とかは長いな。)




そこでエイトはドヤ顔で話し出す。


「じゃあ魔弾を撃つ練習方法を全員に教えておくので、全員聞いておいてね。

火弾、水弾などのみ練習します。出来るだけ素早く詠唱し、出来るだけ小さい水弾を作る。ゆっくり10を数えて、なるべく早く、なるべく遠くへ着弾させるように心がけてください。以上です。魔法を撃てるようになった人は何度も練習しててください。


あと出来てない人は循環からやり直すので集まって~。」


(まああとはゲン爺の受け売りだがテキトーでいい。)


エイトはニヤケタ顔でそんなことを思っていた。そして、何回か試行していると、全員が攻撃魔法を撃てるようになった。


(まじか・・・こんなに上手くいくなんて)思いがけない出来栄えにエイトはビビった。


しかも全員の尊敬の視線がエイトに向けられるのだった。更にエイトはビビった。


(今か今が2000万円の壺の売り時なのか。)そんなことがエイトの頭をよぎる。



そして全員に集まってもらう。





「どうグース君、みんな魔法撃てるってー」


ドヤ顔のキメ顔でマウントを取るエイトであった。


「しゅみませんエイト様。」


(そこ噛むなよ・・・。)




調子に乗ったエイトは暴走する。


「じゃあ次の段階の話をするね。皆さんには僕の眷属になってもらおうと思います。メリットは常時回復、デメリットは僕の配下ってことかな。さて、えっ」


「「「「「はい!わかりました!」」」」」


(えっ満場一致?いいの??チョロすぎるぞ。)


「えーっと、これにより魔素の回復が現状の2倍になるので、魔弾の練習を2倍してもらいますね。」


「「「「「はい!わかりました!」」」」」




そしてエイトは気を良くした。




「それと。」


エイトは、角兎、赤猪、はぐれ鹿、尾黒鶏、砂クラブ、ウォーキングフィッシュなどを1匹づつ出して言う。


「ダフネさん~、エルサさん~、ベスさん~、これ解体できる?」


「「やってみる(んだにゃ)にゃ」」


「私の名前省略なんだにゃ」


「じゃこれを昼飯用に使うのと、残りは僕が保管しとくので残った分は返してね。」


エイトは鑑定の時見つけた、解体師の職業を持った3人にお願いする。




「あと、飯の準備はハナさんとドーリスさんにお願いするね。」


調理師は2名だった。




「残りの人は家の荷物移動、全部出しちゃって」


そしてエイトはどんどん仕事をこなしていくのだった。


(1階は奥へ20メートル広げる、2階を新設奥行8メートル、風呂を増築、トイレも1個追加、こんなもんかな?)


(いらない石土は収納庫、天井や壁床は土魔法で硬化、埃は風魔法で外へ、最後に水魔法で全体を清潔化。)


「「「「「うおおおおおおお!」」」」」





「なあエイト、お前人間やめたのか?」


(グース減点4、5ポイント貯まったので。)


「グース、魔法訓練で魔素尽きたら、剣の素振り全種各100回で!」


ありがとうございます

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