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3-3 満腹と名裁き

よろしくお願いします

エイト一行はマクジル王都に来た時からずっと、お世話になっていた羊の憩い亭を後にし、改装の終わった住居付き店舗に引っ越した。


すべてハナに任せていたので、店舗と住居を案内してもらった。先ず、看板には、よろず屋壱号店と控えめに書いてある。販売するのはハナが言うホットドック、名前が良くないので改名されてソーセージブレッドとなったものである。


作り方は20センチ超えの長めの白パンに縦に切れ目を入れ、5、6種類の香辛料で炒めたスパイシーな野菜を並べ、その上に25センチのソーセージを置く、これを専用魔道具オーブンで少し焼くだけである。トマトのソースとカラシのソースをかけて食べる。原価300ゼニ、売価10000ゼニだそうだ・・・。


「なんでそんなに高いんだ?」とエイトはハナに聞いた。ハナは言う。


「最果ての街に工場建てたのよっ。」


そうハナはパン工場とソーセージ工場を建てたのだ。


(吃驚だわ。)


ということで絶対に儲けないといけないハナは、バナナミルクとココアミルク、ミルクを1杯1000ゼニで販売し、香辛料の量り売りは原価の100倍で着ぐるみパジャマを原価の10倍で販売するのだった。


(おったまげだわ・・・。)


店舗の全面耐物理、耐魔法シャッターを開けると全面ガラス張りのショウウインドウとなり、キッチン前のカウンター席とボックス席が3つのスペース、香辛料の対面量り売りコーナーに、マネキン着ぐるみパジャマコーナーの3カ所に別れている。




住居部分はというと20室の一人部屋と社長室にミーティングルームがある。キッチン、風呂、トイレは共用で惜しげもなく魔道具を使っていた。


今までずっと共同スペースで生活してきたので、みんな一人部屋に歓喜していた。


ハナは全員に名刺というものを配布する。エイトの肩書はプレジデント、ハナはマネージャー、その他はスタッフであった。


全員、訳も判らず保管庫に入れた。




そしてエイトはからくり人形に、着ぐるみパジャマを着せて常時2体を交代で警備に就かせた。これが幸いにも身長100センチの子供が着ぐるみパジャマを着ている感じになって販売数を伸ばすのだった。


いつからか王都に居るとき、からくり人形たちは武器を保管庫にしまっていた。エイトは感心した。




土地建物で4500万ゼニ改装費1500万ゼニということで、概ね話はついていたのだが商業ギルドからブレンダン理事長の耳に入り、じゃあ2000万ゼニでいいな!とマフィアでヤクザな反社の取引が始まった。

結局3000万ゼニの請求書が届き、即支払いをした。


エイトとハナは、カニ1匹御殿やね~と言って笑った。


ブレンダン理事長のマクジル王都にある邸宅に、カニ料理を食べきれないほど送り付けた。


*


引越後の最初の休日、試食会を行うことになった。勿論メインは販売するソーセージブレッド、バナナミルク、ココアミルクである。


あとはハナ曰く、洋食アラカルトだそうだ。

ハンバーガー、ピザ、ナポリタン、オムライス、ドリア、ポテト、パンケーキ、コーンスープ、クラムチャウダー、ミネストローネ、プリン、アイスクリーム、

これらは小皿で全員分あるそうだ。美味しい順に3つ選んで、そのお皿を分けて置いておけば、次に販売開始するかもしれないとのことだ。


あと、それでも足りない人には唐揚げ食べ放題があるそうだ。




「いつもどおりハナとドーリスの作る料理は美味しいニャ!ナポリタンの赤いソースがスキにゃ。」


「わたしはピザなンダニャ。」


ダフネとニエベスは言い、エルサは無言で食いまくってた。


「わたくしはやっぱりオムライスなのです。食べた後なのに食べれちゃうのです。」


「ぼぼ僕は初の、そそソーセージブレッドなんだな。うううまいっ!」


「アン兄ぃ、新商品はぁ、順位には関係ないのぉ。」


テレストとアントンが言い、ゾヤがつっこむ。


参加者はというとエイト一行11人(ハナ含む。)




「おい、エイト、嫌がらせのようにカニ料理が届いたぞ。そして、この皿おかわり頼む。なんだこの味はソーセージは食べたことあるが、、、香辛料と赤と黄色のソースなのか!しかし美味い。ハナさんはうちのシェフと替えるか・・・。」


「ウフフ、おじい様プリンですの!お母さまにも食べさせたいですの、すんごく甘くて美味しいですの。」


と横暴ぶりを見せるのは、なぜか来ているブレンダン理事長。横で黙々とニコニコと食べてるのはマレー園長、理事長に隠れて見えないけどイライザもいる。


「エイト、俺の皿小さいのではないか?これも美味いぞ、こっちも美味い。毎日夕食はハナさんが作ってるのかあ、そかそか。」「これは美味だ。エイトの隊は多才だな。」


魔法のホリー先生に担任のマシュー先生も呼んだらしい。(しかし隊ってなんだよ、元軍人なのか。)


「ちょうど時間が空いたので来てあげたわ。うちのシェフも帝国ホテル出身で腕はいいのですけれども、ハナさんもなかなかですわ。」「こんにちは。とても美味しいです。」「こんな料理初めて食べました。」


同じクラスの貴族のがきんちょ5名かな?


「一瞬で、着いたんねぇ。もう吃驚だわ。こんなうんめいもん初めて食べたんよぉ。」


パン工場とソーセージ工場の責任者に就任した当社のアシスタント、最果ての村のオリビアさんです。


「エイトさん、ちーっす。ウマウマッス。」「お世話になるっす。ウマウマノウマッス。」「ヨーヨー。グレイトなクッキングー!」「オッハー。バカウマー。」「げぷっー!食うもんうめーとなんかパワーマンピーって感じっすよ。」


エイトの学園内従者、見た目がいいの十数名。


路上歩いてる人を人数調整で試食してもらって、全50皿づつ、完食です。結果はまた店で確認してね。と、ハナさんに言われたエイトでした。


***


私立ラルウッド学園の正門へと続く並木道。あれだけ華々しく咲いていたジャカランの花は、散って道端に落ち、樹には薄緑の生まれたての葉が、変わりにとばかりに伸びている。


10日ほど、マクジル王国王立高等学院の図書館に通い詰めていたため懐かしく感じるエイトだった。


そして教室に入って、嫌な空気を感じる。そこには俯いて泣いているドーリスの姿があった。そして、ドーリスの周りから人が散開する。


「どうしたドーリス、なにがあった?」


ドーリスの机上には、学園に通うことになりエイトが渡したニコちゃんノートが、見るも無惨に、落書きされ破れていた。


(ドーリスは虐められた?)


「ハナどういうことだ?誰か知らないのか?」


ドーリスは泣いてて答えない、エイトはハナに聞いた、その声が大きく教室は静寂した。


「わ、わからないわよ。」


(どういうことなんだ・・・。)


エイトは教室全体に問う。大きな声で。


「このクラスの委員長はアビーさんだったよな?」


すると非難の声が上がる。


「王女様よ。」「王女と呼びなさい。」


エイトはふてぶてしく言う。すると見目麗しく、お淑やかな雰囲気の少女が金髪を靡かせ、青い目で僕を睨みつけ、白い腕を組んで立っている。


「君がアビーさんかな?この問題を解決したい。被害者は僕の友人のドーリスさんだ。器物破損の罪を犯した者がこのクラスと隣のクラスにさっき逃げて行った。この国に来て日が浅いのでわからないんだが国の法律に抵触してるよな?どうすればいい近衛兵に来てもらえばいいのかな?」


「その程度のことで近衛兵が来るわけないでしょ?」


アビー委員長はエイトを睨みながら言った。


「えええ、アビー委員長、その程度とはどういうことなのかな?この国で起こったから、僕は譲歩してこの国で裁決してもいいよって言ってるんだけど、国が法に抵触した人間を見逃すような、いい加減な国じゃダメなのではないのかい?」




「アビー委員長。何か言ってくれよ。」


アビー王女は、名を呼ばれ、体をビクンとさせ、怯えていた。


「例えば、アビー委員長の家に行き、僕が柱を折ったり、窓を割っても、その程度の事と言い捨てて、なんの咎めも無い国なのかな?」


「・・・。」


アビー王女は黙している。


「わからないなら、さっさと担任に報告するという、自分の仕事をこなしたらいいんじゃないの?アビー委員長。もしかしてあなたも加害者なのかな?」

「あーあとねこのノート8000万ゼニするのよ。僕がドーリスさんに貸してたものなので、これの弁償と慰謝料は僕に払ってもらうことになるので。」




そうこうしていると担任のマシュー先生が来て、マレー園長、ブレンダン理事長に引き連れられ、加害者5名被害者2名は、以前入ったことのある30人は入る部屋で向かい合っていた。


そしてブレンダン理事長によって事実が確認され、加害者は謝罪する。


「この国には、少年法というのがあってな、14歳以下の子供は罪に問われないんじゃよ。親に連絡が行き、謝罪と示談と言うことになるんじゃが・・・。」


そこでブレンダン理事長は俺を見て言う。


「ドーリスさんが謝罪も受け入れてくれて、今後仲良くします。と握手もしたんじゃ。そこで親への連絡はしない、つもりなんじゃがどうだ、エイト。」


と言ってブレンダン理事長は俺を見て続けた。


「ノートの弁済じゃが、同等品と交換にしようと思う。まあそういうことで授業もあることじゃし、速やかに移動してくれ。今日はこれで終わる。」


エイトはノートをブレンダン理事長に渡し、口を開くことなく教室に戻った。




その道程、ドーリスさんは加害者と笑顔で話していた。


(えええええっどーゆうこと!?これが10歳児スタンダード!、10歳児クオリティ!)


と、すこしやるせないエイトがいた。




そして名裁きだったと、自画自賛でご満悦のラルウッド越前守ブレンダンは、現物のノートじっくり眺め、見て、視て、観る、スーッという音とともに血の気が引いていくのだった。



ありがとうございます

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