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2-9 マクジル王国王都

よろしくお願いします

「これが城郭都市ってやつだ。どうだ、周りを厚い砦で囲んでいる。しかしすっげーなー!」


エイトは重厚にして堅牢な城郭を目にし興奮していた。反してその他のメンバーは、


「ここは始めてくるから、あんなに燥いで・・・。領主街リアーノは自分だけ、2回目だったから全然食いつかないのに。」


「ハナさんもテレストさんも、リアーノの街は初めてだったんですかにゃ?」


「そうよーあたしなんて出店するって言うから、いろいろ予定してたのに!身勝手バカエイトめえ。」


「わたくしは刀鍛冶に興味があったのです。結局全然見ることが出来なかったのです。」




そして、王都の門前に差し掛かった時、


「忘れました。紹介状、推薦状ちょっと行ってきます。」


と言ってエイトは転移魔法をビショップにかけてもらう。


領主館前に着き、門兵に事情を告げ、タカさんに会う。


そしてタカさんは言った。


「いろいろ調整してみたんですが、王立高等学院は、亜人種の方だと王族以外では、例がないの一点張りで・・・。そこでエイトさん以外は私立ラルウッド学園で内定を取り付け、推薦状をしたためさせて頂きました。」


エイトはすこし考え、聞いてみる。


「王立のほうは図書館だけ、利用できればいいんだけど、学院生じゃないと無理だよね?」


タカさんは頭を悩ませ考えてくれる。やはり学院のほうが充実してるかーうーんと思案し、


「両方入学すればいいのでは無いでしょうか?入学金とかは私のほうで手配しますし、出席日数が問題になる半年後くらいまではそれでいけるんじゃあないでしょうか。」


エイトは親指を立てて言う。


「それいいね、よしそれでいこう。」


その後タカさんは、十分な御礼が出来ていないことを詫びていた。また用事あったら連絡してねと言って別れた。


***



結局、いろいろ揉めてはいたが、私立ラルウッド学園に全員がお世話になることにした。平民や亜人種の人も多く、選択授業に職業訓練専門コースなどもあり、彫金や酒造、醸造も学べるのだ。


そして満場一致で、先ずは願書だけでも出しておこうということになり、私立ラルウッド学園へ馬車で乗り込んだのだった。


「こんにちは、編入の願書はこちらでよろしいのでしょうか?」


そう言うと受付のお姉さんが、急に笑顔を張り付け応対してくれた。


「こちらが願書、それに履歴書、2つ書いたら、受験料10000ゼニと身分証明書を持ってきてね。それで受験票をお渡しします。」


「それと理事長と園長がここで待っているので行ってください。」


と、園内マップを貰った。なんといきなり面接があるの!とハナが口にし、皆、足取り重くそこへ向かった。


***



そこにいたのは見たことのある爺さんだった。


「失礼します。」


と言い扉を開けると


「おお、入れ入れ、こっちだこっち。」


「「「「「ええっ!」」」」」


11人は絶句し固まった。


そして、案内されたのは30人は入れそうな部屋、僕達11人と先方3人が自己紹介し挨拶ののち、腰掛けた。すると茶が運ばれてくる。




この一番偉そうな爺さんに会ったのは、ちょうどリアーノの街と王都の中間地点、休憩のため馬車を停め、エイトの、ためになる話で盛り上がっていた頃、爺さんが孫を小脇に抱え、走ってきた。

何かから逃げてるように見える。あろうことかその爺さんは、僕たちの馬車を見つけ、助けてくれと言う。


中には子供しかいないので無理だと断ったが、しつこく言うので爺さんの孫娘だけは中に入れる。その後、しばらくすると少し小ぶりなワイバーンが現れた。あろうことかその爺さんは馬車を盾にし、戦い始める。馬車の中にいると五月蠅くて仕方がないし、いつまで経っても終わらないし、孫娘はお爺ちゃんお爺ちゃんと言って泣く、仕方がないのでからくり人形のレッドにワイバーンのとどめを刺させた。


その後、ボロボロの爺さんに回復魔法をしていると、どうやら貴族のようだ。貴族が魔物を擦り付ける真似をしていいと思ってるのかと説教し、汚れた馬車を爺さんに洗わせた。ルークに洗ってもらってどうだ?と聞くと首を横に振っていた。残念な30点爺さんだ。


御礼をと言っていたが僕は知らない人は助けないと告げ、さっさと王都に出発した。




それでも貴族かと蔑んだ、残念な30点爺さんだと罵った相手が今、目の前にいる。。。もう、帰りたい。


「君たちのことは、タカ・リアーノ辺境伯からの強い勧めもあって入学はほぼ決まっておる。のじゃが、形式的にというか、体裁を整えるために、2日後午前9時より、編入試験を行う。内容は、主に読み書き計算、魔法と剣技の測定になる。予定としては午前中に終わる予定だ。何か質問はあるか?」


エイトは尋ねる。


「この私立ラルウッド学園は、3年制ですか?」


人が好さそうで、心も体も丸いマレー・ファンリー園長は答える。


「はい、基本3年制なのですが、職業訓練を主に考えている方などは、1年で卒業という方も少なからずいますねえ。続けて説明しますと、読み書き計算は基本のみ、剣技は護身程度のレベルで、魔法についてはご存じかもしれませんが、ほとんどの方は使用することは適いません。」


そこまで言ったところでブレンダン・キース・ラルウッド理事長は口を挿んだ。


「彼らは全員、魔法が使える。」


マレー園長はハンカチで額の汗を抑えながら、ブレンダン理事長と僕らを見て大きな息を漏らして言う。


「はい、ご質問の答えは以上ですが、参考になったでしょうかあ?」


「はい、ありがとうございます。マレー園長。」


その後、質問もなくそろそろ終わるかな、と思ったところでブレンダン理事長が口を開く。


「それじゃ、最後に紹介しておこう。彼女は皆さんと同じ1年生でわしの孫のイライザじゃ、仲良くしてやってくれ。」


と緩んだ顔でブレンダン理事長がイライザに挨拶を促そうとしたときエイトは言う。


「身分差あるし、それは無理だろ?」


なんじゃ小童と言いたげに、ブレンダン理事長が睨む中、エイトは続ける。


「タカさ、領主から聞いたんだけど、学生平等は形ばかりで、貴族が歩いていたら端に避け、話始めたら黙し、居たら消える。一般の平民学生はそういう、へりくだった態度を覚える場所でもある。長生きするための知恵だ。とか言ってた。」


ブレンダン理事長の顔が強張る。


「ふん、タカ・リアーノのやつ余計なことを、それは大昔の話じゃ。今はもうない!もし、そのようなことがあればわしに言え、学園内で何かあれば貴族だとて許さん。」


熱いブレンダン理事長は拳を固めてそう言い放った。


「じゃあそれを書面に、ああ、免罪符書いてくれ。」


「ぐぬぬ、エイト、お前よっぽど貴族が嫌いなんだな。」


とブレンダン理事長は下唇を噛む。


「子供に魔物を摺りつけるやつを信用しろと?」


と、言いつつイライザに顔を向け。


「じゃあこれからもよろしく頼むよ、イライザ。」


と右手を差し出すと、イライザはとてもいい笑顔で頷き、手を握り返した。



その後、エイト一行は商業ギルドを通じて、貴族街に近い商業街に住居付き店舗を購入し、追加の工事や改装を依頼することになるのだが、ブレンダン理事長はずっと貴族の権力や地位を使って、猛威を振るい続けるのだった。


そしてやっとブレンダン理事長と別れることが出来た。うちの家に来い、もてなすから、命の恩人だし、貴族の誘いを断るのか!といろいろ言っていたが放置した。




「学園内だけ平等にして、なんかいいことあるのか?」


エイトはそんなことを誰に言うでもなく、口にした。


またわからないことが増えたエイトだった。


ありがとうございました

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