2-5 カニ長者
よろしくお願いします
(コスさんと向かった荷下ろしはとてもきつかった。からくり人形たちが手伝ってくれなかったら、どれほどかかったやら・・・。)
エイトとからくり人形は表情を失い、淡々と1000体を3カ所に分けて下ろした。
そのあと清算のため商業ギルドへ行き、カードを作る。
(なんだろね商業ギルドのみなさんって、なんか回り込んでくるのよね。回り込んで扉開けたり、回り込んで椅子引いたり、こういうのは、さりげなくやるからいいのであって、ドタバタしてたり、すこしタイミングずれると、なんかイラッとくるね。)
タカさんは料理の美味さに心酔し、コスさんに案内された、夜のお店に追いかけてきた。そして調理人を紹介し、リアーノ家で料理を披露して欲しいと言う。
エイトは、はいはいはいとあしらった。
コスさんはカニの代金の一部を、タカさんに借りたらしく急いで王都へ持って行き、現金化するそうだ。
エイトは次の朝、タカさんの家の馬車で一路最果ての村を目指し、また3日で到着するのだった。
元気になったハナさんが迎えてくれると思ったらなぜか、お怒りだった。
「だいたいなんで領主の馬車なのよ!これ見て!私に刺さった矢よ。」
ハナさんは興奮して、そう言いつつ、ズンズンエイトににじり寄って来て鼻先に矢じりを突き付ける。
「矢じりってこう三角になってるでしょ、あのときは、前からこういう風に刺さって後ろに抜けてた。それをあんたは、前からこーいう風に抜いたわけよね。」
身振り手振りで全身を大きく使って説明する、興奮状態のハナさん。
「だーかーらー、刺さった時より痛くて気を失ったの!わかってる?
2度よ、2度。刺さって痛い、抜いて痛い。わかる?わかる?わかってるの???あんなこともう二度とごめんだわ!もう腹立つ!!」
(なんとなくお怒りの理由がわかった。)
(僕は小さくなってこの強風を耐えた。止まない雨はない!)
そしてエイトは「ごめんなさい。」と連呼するが、
今日のハナさんは、なかなか許してくれない。右手に持った矢をぶんぶん振り回している。
(こういうとき気の利いた相方だと、いつもより多く回してますー!とか言いながら茶化してくれそうだが、グースは僕より縮みあがっている。)
(仕方ない自分で空気を変えるか!)
「じゃあみなさん気を取り直してー。」
「「「それ先生だけー。」」」
(いい突っ込みだよー!)
「最果ての村は今日あいさつを済ませて、明日出発でいいですか?」
「「「「「はい。」」」」」
「じゃあみなさん村長宅で座って話しましょう。」
***
村長に戻ったことと税金の話を伝えたら、ワイバーンのお礼をされた。税金のことは信じてないようだ。
全員が部屋に入ったのでエイトは話を始めた。
「まずはみなさんに渡すものがあります。商業ギルドカードと中にはカニを売ったゼニが少し入っています。」
そして一人づつ名前を呼び渡していった。
そしてハナさんの分だけ無いふりをした。
他のみなさんは、なんか嬉しそうである。
「先生、いくら入ってるんですか?」
「領主の町で服とか買うのに使ってほしいのですが、金額は言ったほうがいいのですかね。えっと1000万ゼニです。」
一瞬、時が止まった。
「「「「「「「「えっ!・・・・・ええええええええ!」」」」」」」」
「あれーあれー。あと誰の渡してないんだっけ?」
と言いつつ、エイトはハナさんのカードを探すふりをしている。
「それと領主様に学校の推薦状とか、彫金師ギルドと酒造師ギルドの紹介状もお願いしてあります。」
「ちなみに学校へ行く人って何人いるんです?」
みんなキョロキョロして返事がない。
(あら、まだ悩んでるのね・・・。)
「あのさ、みんなに聞いてほしいんだけど。僕、王様になってるから、領主の街リアーノに行ったら、王様がお忍びで来てるかんじで対応してね。」
何言ってるのこいつっていう感じが全員から伝わる。
「「「どんな感じかさっぱり・・・。」」」
「まあ今まで通りでもそれっぽいかな。ばれると牢とか入れられるかもね。」
「牢!何言ってるのよ、領主とのこともきちんと聞いておかないとだわ。ってか王様っていったいなんなの!!そして、そろそろそのあたしのカードだけ無いみたいな小芝居やめなさい。」
(フッばれてたか、僕の小さい意趣返しが・・・。カードを出すと引っ手繰られて、王様ごっこのすべてを話した。)
いろいろ質問されたこと
1.エイト・リナレスのリナレスって何?将来結婚するし。
2.カニいくら 1つ3000万ゼニ フー
3.領主館で調理するって何?領主のタカさんがカニ料理気に入って
4.コスさんて誰 タカさんの弟 4男コスさんが商売してる。
5.税金いらない サンチー村長へ税金いらなくなったと伝言済み
「そうね、2、3、4、5はいいわ。1番のリナレスって言うのが、テレストさんのファミリーネームになるのね?」
テレストは姿勢を正して答える。
「はい、そうなのです。」
「それをエイトが勝手に使ったってこと。」
冤罪だ!とエイトは反論する。
「いやいやいや違うんだよ!僕とテレストが結婚して万共和国を作るってことだ。そこでテレストは内政官をやる。これで全員の望みが叶うってことだろ?」
「あの、あたし聞いてないんだけど全員の望みって何なの?」
「僕とハナがハナの部屋で話したことがあったでしょ。あのときにみんなから将来何したいとか言うのを聞いて、テレストがメモしてくれてたのよ。」
「サクッと言うと3人学校で7人仕事1人は旅にでる。こんな感じ。」
えっと言うような顔をしてハナは聞く。
「あたしはどこに入ってるの?」
「ハナは商売するんだろ?」
そして9人はいろいろ思案しつつ話し込んでる中。
僕とテレストはちょっと離れた場所で、それでも部屋を出ると怒られるのでこそこそ話してた。
「それで竜で飛べるようになったのか?」
意気揚々とテレストは答える。
「もう80%いけます!」
「おおおお、テレスト、イケメン!」
「国はさ、暖かいほうがいいってゲン爺が、言ってたからな。ちょっと北へ飛んで人のいない島探してポンッて城立てるんだ。いいだろ?」
テレストは笑って言う。
「そこって2人しかいないじゃないですか!」
「2人いればなんとかなるだろーたぶん。。あーそうだ飛んでる城ないのかなぁ、それか海を走ってる城とか、まあ見つけたら引越すればいいか。」
「ええええーそんな城あるんですか?」
「ゲン爺がどっちも見たらしい。いろいろ旅するなら保管庫に城入らないかな?携帯城。」
エイトとテレストはじゃれている。
「「あはははは」」
9人は将来について真剣だった。
「「「「五月蠅いんですけど!!」」」」
ありがとうございます




