8話
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リンクが詠唱をした瞬間、服の上から魔法陣が現れリンクの手元に2つの鈴がついた一本の刀が出てきた。
(初めて魔法を使ったな‥‥‥服に予め封印魔法の魔法陣を刻んでいて、いつでも取り出せるようにしていたのか‥‥‥それにしてもあの鈴は何だ?揺れているのに音が出ない‥‥‥何か特殊な効果がありそうだな)
「行きます!!!」
俺は本気のスピードでシュウさんに近づき、剣を弾き飛ばそうとした。
「さっきより速い!本気を出していなかったのか!」
驚いてはいるもののやはり流石というべきか。シュウさんの反応は速く、逆に俺の刀を弾き飛ばそうとする。が、俺はすぐに鈴に魔力を込めた。
リィーーーーン‥‥‥‥
リンクが魔力を込めた鈴から綺麗な音が響いた。その瞬間、シュウの動きがわずかに鈍った。
「魔力がっ‥‥!?っ!しまっ‥‥!」
シュウの動きが鈍ったのを見逃さずにリンクはすかさず身体強化した足で腹に蹴りを入れる。
「ハァッ!!!!」
「ぐっ!」
(また体内の魔力が乱れた!?これは一体‥‥‥!くそっ、一旦引かなければっ)
追撃をしようとしたがシュウさんはフラつきつつも追撃が来る前に体勢を整えてしまった。
「まずは1発ですね」
「ゲホッ、ゲホ‥‥‥ふぅ、受験生に攻撃を当てられるなんて思っていなかったよ。何回かこの学園の試験に来ているが今までで俺に攻撃を当てたやつなんて君が初めてだ。それに今のはいったい?」
どう説明しようかな‥‥‥途中で魔力は特別って言わなければ良かったな〜鈴のおかげって路線で喋るか。
「この鈴は魔力を込めると魔力が乗った音が鳴り、この音を聞いたら体内の魔力が乱れるんです。魔力が乱れるのを利用して、タイミングによっては魔法を消すこともできます。慣れてない人なら一瞬の隙を作れますね」
「ふむ、そんな魔道具は聞いたことがないな。」
ふぅ、道具に興味がいってバレなかったっぽいな。良かった良かった。
「でしょうね、多分俺しか使ってないと思いますよ。」
「なるほど。ところで鈴の効果で魔力を乱したような説明をしたが身体強化の蹴りでも魔力が乱れた。もしかして君の魔力自体が乱れる性質を持っているんじゃないかい?」
何も良くなかったわ。やっぱ誤魔化せないかぁ。
「‥‥‥もうバレちゃいました?道具で乱すっていう思考を持たせようとしたのと、普通に誤魔化そうとしたんですけどね」
「魔力の乱れに驚いてすんなり話を聞いてしまったけど、君自身が自分の魔力は特別って言っていたのを思い出してね。」
「いや〜俺って世界一素直だから隠し事はできないっぽいですね」
「ははっ、よく言うよ。ところで君は身体強化は使ってたけど君自身は魔力の乱れの影響は出てないのかい?」
うぅっ‥‥‥やっぱり聞かれるか。まあどうせバレるだろうし今言っても関係ないか。クォーツさん達は知ってるけど噂を流しそうに見えないし、この人も団長って立場だからそれなりに口が堅いだろう。それに小声で話せば周りには聞かれないだろうし。
「バリバリ影響を受けてますね。魔力自体も若干乱れているんですが、身体強化は筋肉で無理やり魔力を抑えているんで大丈夫です。魔力を遠くに飛ばしたり形を変えるなどは無理ですね。ついでに魔法が使えないです」
「魔法が使えない!?ある程度予想はしてたけど本当に使えないのか!!ん?そういえば今思い出したが、巷で聞く魔法が使えない無能ってもしかして君かい!?」
はい終わったーー。この人やってんねぇ!!周りの人達ギョってしてるよ!!!
「そうでーす。魔法が使えなくて役立たずやら無能やら蔑まれてた噂の奴が俺でーす」
俺が死んだ目で答えるとシュウさんは少し申し訳なさそうに謝ってきた。
「すっ、すまない。つい興奮して‥‥‥」
「いえいえ、昔から言われてるので今更って感じですね」
「とっ、所でさっき出した刀は魔力の乱れを利用して封印魔法を解除して出したのかい?」
露骨に話変えやがったなこの人‥‥‥
「当たりです。俺の幼馴染に、予め服に魔法を施してもらってそれを無理やり魔力で解除しました」
「魔法が使えなくてもその魔力だけで色々使い道があるのか‥‥‥面白いな。おっと、君の名前を聞いていなかったね。教えてもらっても良いかい?」
「リンク・ノイズです」
「リンク君‥‥‥貴重な経験ができたよ。ちょっと本気で相手をしたくなったな。そろそろ続きを始めようか」
「ん???」
今なんて言ったこの人????