7話
取り敢えず忙しくて投稿できなかった分はこれで最後です。
クォーツさん達や他の受験生が見てる中、あまり俺の魔力については知られたくないな‥‥‥あの武器も魔力を使わないとただの剣だし。取り敢えず慣れている素手で行くか。
俺は両足と両腕のみに身体強化をかけ、全力よりやや遅めのスピードでシュウさんとの距離を詰め、動きを止めやすい心臓を目掛けて右ストレートを放った。
「ッフ!」
「速いね!体の一部のみに身体強化をかけ魔力を温存するのと、最初に頭部ではなく、的の大きい部分を狙うのは良い判断だ!」
シュウさんは紙一重で左側に避けたが、すかさずシュウさんの前足にローキックを放った。しかしこれもギリギリで躱された。
シュウさんは俺に向かって横薙ぎに切ってきたがこれをバックステップで躱す。
「反応も速いか〜接近戦は申し分ないね。そろそろ魔法が見てみたいんだけど」
「その内見せますよ」
まあ、見せるつもりはないけど。っていうか使えないし‥‥‥しかし、魔法を警戒して脳のリソースを割いてもらえるのはありがたいな。
さて、シュウさんは基本的に剣に魔力を纏わせない。纏わせなければただの鉄だ。
身体強化さえしていれば鉄くらいならギリギリ砕けるな。武器破壊を狙うか‥‥。そのためには上段斬りを誘う!
リンクはシュウの攻撃をなるべく上から下に来る攻撃に絞るため、動くのに支障のないギリギリまで姿勢を低くした。
「そんな姿勢が低くて大丈夫かい?」
(あんなに低いと攻撃が当てづらいな。単純にあの姿勢の方が動きやすいのか。それか、俺の攻撃の選択肢を絞らせて何かを狙っているのか?)
「ちょっと動きづらいけれど問題ないですね」
「問題ないなら大丈夫だね。行くよっ!」
(これは後者か〜何を狙っている?この子は考えが読めないな〜魔法も警戒しとかないとな)
シュウは軽く攻撃をしてくるが、リンクが狙っている上段の攻撃は中々してこない。しかし、リンクは落ち着いていた。
焦るな。まだ時間はあるから丁寧にシュウさんの攻撃に対応しろっ。
その後、数十回に及ぶ攻防が続き、ついにその時がやって来た。
「ハァッ!!」
「!!」
来たっ!ギリギリで対応しないとシュウさんなら気づく。だから俺に当たる瞬間を狙う!
(目つきが変わった!上段斬りを狙っていたのか!だか、そろそろ当たるぞ!?)
シュウの腕が伸び切り、切先がリンクの左肩に当たりそうになる瞬間。
リンクは剣の腹を狙い渾身のパンチを放った。
いける!!!
しかしーーー
「なるほど!武器破壊か!だがまだまだ甘いよ!」
リンクのパンチが当たるよりも速く、シュウは剣に魔力を纏わせた。
「いってぇぇぇ!!!」
「ほいっ!!」
リンクが痛がっていても、シュウは関係なく斬りかかってくる。
「あぶなっ!!くっ!」
くそっ!!タイミングは良かった!シュウさんの魔力を纏わせるスピードが速すぎなんだよ!!はぁ〜もう武器破壊はむりだな。
「さあ!次はどうするんだい!」
「元気だなぁ‥‥‥」
う〜ん、どうしよう。わかってはいたがやっぱり強いな〜そろそろ身体強化の反動もくるし、使いたくなかったけど魔力を使うかぁ。無能って周りにバレそうだな〜また周りから馬鹿にされんのかな‥‥‥でもアリスやクォーツさん達に頑張るって言っちゃったし、それに俺もこのままじゃ終われない。
「やっぱりシュウさんは強いですね。ちょっとこのままだと合格が怪しいんで今から武器を使うことにしました」
「ん?君は武器を使って戦うのかい?何で最初から使わなかったんだ?」
「俺の魔力が特殊でしてね。それに合わせた武器なんで魔力を使わないとただの剣だし、魔力についてあまり周りに知られたくなかったんですよ」
「魔力が特殊ねぇ‥‥‥いいねぇ。早くやろうよ!」
やっぱり戦闘狂じゃん!ちょっとやる気出してきたんだけど!
‥‥‥まあ良いや。何とか一本は取れるだろう。ふぅ‥‥‥
「開封ーー反響の太刀ーー」