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3話

 筆記試験の会場に着いた俺は空いている席に座っていた。

 思っていたより人数が多いな‥‥400人くらいか?確か定員は100人だったような気がする。中々厳しいな‥‥


 復習をしていたらメガネをかけた中肉中背の優しそうな試験官が会場に入ってきた。


「皆さん、こんにちは。僕は筆記試験担当のアイゼン・ノーマンです。今から筆記試験を開始したいと思うので、必要なもの以外は机の上に置かないようお願い致します。時間は90分、カンニングなどの不正行為が見られた場合は退場していただきます。」


 時間は90分か‥‥長いと思うが問題の量が多いと大変だぞ‥‥


「それではただいまより筆記試験を開始いたします!!」


 試験官の開始の合図により一斉にペンが走る音が聞こえて来る。さて、俺も解くか。

 ん?思っていたよりも簡単な問題が多いな、ラッキー。基本的にモンスターの習性、国やギルドの規律、魔法陣の説明についてなどアリスに教えてもらったことが殆どだ。後でアリスにお礼としてデザードでも買っておくか。

 その後も特に難しい問題もなく、時間をかけて丁寧に問題を解いていった。問題数があまり多くなかったのが幸いだったな。

 そして最後の問題だが‥‥これは問題というよりも自分の自己PRみたいなのを書くだけか?参ったな、俺のアピールポイントなんて全然無いんだけど‥‥とりあえず俺の魔力の性質を書いておくか、書かないよりはマシだからな。


 最後の問題を書き終えて数分後、見直しをしていたらアイゼンさんが動き出した。おっ、やっと終わりか〜実技の試験は自信がないから筆記で点数を稼がないとな。点数は8割を超えていて欲しい。


「それではこれにて筆記試験を終了させていただきます。皆さま、お疲れ様でした。次は実技試験です。次の試験会場までは実技試験担当のシュウ・アーノルドさんについて行ってください」


 アイゼンさんが実技試験の担当者の名前を言った瞬間会場中が騒つく


「おっ、おい‥‥‥シュウ・アーノルドってマジかよ‥‥‥」

「あの王国騎士団の中でも有名な極光(きょっこう)の騎士団の‥‥‥?」

「あのご尊顔を生で見れるなんてっ!」

「終わった‥‥‥」

「イケメン殺すイケメン殺すイケメン殺す‥‥ブツブツ‥‥‥」


 あの極光の騎士団の団長か‥‥アリスの言った通りめちゃくちゃ強い人が来ちゃったな‥‥‥普通に泣きそう。そして1人だけ物騒な事を言ってる奴がおる。まったく、これだから心に余裕が持てない奴は困ったもんだぜ‥‥‥‥



 さーて!イケメンはぶっ殺すかぁぁぁ!!!!

 と、まだ見ぬイケメンに殺意を湧かしていたら銀髪の爽やかなイケメンがやって来た。本当にイケメンじゃねえか!!ちくしょぅぅぅ!!!


「受験生の皆、待たせちゃったかな?皆知っていると思うけど、俺は極光の騎士団 団長のシュウ・アーノルド。これから行う実技試験の担当だ、試験場に案内するからついて来てくれ」


 そう言われてシュウさんに着いて行くと、かなり大きめの修練場らしき建物に着いた。

 この建物、600人は軽く入りそうだな〜予想はしていたけどやっぱり皆の前で模擬戦をするのか?魔法使えなくて恥ずかしいから帰りたいんだが???


「さて!これから実技試験を行うけれど、流石にこの人数を俺1人で相手にするのはかなり時間がかかるからね!今日は手伝いとして極光の騎士団で副団長をしている2人に来てもらった!おいで、クララ、マナ!」


「はーい!極光の騎士団の副団長を勤めてるクララ・ハイゼルでーす!今日はよろしくねっ!」


 元気に挨拶したクララさんは赤いボブカットで見るからに活発そうな人だ。そして1番重要なのが、かなりおっぺぇがテゲェ‥‥動く度に揺れてやがるッッ!シュウさんよりもクララさんと戦いたいな‥‥優しくしてくれそうだし。あとおっぱいデカいし‥‥

 そして視界の端にイオナさんがいるんだけどものっっっそいクララさんの事を睨んでるな。

 眼力で人1人殺せちゃうよ???イオナさん小さいからな〜どこがとは言わんけど。とイオナさんを見ていたら目が合ってしまった。


 ギロッッッ


 こっっっわ、え??心読まれた??俺、後で処されちゃうの????取り敢えず怖かったので、会釈をして直ぐに目を逸らしてしまった。

 本当に後で処されないよね?そう思っていたら青いロングヘアーの大人しそうな人が挨拶をした。


「同じく副団長を務めているマナ・サイフォンです。今日はよろしくお願いします」


 と、ペコリと頭を下げた。うーん、あの人は見た目通りクールそうだな〜多分面倒見が良さそう。養ってくれねえかな。

 さて、俺はどの人たちと戦うのだろうか。第一希望はやっぱクララさんだな、クララさん来いクララさん来いクララさん来い‥‥‥


「取り敢えず1番から100番の子はクララと戦うからクララについて行ってくれ!」


「私達はこっち側で戦うから皆ついて来てね〜!!」


 ファッック!!俺も連れて行ってくれぇぇぇ!!!はぁ、人生そう上手くいかないもんだな‥‥‥人生ってなんだろう‥‥‥(哲学)

 はっ、いやっっまだマナさんがいる!!希望がある限り諦めちゃダメだッッ210番来いっ!!


「じゃあ101番から209番の子まではマナが相手をするから、マナについて行ってね!残りは俺と戦うよ!じゃあ行こうか!」


 行こうかじゃねぇぇっっ何であと1人多くしてくれなかったんだっっっ許すまじ!!!クォーツさん達はマナさんとか‥‥羨ましいな‥‥あの2人は強そうだし合格するだろう。問題は俺だな〜。


「それでは私と戦う人達はこちらに来てください。」


 くそっっ!俺もついて行きたいがしょうがない‥‥この怒りはシュウさんにぶつけるとしよう。


「皆と闘うのが楽しみだな〜!ほら!早く行こう!」


 くそがぁっ!俺は震える拳を握りしめてウキウキなシュウさんについて行く。


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