この実技試験は厳しいものでした。
遅れましたー。背中ぎ痛いです。
「いやー早かったね!ついに当日だよ!」
「ああ、そうだな」
隣できょーじが喚いている。そう、今日は実技試験の当日だからな。入学式の日に聞いてからの今日までがとても早く感じた。その間で大分学校も慣れたと思う(多分)。そして俺たちは第二実技場へ来ていた。この試験では一年生を三つのグループに分け、それぞれ第一実技場、第二実技場、第三実技場のどれかに配属されている。ちなみに俺ときょーじはこの第二実技場。そしてこうやは第一、しょうは第三と配属されている。
「よっしゃあ!頑張るぞ!」
きょーじはとても張り切っているようだ。まぁ俺は気楽にやろうかな。
「よし、第二実技場の奴らは揃ったか?」
そう言い、俺らの担任の原井先生が現れた。どうやらここ、第二実技場の試験官らしい。知らない先生よりは知ってる先生で良かった。
「では実技試験の説明をする。この試験ではまず、成績に関係する。上位に残れば残るほど成績が良くなるということだ。そしてこの試験は男女混合であり、剣士科、魔法科も混合だ。今年からこの高校は実力主義になってな。魔法科は不利などとは言ってられん。結果を残す、それだけだ。ルールについては、実技試験開始までにそれぞれの科の控え室で電光掲示板で確認しとくように。第一試合の開始は9時だ。それでは解散!」
実力主義…ねぇ。この高校、今年からそんなこと考えてたのか。俺のやることは変わらないけどね。
そう、思ってた。
「おい…まじかよ…」
俺はルールの詳細を見て、言葉を失った。
[ルール詳細]
一、剣士科生は剣を持ち戦う。
二、魔法科生は全身にバリアをつけて戦う(バリアは学校側があらかじめ作っておいた服を着ること)。剣士科生は頭にツノを付けた面を被ること(頭のみの面となっており、頭に付けたら試験が終わるまで取れない仕組みとなっている)。
三、制限時間は5分間。
四、勝敗の優劣、剣士科同士の戦いでは、どちらかの頭のツノが切られたら負け。魔法科同士では、バリアが壊された方が負け(なお、自身でバリアを付属できる者がいれば、それは可とする)。そして、剣士科と魔法科での戦いは、それぞれ同様のように勝敗を決める。
そして最後の五つ目のルールだが…、
五、この第二実技場の中で、上位三人以外はペナルティを与える。そのペナルティは進路にも関わってくる(上位三人には褒美がある。進路を有利に進めることもできる)。
これはちょっときついな。魔法の勉強を出来なくなってしまうかもしれない。そして俺の夢にも…支障がでるかもしれない。そして何より、最後に書かれている進路を有利にする褒美。悪目立ちはしたくなかったんだけどなー、仕方ないか。何を考えてるんだかこの高校は。
…やっぱり仕掛けてきたか。
「例の魔剣士、やる気になったか?」
「ええ、あの目を見れば分かります。多分実力を見せてくれると思いますよ」
「ほう、そうか。いやーあの子にはすまないがこちらにも事情があってな。強い者が必要なのだ」
「そうですね。あの日が来る前に…」
医者に行きたいと思います。