この部屋でベットの位置が決まりました。
背中を痛めた為、遅くなりました。
「ベットの場所、決めようぜー!」
「お、いいな」
一通り荷物の整理が済んだ時、きょーじがベットの場所を決めようと言い出した。この四人部屋には、もちろんベットが四つある。横に四つ並んでいる形になっている。
「俺は一番窓側がいいな」
こうやが窓側のベットを指した。他の人には異論はなく、そこに決まった。
「じゃ僕…一番…扉側がいい…」
しょうは扉側がいいらしい。こちらも異論はなく決まった。後は俺ときょーじだ。
「俺はどっちでもいいぞ!」
「いや俺もどっちでもいいんだが」
二人ともどちらでもよく、中々決まらない。
「どーしよーかなー」
「ゆうや…僕の隣…来て」
すると、しょうが隣のベットに俺が来てほしいと言ってきた。
「ん?まぁいいけど。じゃこれで決まりだな」
「おっけー!じゃ今日からこの位置で決まりだ!」
順番に扉から、しょう、俺、きょーじ、こうやの通りになった。その後、しょうになぜ俺が隣に来てほしかったのか聞くと、
「なんか…落ち着くから」
とのことだった。落ち着かれるんだったらこの順番でいいな。
その夜、俺たちは寮で出された食事をとった。これがまた美味しかった。本当に何から何まですごいな。さすがこの高校だ。
「ところで聞いたかー?来週の実技試験」
部屋に戻った俺たちにきょーじが問いかける。
「ああ、なんか先生言ってたな」
「いやだよなー、剣士科との合同だぜ?しかも勝ち抜きのトーナメント方式で、順位が上なほど成績があがるとか」
そう、来週には入学して最初の実技試験がある。この高校には年に何度も実技試験があると聞いていた。しかし、それが剣士科との合同であり勝ち抜きのトーナメントだとは分からなかった。
「剣士科が有利に決まっているではないか」
こうやも気に食わないらしい。しょうも何も言わないがこくこくと頷いている。
「学校側も何考えてんだー?絶対魔法科生は一人も上位いけないっての」
一人も…か。まぁそうだろうな。
「ところで皆はなんの魔法の特性があるんだ?」
きょーじがそんなことを聞いてきた。魔法の特性。魔法科生に入るものには全員が共通していること、それは魔力が多いってことだ。生まれた時にはもう剣士科生か魔法科生なんかは決まっている。生まれ持った魔力、その多さで決まる。そして魔力が多い者、つまり魔法科生一人一人に魔法の特性がある。魔法には色々ある。火、水、風、光、闇…この他にもたくさんの魔法がある。その中で特に秀でた魔法、それが魔法の特性だ。その魔法を極めれば、中レベルの魔物なら倒せるようになる。
「俺はちなみに火魔法に特性があるんだ!」
「俺は風魔法だ。昔から特訓している」
「僕は…土魔法…」
「土魔法?珍しいな」
「実家の…周り全体が…土魔法の特性…」
なるほどな。土魔法の特性を持っている集落なんだな。土魔法は珍しい、それ故に固まって特性がでることがあるらしいからな。
「へぇー!あ、ゆうやはなんの魔法が特性なんだ?」
「俺か?俺は…いや、俺も火魔法だな」
「そんなんだ!俺と一緒じゃーん!」
「ああ、そうだな」
「あ!てかもうこんな時間!皆寝ようぜ!」
時計を見ると12時を超えていた。あれ、こんな時間たったっけな?時間って進むの早いな。
「あれ、もうしょう寝てるし…。いつの間に」
しょうは隣でぐっすり眠っている。寝顔、可愛いなこいつ…。
「じゃ、俺も寝るか!おやすみ!」
「俺も寝る。おやすみだ」
「ああ、おやすみ」
こうやもきょーじも寝た。俺も寝るか。今日一日で色々ありすぎたな。疲れたな。そう思っているといつの間にか俺も寝ていた。これで一日目が終了した。
入学式の一日は長く感じたが、それが終わってからは早かった。ついに実技試験、当日となってしまった。
痛いです。