この学生寮に住むことにしました。
なんか、違う。
「…え?」
そんな反応すると思ったよ。いきなり生きる伝説とまで言われていた魔剣士が俺の親だ、とかな。
「いや別に信じてもらわなくてもいいんだが」
さすがにいきなりすぎたか。
「…なるほどね。分かったわ」
いや分かったんかい。俺だったら冗談だと思って相手にしないぞ。…まぁこれぐらいじゃなきゃ期待はしないさ。
「案外信じるんだな。俺は冗談だってばかにして怒るかと思ったよ」
「バカね。私はこの目で魔剣士だって分かったのよ。魔剣士なんてその人以外聞いたことないから信じたのよ」
「へぇーそうか。もっと驚いてくれてもよかったんだけどな」
「そうね、自分でもびっくりしてるわ。あなたを魔剣士だって分かった時だってそんなに驚かなかったわ」
「そうか。ま、秘密はそれだけだ。あと今ここであった出来事誰にもいうなよー」
「え?なんで?」
「いやお前は違ったけど他の奴らが聞いたら学校中大騒ぎになるだろ」
自分で言うのもなんだが多分魔剣士は俺しかいない。だから学校ではバレたくなかった。俺は魔法の勉強だけがしたいんだ。
「それもそうね。秘密にしとくわ」
「それはありがたい。じゃ、ホームルーム遅れるとわりーからダッシュで行くか」
俺は教室へ戻ろうとした。
「え?そっち?教室はこっちよ」
「いやこっちだろ」
小野宮は俺と違う方向へ行こうとした。
「もしかしてあなた…魔法科?」
「ああ、そうだが」
小野宮は唖然としている。
「お前、剣士科か?」
「そうだけど…。あなた、あんだけの剣さばきをもっていて魔法科なの!?」
「だから魔法科なんだよ。自分で言うが俺は剣の腕はあると思っている。実際そうなんだから魔法の勉強したいなと思って」
「…はぁー。もういいわ…、情報量が多すぎる。じゃあね」
「ああ、じゃまた」
時計を見るとホームルームまで時間がやばかった。これじゃダッシュじゃ間に合わんな。
「…急ぎだから使うか…。瞬間移動!」
俺を一瞬で光が包み込み、姿は消えた。それを見ていた小野宮は驚きを隠せなかった。
「今日一番の驚きだわ…」
はい回想終了。やっぱ言わない方がよかったかなー。でも見られたからずっと聞かれるのもまずい。そういうの、最後まで言っちゃうんだよなー…。
「お、着いた」
回想していたら目的の場所へ着いた。
「着きましたねー、学生寮!」
そう俺は学生寮へ来ていた。家が遠いからな。いちいち帰ってるよりもいいかと思っておふくろと相談して決めた。寂しそうだったが暇があったら帰ると言ったら喜んでくれた。
「さ、手続きするか!」
この学生寮の管理室へ向かった。
頑張る。