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第19話 初クエスト2

 クリュクリュドの森は不思議な森だった。

 清浄な空気が流れており、ここに本当に魔物がいるのか?と疑問に思ってしまうような森だった。

 そして色々な薬草が生えている。

 薬学スキルあるし、色々採取していって調合したい。

 私は生えている草花を見ながらソワソワしていた。


「キョロキョロするな。油断していると命取りになるぞ」


「はっ、はい‼︎」


 私は気を引き締めて歩いた。

 ある時、急に森の雰囲気がガラリと変わった。明るかった森が薄暗くなり、清浄な空気が瘴気を纏った空気に変わる。

 私は腰にさしていた杖を取り出し構える。

 すると薄暗い所から魔物が姿を現した。


 ラビットラット2体だ。

 真っ白で目が真っ赤な魔物。人間の赤ちゃんくらいの大きさで、縦長の耳がピンと立っている。前歯二本が外に出ており、やたらと長くて鋭利だ。

 前足・後ろ足とともに鋭利な鉤爪を持っている。


 やつらは私たちに気付き威嚇している。取り敢えず、私には魔法しか秀でているところがない。やつらが動き出す前に攻撃せねば。


【駆け抜けよ、光の弾丸

    リュミエールショット】


 私は光魔法を放った。

 私が使える攻撃魔法は二種類。光魔法と闇魔法一種類ずつ。

 闇魔法が使える人間は極めて少ない。主に魔族が得意とする魔法だからね。変な勘ぐりをされたくないから私は光魔法を選択した。

 この魔法は連続攻撃魔法。光の弾丸がいくつも発射される。

 多分発車出来る数や一つ一つの威力は、魔力によりけり。

 詠唱中に数や威力は念じて調整できる。


 魔法というのは大概効果の調整が可能だ。

 範囲魔法なら、範囲の広さ。手数の多い魔法なら数を。


 私は旅の途中でこっそり検証していた。私の魔法は光の弾丸が複数発射される魔法だった。なかなか一人になるのに苦労して、一度しか検証出来なかったが。だから調整までは出来なかった。どんな魔法なのかしか分からなかった。


 初心者向けの魔物だし威力は弱めで、数は二発。私は調整して魔法を放った。




 ドドーーーーーン‼︎



 ……あっ、あれ?


 確かに検証した時より威力は弱い。

 だが、かなりの破壊力である。

 弱めにしてもこの威力なのか。

 うーーん……。


 私が魔法を放った場所は、勢いよく土煙が舞った。それが収まると、大きな穴が二つ空いており、魔物は跡形もなく消えている。土は魔法で焦げて黒ずんでいる。


 勿論ドロップアイテムはない。だって魔物は消し炭になったから。

 魔物は倒さると、数秒で体が消えてしまう。それは魔物はその殆どが魔力で構成されている為、死ぬと体を維持しておけないらしい。そして消えるときに体の一部が残ることがあるそうだ。それがドロップアイテム。

 因みにそれを手に入れるには、殺す時に傷が少ない方が確率が高いらしい。

 まあ、食肉を狩りする時も傷は最小限の方が良いもんね。それと同じか。


 私は消し炭にしたので論外だ。

 こういう倒し方は、強い相手に自分の持てる力を全力でぶつける時ならいいが、普通のクエストではあまりオススメ出来ない。

 やはりドロップアイテムが手に入る確率が上がった方が良いから。

 まあ、手加減してやられては元も子もないのでその辺は考えなくてはならない。


 この魔法なら体の一部に当てて一発で討伐。その当てた部分以外は無傷というのが理想だろう。


 ……これ以上小さく弱くか。難しそうだな。


 なので魔法より、剣での攻撃の方がドロップアイテムが得られる確率は高いことが多い。


 んーー。魔法以外はてんでダメだから、多少は使えるように鍛えた方がいいよね。


「凄いな」


 後ろで待機していたセリュードさんがポツリと呟いた。


「だが、この魔物にこの威力、大きさはは不釣り合いだ。もう少し絞れそうか?」


「……やってみます」


 折角狩場に来たのだ。色々威力等試行錯誤してみよう。


 ガサッ


 またラビットラットが現れた。この森で一番生息数が多く、一番弱い魔物。


 よし、こいつを消し炭にしないように練習しよう。

 今度はもっと威力を弱めて、数は3発。


【駆け抜けよ、光の弾丸

    リュミエールショット】


 私は3体のラビットラットに向けて魔法を放った。








 ーーあれから何体のラビットラットを討伐したのだろうか。私はカードをタップした。


 50体。


 私は現れるラビットラットをひたすら討伐していた。しかし、毎度消し炭にしてしまう。

 毎度威力を調整し、威力を弱めて攻撃するが消し炭になってしまう。

 正直、私的に最低出力を意識してやっているが上手くいなかい。

 ラビットラット、弱すぎなんじゃない?もっと根性見せろよ‼︎と私は途中からラビットラットにあたっていた。


「……もうラビットラットを狩るのはやめよう」


 セリュードさんが声をかけた。


「すっ、すいません」


「まさか自分が強過ぎて苦戦する奴がいるとはな。やはりお前の魔力は凄い。まあ、ここまで凄いとは思わなかったけどな」


「でも、これじゃあドロップアイテムが……」


「お前は剣も多少は嗜んだ方が良いかもな」


「私もそう思います」


「光魔法はこれ以外に使えるか?」


「いえ……」


「なら戻ったら、アラカスザーンの魔法理論という本を読むと良い。自由魔法を学べる」


「自由魔法?」


 なんだそれは?聞いたことがない魔法ね。


「まあ、読めばわかる。今日のところはその魔法で倒すと良い」


 気になるが今は討伐が優先か。

 ラビットラットは狩り過ぎというくらい討伐した。残り二種は湖に近い所にいるらしく、私たちは湖を目指した。


「あの……」


 私は一つ気になることがあったので、セリュードさんに質問した。それは他の冒険者に全然会わないということ。

 入り口では何人か見かけたが、途中から見かけなくなり、先程の所でラビットラットに遭遇してからは全く会っていない。


「目くらましの煙を焚きながら移動しているからな。ここに来るような初心者は怪しいものには近づかない」


 私の力を見るためにわざわざ人払いをしていたようだ。まあ、私にとってもその方が有難いので助かるが。


「いきなり初心者が現れて、そいつの手助けをする羽目になるとかごめんだしな」


 ……セリュードさんは、人と距離を置きたいタイプなんですね。

 湖に向かう途中、ウルヒィに数体遭遇した。リュミエールショットを最低出力で行使したが、やはり消し炭になってしまった。


「うわあっ、凄い綺麗」


 森を抜けて湖に辿り着いた。飲むと回復すると言われている湖。キラキラと水面が光っており、覗き込むとそこまで透けて見えている。とても綺麗な湖だ。

 湖からこの森に流れる正常な空気と同じ……いや、それより濃いものを感じる。

 多分この湖の水を含んだ水蒸気が、風に乗りこの森に行き渡っているのね。


 湖の周りには何組かの冒険者がいた。回復する水を飲んで休息を取っているようだ。

 まあ今の私たちには、必要ないものだが。

 流石に複数の先客がいる休憩所で怪しい煙を撒き散らすのは如何なものかと思ったようで、セリュードさんは煙を消した。


「アクアウルヒィとはどういった魔物なのですか?」


 私はセリュードさんに質問した。ラビットラットやウルヒィは世界的に色々な場所で目撃される、下等魔物だ。私もここに来る間に他の冒険者が倒すのを見たことがあった。

 名前的にウルヒィに似ている姿だとは思うのだが。


「姿はウルヒィに似ているが、大きさは比べ物にならないほど大きい。色もウルヒィは灰色だが、やつは水色だ。額に蒼玉を付けている。まあ、ウルヒィの上位種と捉えて良いかと思う」


 そんな話をしながら歩いていると急にあたりの空気が変わった。

 私たちは武器を構え、注意深く周囲を観察する。

 休息を取っていた者たちも、この状況に気づいたようで、皆一目散に去っていった。


「この気配……やつがくるぞ」


「えっ?」


 アクアウルヒィのこと?

 私がそう聞き返そうとした瞬間、何かが動いた。


「危ない‼︎」


「‼︎」


 気がついたら私はセリュードさんに抱きかかえられていた。そして目の前にはアクアウルヒィがいた。


 高さが私たちの二倍はゆうにある大きな魔物。狼のような風貌で、毛は薄い水色。尻尾や耳の先など、一部鮮やかな青で彩られている。体にはそれと同じ色で不思議な文様が刻まれていた。


 早い。私はアクアウルヒィの動きを全然捉えられていなかった。

 私は魔力以外はへっぽこ。回避も当然出来ない。

 先に攻撃を当てれなければやられてしまう。

 しかし、この魔物に私は先制攻撃が出来るのだろうか?

 ーーいや、出来ない。

 不意打ちなら可能かもしれないが、こうやって相対すれば、私が攻撃する前に攻撃されてしまうだろう。


 どうしたら良いのか。


「‼︎セリュードさん、腕が‼︎」


 私を抱えている彼の腕は、血だらけになっている。きっと先程アクアウルヒィから私を庇った時に出来た傷だろう。


「問題ない。それより攻撃出来るか?」


「えっ?でも私では攻撃する前に……」


「問題ない。オレがこのまま抱えて攻撃を回避し続ける。その間に魔法を。最低出力でな」


「えっ⁈いくらなんでも最低出力は……」


「最低出力だ。いいな」


「……はい」


 私は彼に言われるがまま、呪文を唱え始めた。アクアウルヒィは私を警戒して私たちを執拗に追いかける。セリュードさんはそれを私を抱えながら、完璧に避けていた。


 ええと、威力は最低出力で……。


【リュミエールショット‼︎】


 私はアクアウルヒィめがけて魔法を放った。


「ヴガァーーーー‼︎」


 命中。

 魔法はアクアウルヒィの腹部に命中した。ラビットラットやウルヒィのように一瞬で消し炭にはならなかった。

 魔法は体の一部にあたり、倒れた。


「死んだ……の?」


「……そのようだな」


 数秒経つと、アクアウルヒィの体は砂のように消えた。そして大きな宝石が一つ残った。

 アクアウルヒィの額についていた大きな蒼玉。

 ドロップアイテム【アクアウルヒィの蒼玉】


「やっ、やった‼︎」


「……ああ‼︎」


 こうして私たちは、3つのクエストをクリアすることが出来たのであった。






 本日の成果


【ラビットラットの討伐】 クリア

 ・報酬 銀貨1枚

 ・討伐数 セリュード 0体、シェリー 50体


【ウルヒィの討伐】 クリア

 ・報酬 銀貨3枚

 ・討伐数 セリュード 0体、シェリー 5体


【アクアウルヒィの討伐】 クリア

 ・報酬 銀貨10枚

 ・討伐数 セリュード 0体、シェリー 1体

 ・ドロップアイテム アクアウルヒィの蒼玉


 ・アクアウルヒィレベルの魔物なら消し炭にせずに済むことが判明した。



 ・シェリーのレベルが上がった。


 レベル1→5


 ステータス

 体力 5→13

 力 5→15

 防御 3→10

 魔力 1000

 魔防 7→16

 俊敏 9→18


 サブスキル

 聖女 100

 光魔法 50→52

 闇魔法 50

 薬学 2→8


 魔法

 光魔法 プリズムクラッシュを取得した。

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