表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/3

決意

「は?」


異形から放たれた言葉に思わず顔をしかめる。何を言っているのか又下にはさっぱり理解が出来なかった。


「ど、どういう事だよ・・・」


「お前がムスコを取り戻す唯一の方法」


異形は一呼吸置いて続けた。


「死のゲーム、セ×ゲームに参加することだ。」


「は?」


やはり又下には何を言っているのかさっぱり理解が出来なかった。


「セ×ゲーム、それは108人の選ばれし者達が互いに殺し合い、最後の一人になるまで闘い続ける神話の時代から続く闇のゲームだ。」


「は?あんたさっきから何を・・・」


やはり何を言っているのか理解ができない。


「まあ最後まで話を聞け、このゲームに最後に勝ち残った者は・・・」


「勝ち残った者は?」


「どんな性的な願いも叶えることができる。」


「!!!それってつまり・・・」


「ああ、お前のムスコを再生することとて容易いな。だが、行われるのは本当の殺し合い、お前はその命を捨てる覚悟があるのか?」


「俺の命・・・?」


その時又下の脳裏には無惨に殺される自分の姿が浮かんだ、それと同時に・・・別の光景も


「そんなもん、幾らでも捨ててやる!!」


「ほう・・・」


「どんだけ長生きしても、どんな人生を送ったとしても・・・俺にとって・・・・」


呼吸を整え、一気に思いの丈をぶちまけた。


「俺にとって、セックスのねぇ人生何かミジンコ程も意味はねぇんだよ!!戦って、戦って、最後に勝ち残って・・・運命(一生童貞)を変える!!そのためなら命なんかいらねぇ!!さあ、戦ってやるよ・・・俺は何をすればいいんだ?」


「・・・・その脱童貞への執念、見事だ、ならば燃やせ、その命を、」


異形は持っていたバットを上空に向けると一気に振り下ろし、又下目掛けて投げつけた。


「!?」


投げられたバットは又下の股間にピッタリとくっつき、そのまま縮小し、まるでもとからそこにあったかのように又下の股間と同化した。


「お、おい、何をしたんだよ!?こっこれで戦えるってのか!?」


「そうだ、その小さなバットはお前が最も性を求めるときお前に最大の力を与えてくれるだろう。」


「そんなバカな・・・」


「健闘を祈る。」


「え?ちょっ・・・待っ・・・」


瞬間、又下の体の周りが光に包まれ、再び又下の意識は途切れ、その白い空間からも消滅した。


「これで107人目か、フフ・・・楽しませてくれよ?煩悩にまみれた人間達よ・・・・・・・」


異形はそう呟き、その場で愉快そうに肩を震わせていた。


----


「うう・・ここは?」


目を覚ますと又下はいつもの通学路に立っていた、体を触ってもどこにも血など付いていない。


「ハハハ・・・夢か、ビックリさせやがって・・そりゃそうだよな、車に轢かれてムスコがもげるなんてありえな・・・」


何気なく股間に手をやるとそこにはちゃんと棒状のモノが存在感を放っていた。


ただし、その感触はいつも触り慣れている柔らかなものでなく、もっと硬い、金属のようなものだった。


「夢であって・・・・・・・・・・欲しかったァァァァァァァァぁっ!!!」


又下の魂からの絶叫が空に響き渡った。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ