呪い
こう、呪いの言葉が 簡単に出てきてしまっちゃダメだろ?
呪いの言葉は 心の奥深い場所の、
分厚い金の扉にカギをして 閉じ込めておかなくちゃ。
閉じ込めておけば
それは芳醇なスパイス。
こうも、簡単に呪いの言葉が出てきてしまうのは、
きっと自分でその部屋に近づいたから。
開けてはいけないその部屋の、
扉の前で 望んだからだ。
カギ穴から漏れ出る 呪いの言葉に、
自ら浸っていたかったんだ。
そんなことわかってますよ。
カギ穴を覗くと 何が見えた?
醜い 自分の顔だ。
狂ったように 踊っている 、
蒼白の鬼の顔だ。
あたりかまわず 石を投げつけた。
部屋のカギを こじ開けてみたい。
ただ それだけ。