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魔導師は平凡を望む  作者: 広瀬煉
全ての始まり
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魔法について考えてみる

 異世界に来てから早数日。

 私……無事に魔法が使えるようになりましたよー♪

 あれから先生所有の魔法学校の教科書を貸してもらい、更に幾つかの魔法を先生に実演してもらって使えるようになりました!

 見せてもらったのは所謂『補助魔法』と呼ばれるもの。攻撃系は無し。

 攻撃系の魔法は自分で組み立てた方が扱いやすいだろう、とのこと。

 で、一時的に身体能力を上げる『強化』や解毒の魔法なんてのも見せてもらった……のですが。


 これらは使えないんだな、私。


 医者であり魔力持ちでもある先生が覚えておいた方がいいと言ってくれたんだけど。

 身体能力強化なんて元の世界じゃ薬物を使ったドーピング、解毒も解毒剤使用です。

 何も無いのに魔力だけで成しえるっていうのは魔法世界だから可能なんじゃないかと。

 魔力を薬の代わりにしてると考えるのもちょっと違う気がします。

 多分、本当に元の世界にあったゲーム内での効果じゃないかと思う。


 それに私が知ってる回復やら解毒の魔法って『HPという数値の回復』や『ステータス異常の解除』なのですよ。


 ここ重要。凄く重要。現実のような怪我を治すわけじゃないからね。

 ゲーム内で毒を受けたとしても『毒という状態に定められたダメージ』がHPに影響しているだけだろう。現実の毒とイコールじゃございませんよ。


 私が使うなら強化は魔力を体に纏わせて防御壁を作り防御力の向上、攻撃力上昇は防御壁の応用で武器に纏わせた魔力のイメージを『鉄』とか硬い物にすればいいんじゃないだろうか。

解毒は毒を体の外に抽出ってことになるかな。

 他には重力を弄れば体を軽くさせることができるし、風と併用で空中浮遊・飛行が可能。空中飛行は安定性の為に飛んでいる鳥をイメージしてるので透き通った翼付き。

 『飛ぶ』=『翼』という安直発想の結果です、はっきり具現化しないのはあくまでも飛ぶ為のイメージに過ぎないから。若しくは精神安定効果です。

 現実問題として人間は普通飛ばないからそのままだとちょっと怖いのだ。天使という存在を知らなければ難しかったかもしれん。

 もう少し学べばまた違った解釈が出来るかもしれないけど、今のところはこんな感じかな。

 それ以前に武器を扱えない気がするけど。包丁くらいなら何とかなるのだが。


 あと、ファンタジー世界で必須とも言える結界も勿論習得。

 私の場合は結界のイメージが『全ての攻撃に対して』なので万能ですよ。思い込みって凄いね! つまり意識すれば物理や魔力だけを弾くことも可能ということか。

 ……まあ、万能結界は上級に該当するのでバレないようにしなさいと言われたけど。

 ちなみに結界は魔力の編み方が複雑であればあるほど破り難いらしい。

 先生を感心させた結界は編物の知識がお役立ちです。この世界にやった奴は居なかったのか。

 そしてこの世界での結界習得にあたり私の魔法に関する予想はかなり正しいと思った。


「結界とは魔力を編み上げ防御壁を作ると覚えるといい」


 これ、先生のお言葉。

 結界は物理と魔法によって違うけど、大抵は魔法防御に関するものだそうな。

 これってさ……水や炎に具現化してても実際には魔力そのものってことだよね?

 つまり見えている魔法はイメージを忠実に再現している幻覚のようなもの。だから結界で防げる。


 存在する治癒魔法は肉体を元通りにする為の『修復』。

『元からないもの』だからその状態が『正常な形』。

 だから生まれつきの欠損や病気は治せない。

 病気は病原菌が体に入ってはいるけど『元からの形』は損なわれていないから意味が無い。

 これがこの世界の一般的な治癒魔法。

 ゲームの治癒魔法はHP回復だから怪我と体力の両方回復になるんだろうけど……そんなに都合のいいものはないと思った方がいい。魔力で体力の回復はできないみたいだし。

 何より……これは『現実』なんだから。


 何となくだけど、この認識で合ってると思う。これらに当て嵌まらないのが『狭間の旅人』製の魔法じゃなかろうか。魔法のある世界から来る事もあっただろうしね。

 中途半端に混ざってる所為で余計に謎の古代技術になったんじゃないのかなー?

 説明しようにも『そういうもの』としか言いようが無いだろうし。


 技術的なものだと酵母パンや製紙技術が異世界から伝えられたものらしい。

 味噌とか醤油がどこかに伝わってると良いな♪



 で。


 同じ世界から来た奴が作ったと思われる魔法が一個だけあった。

 効果は見える範囲に居る対象を確実に手元に引き寄せるという微妙なもの。

 手が離せない時に近くの物を取る為に使われたりするそうな。


 呪文(翻訳)は『くるしゅうない、ちこうよれ』、力ある言葉は『殿の御言葉』。


 ……明らかに同じ世界から来たんじゃね?

 飛ばされた時代が古代なら今よりアンシェスは理解できた筈。

 間違いなく、時代劇の台詞『苦しゅうない、近う寄れ』と思われる。

『どんな物にも阻害されず手元に引き寄せる』とあったので作った本人以外は効果を一途に信じていたんだろう。

 目に見える範囲で引き寄せるというかなり限定された説明文からもわかるように制御に失敗する奴はまず居まい。

 先生も誰にでもできるって言ってたしね、あはははは!


 からかい半分に作って魔術師に伝えたら見事発動、残されちゃった黒歴史ですか?

 発動して『ごめーん、冗談だった♪』とか言えなくなったシロモノですか?

 呪文じゃなくイメージ重視って気付いてなかったから出来ちゃったわけですね!

 魔法少女系じゃなかっただけマシだよね♪



 ……。

 ……。

 アンシェス解読できてやることがそれかぁぁぁっっ!!

 もうちょっとマシな魔法残しとけやぁぁぁぁぁっっっ!!!


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― 新着の感想 ―
[一言] 結局、強化や解毒の魔法は使えるのか使えないのか? それから、その二つが原理不明のため使えないならば、なぜ反重力という原理不明な力が再現できるのか。
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