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魔導師は平凡を望む  作者: 広瀬煉
変わりゆく世界編

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389/706

初めての営業はイルフェナで

――イルフェナにて(エルシュオン視点)


 目の前にはアロガンシア公爵夫妻とリーリエ嬢。そして、少し離れた場所にリーリエ嬢の婚約者『だった』アルベルダの騎士が、彼らの護衛として控えている。

 彼の方からの婚約解消はほぼ無理なので、リーリエ嬢が自己保身の一環として『逃げ道の確保(=辺境の貴族との婚姻)』を考えたからだろう。

 キヴェラ王のお膝元から逃れる……という意味では、確実な手だ。まあ、これまでのような生活はできなくなるだろうが、それでもキヴェラ王のすぐ傍に居るよりはマシと考えたか。

 これはアルベルダでも同様なので、彼との婚姻の危険性にも気づいたのだろう。何せ、彼への処罰はこれからなのだから。

 まあ、彼の方も醜聞にはなれど、『婚約者から捨てられた』という事実が出来上がるので、そういった意味では、お互い様なのかもしれない。

 この騒動を理由にしてしまえば、婚約解消は妥当とも言える。騒動の責任を取る、ということにして悲恋にでもしてしまえば、事情をよく知らない者達からは同情してもらえるかもしれないじゃないか。


 こういったところは、やはり『貴族』なのだと思う。自己保身から誰かを切り捨てること、そして印象操作を行なうことは、貴族階級では珍しくないのだから。


 婚約の許可を出したアルベルダ王とて、煩いことは言わないだろう。自分達とて、そういったことに理解のある階級……所謂、『同類』なのだから。

 ……。

 グレン殿あたりは、二人の婚約解消に大笑いしているかもしれないが。彼は微妙にミヅキと同類なので、踏んだり蹴ったりな騎士の末路に、満足している可能性も捨てきれない。

 そう思いつつ、改めて『絵本の営業にやって来た者達』に目を向ける。全員、もれなく顔色が悪いのは言うまでもない。特にアロガンシア公爵家の人間達は脅えているというか。

 だが、それだけだった。彼らは相変わらず自己保身に意識が向いているらしく、こちらの不興を買うまいと必死なのだろう。

 ……いや、アルベルダの騎士――リュゼ、といったか。彼は公爵家の人間ほど愚かではないらしく、一応は反省の色が見える。

 どこか諦めを漂わせているのは、今後を憂えてのものか。それとも……自分自身の仕出かしたことを今更ながらに理解したゆえか。

 どちらにしろ、一番現実が見えているのは確実だろう。少なくとも、リーリエ嬢との婚約が駄目になったことが原因ではあるまい。リーリエ嬢への未練など、欠片も感じられないのだから。


「……このような内容となっております」


 絵本の説明をしていたリーリエ嬢がぎこちなく微笑む。そうしている間にも、公爵夫妻の手によって見本が配られていった。

 実のところ、こちらの面子は全員、絵本の内容は把握済みだ。絵本の発案者であるミヅキも、販売に携わる商人達も、我が国に属する者なのだから。

 それでも購入の意思を見せるのは……彼らへの牽制のため。アルベルダでの婚約破棄の一件、それに関係する情報を得る意味でも、『絵本を購入する』という行為は必須なのだ。


 私達が直接関わっていないとはいえ、我が国は関与を疑われる。


 裏で糸を引いたなどと言われないためにも、『情報収集するに至った切っ掛け(=絵本)』は必要である。

 その切っ掛けさえあれば、『情報収集の一環として、ミヅキや商人達に詳しい事情を聞いた』という言い訳ができるのだから。アルベルダ王とも懇意にしているので、あちらの情報を得ていても不審がられまい。

 要は、この一件での裏工作を疑われないための建前なのだ。まあ……建前の他にも、『目の前の彼らと直接話す機会を設ける』という目的もあるのだけど。

 見本として手渡された本に目を通しながらも、こちらの面子――シャルリーヌ、クラレンス、アルジェント、クラウス、そして私――は誰が最初に仕掛けるかを窺っている。

 クラウスとアルは騎士としてこの場に控えているので、会話に加わっては来ないだろうが……どこか面白そうに、私達の駆け引きを見守っていた。そんな幼馴染達の姿に、内心、呆れてしまう。

『夜会の場に居たからこそ、全てを知っている』――少なくとも、リーリエ嬢達はそう思っていることだろう。絵本の営業を行なわねばならない者達にとっては、実に居心地の悪い状況となっているはず。

 それを判っていながら、何食わぬ顔でこの場に居るのだ。二人とも、中々に性格が悪い。


 おかしいな。ミヅキが来る前はもっと、まともに見えたはずなんだけど。


 そう思い、以前を思い出そうとして……彼らのそういった態度は、私を守るためであったことに気付く。

 あの頃は少しの隙も見せまいと、私だけではなく、アル達も常に気を張っているような状態だった。状況を楽しむ余裕など、あるはずがない。

 今は違うと感じるならば、それは……私にも、彼らにも、こういった場を楽しむ余裕が出来たということなのだろう。

 それがミヅキのお蔭であることは言うまでもない。何となく悔しいので、私がそれを素直に口にすることはないだろうけど。

 そんなことを考えていると、私の耳にどこか楽しげな声が届いた。


「ねぇ、リーリエ様? 貴女はこの物語についてどう思われるのかしら? 私、こういった物語は幼少の頃以来ですの。内容的にも女性に共感を得るようなものですから、貴女の感想が聞きたいわ」

「……! わ、私は……」

「ふふ……ゆっくり考えていただいて宜しいのよ? ……答えていただけるのならば」


 にこやかに、けれど遠慮なく切り込んだのはシャルリーヌ。彼女の胸元には当然のように、薔薇を模した石が埋め込まれた装飾品――ミヅキが作った魔道具が。

 だが、リーリエ嬢達がシャルリーヌに対して脅えているのは、そればかりが原因ではないだろう。どちらかと言えば、シャルリーヌの問い掛けの方に警戒したようであった。

 シャルリーヌは、それが物凄く答えにくい内容であることなど判っている。それが判っていながら、『女性に共感を得る内容』ということを前面に出して『第三者的な意見』を求めていた。

 問われたリーリエ嬢もそれを察したのか、顔を引き攣らせている。……当然かな。絵本の序盤に出て来る『強引な婚約破棄をした二人』は、一般的な解釈ならば、悪役という立ち位置なのだから。


 その二人に悪感情を示せば、リーリエ嬢達は『それが悪いことだと判っていたことになる』。


 わざとアルベルダを混乱させたとも受け取れるので、キヴェラに報告でもされた日には、キヴェラ王の怒りを買うことは必至。

 現在、リーリエ嬢達が最も恐れているのは『キヴェラ王の怒りを買うこと』のはず……知恵を絞って、当たり障りのない答えを探すしかないだろう。

 しかも、シャルリーヌは脅したわけではない。営業に来た人間に対し、感想を求めただけなのだ……!


 さすが、シャルリーヌ。ミヅキにSと言われるだけのことはある。

 相手を精神的に追い込む手腕は、立派に毒夫婦の片割れだ。


 なお、その毒夫婦のもう一人であるクラレンスは、妻の鋭い一手を微笑ましく見守っていたりする。

 見た目こそ優しげだが、クラレンスは立派にシャルリーヌの同類なのだ。婚姻時、『混ぜるな、危険』と周囲を戦慄させた過去を持つ彼は現在、騎士団長よりも騎士達に恐れられている。


 そこで『何をやったんだ』などと聞くことは無意味である。

 クラレンスは『いつもと変わらぬ日々を過ごしていただけ』なのだから。


 つまり、クラレンスにとっては『素の状態』。物腰柔らかく、言葉遣いも丁寧なクラレンスだからこそ、本性……いや、素の性格を知った時の衝撃は凄まじいとか。

 平然と紡がれる彼の言葉に、心を折られた者は多い……そして、彼らを労わるどころか、更に酷使するのがクラレンスなので、ミヅキとは別の意味で恐怖伝説が浸透しているのである。

 そのような姿が常のクラレンスが、微笑ましく妻の勇姿を眺めているだけで終わるはずもなく。


「そういえば、私も聞きたいことがありましてね。……ああ、護衛をしている君に尋ねましょう」

「……っ、はい、何でしょうか」


 リーリエ嬢と違い、多少のビクつきはあったにせよ、リュゼはクラレンスに向き直った。そんな姿に、クラレンスは少しだけ意外そうな顔をしながらも、穏やかに問いかける。


「婚約破棄を申し出た男は騎士なのですが、彼は一体、何を想って騎士を目指したと思います?」

「は?」


 予想外の質問だったのか、リュゼは呆けたような顔で声を上げた。だが、この問い掛けは私にも意味が判らない。

 ちらりとアルとクラウスに視線を走らせると、彼らは意味が判ったらしい。私の視線に気づくと、『黙って見ていてください』とでも言いたげな視線を向けてきた。

 ……。


 そうかい、『騎士には意味の判る問い掛け』ってことなんだね?


 微妙にハブられた気がして面白くないが、どうやらリュゼにはこれが必要な問い掛けのようだ。ただ、当のリュゼも困惑を露にしているので、尋ねられる意味が判っていないようだけど。

 クラレンスはリュゼの困惑ぶりに溜息を吐くと、「少し私の話をしましょうか」と言い出した。


「私は伯爵家に生まれましたが、妻にと望んだ方は公爵令嬢。しかも、国からその才覚を必要とされている方です。勿論、私とて日々、たゆまぬ努力を続けていましたが、正式な騎士となってからの功績はたかが知れていました」


 それはこの夫婦を知る者ならば、誰でも知っている話だ。クラレンスの方が爵位が低いことに加え、彼は騎士……最大の功績を狙えるのは戦や王族を救った場合であろう。

 そうなると、どうしてもシャルリーヌに比べて功績が劣ってしまう。国が乱れないからこそ、活躍の場がないのだ。


「王に口添えを、と言ってくださる方がいました。騎士ではなく、外交方面に才を活かすようにすればいいと助言してくださる方もいました。ですが……私はお断りしました」

「何故、と聞いても?」

「一言で言えば、私自身の意地でしょう。何より、一度は剣に陛下への忠誠を誓った身……いくら私自身が望んだ婚姻のためとはいえ、その誓いを違える気はありません。私の忠誠はそれほど軽いものではない」

「軽、い……?」

「ええ。陛下の剣となることを誓った者が、たやすくその誓いを違えるなど恥でしかありません。まして、私は近衛となる栄誉を賜っているのです。……騎士とは『唯一』に仕える者。どうして、主への誓いを軽んじることができようか」

「!?」


 クラレンスの言葉に、リュゼは返す言葉がないようだった。だが、それも当然だと思う。

 彼は近衛という立場でありながら、アルベルダ王を裏切っている。クラレンスの言葉はさぞ、耳に痛かろう。

 実のところ、クラレンスならば文官だろうとも功績を出せると言われていたらしい。だが、彼は『騎士として、彼女に恥じぬ自分でありたいのです』と言い切ったという。

 ……が、それだけで終わらないのがクラレンス。

 クラレンスの言葉を重く受け止めているらしいリュゼには言えないが、当時のクラレンスが本当に形振り構わなかったことも事実であって。


 結局、クラレンスは『国にとって、有益な繋がりを有する』ということも自身の強みとした。

 学生時代の悪友こと、カルロッサの宰相補佐殿の召喚である。


 当時はキヴェラの脅威に晒されていたこともあり、少しでも周囲の国との結束が求められる時期でもあったことが幸いした。

 宰相の実子であり、自身も宰相補佐に就いているセリアン・オルコットとの繋がりは『国にとって必要』と判断され、それまでのクラレンスの功績もあって、陛下が二人の婚姻の後押しをしたのだ。


 なお、この一連の出来事により、クラレンスは近衛のブレインという立場が定着した。国に求められるのは様々な意味での強さなのだ……賢さは立派に武器なのである。


 近衛である以上、立場が上の者を相手にすることもあるだろう。稀に、一騎士としてその場を切り抜けてもらう場合もあるため、クラレンスは実に都合の良い人材だった。

 それを理解し、自身の価値とするクラレンスの頭脳と人脈、そして婚姻によって得ることになる公爵家との繋がりを、陛下は高く評価したとも言う。

 クラレンスは『騎士であること』に拘りはしたが、『武器による強さ』に拘ったわけではない。様々な方面における有効性を周囲に示すことによって、自身を売り込んだのだ。

 賢さの勝利であった……現在、ミヅキがどんな評価を受けているかを考えれば、周囲がどう思ったかはたやすく予想がつく。さすが、シャルリーヌが夫にと望んだ人物である。

 ……。

 そんな近衛騎士の誕生に、恐れ慄いた者達も一定数はいたようだが。まあ、王家と国にとっては良いことなのだろう……多分。


「騎士は『主あってこそのもの』。ならば、この物語の騎士は一体、誰に忠誠を誓っているのでしょうね? 忠誠を持たずに騎士になったとしても、それは国に仕える身……王に評価されなければ野心は叶わないでしょうに」

「え……」

「ただ評価されたいだけならば、上官や同僚、そして民からの認識で十分です。ですが、功績に繋げるならば、王から認めていただくことは必須。『与えること』は『主にしかできない』でしょう?」


 ――主であるはずの王に忠誠を誓わぬ物語の騎士は一体、『誰』に仕えたかったのでしょうね?


 そう締め括られたクラレンスの言葉に、リュゼは顔面蒼白だ。だが、それも仕方ないと思う。

 彼はおそらく、『近衛騎士になること』が目標であって、そこに忠誠が必須であることに思い至らなかったのだろう。

 ウィルフレッド殿以外に忠誠心を抱く相手がいるならば、さすがに近衛になどなっていまい。少なくとも、王に反意を持つ者を近衛にすることはないだろう。

 それが近衛になれた、ということは。


「近衛となることは確かに、名誉なことでしょう。ですが、それ自体が目標であれば、すでに望みが叶っていることになる。物語の騎士が野心を持ち続けたのは、目標を見失っていたこともあると思いますよ。彼にやり直す機会があるならば、別の道を選ぶことも考えるべきでしょう」

「……」


 リュゼは言葉もなく俯く。すでに『物語の騎士』ではなく、『リュゼ自身のこと』になっているが、誰も口を出さないところを見ると……クラレンスによる『お説教』だったのだろう。言いたい放題ではあったけれど。

 それを『心を抉る言葉』とするか、やり直すための助言と受け取るかは、リュゼ次第。私達はアルベルダ王から彼の今後を聞いているので、非常に似た立場にあったクラレンスなりの励ましなのかもしれない。


「ふふ、リュゼ様はご自分で考えられるようですわね。……さあ、リーリエ様? 私のお尋ねしたことに答えてくださいませんこと? 貴女達は絵本の営業にいらしたのでしょう?」

「は……はい」

「でしたら、どうぞお答えを」


 リュゼの方に向いていた皆の意識が自身に向くのを感じてか、リーリエ嬢はシャルリーヌの問い掛けに肩を跳ねさせる。

 対して、嫣然と微笑むシャルリーヌ。彼女は獲物が委縮していようとも、追及の手を緩める気はなさそうだ。

 リーリエ嬢もそれを感じ取ったのか、必死に答えを考えているようだった。


「わ……私はその……っ、薔薇姫の優しさに感動いたしました」

「まあ、どのようなところに?」

「悲嘆に暮れるよりも、周囲の者達のことを考えるところ……ですわ」


 震えながら、それでも無難な感想を言うリーリエ嬢。拙いとはいえ、出来る限り無難な回答を見つけるのだから、彼女とて頭が悪いわけではないのだろう。

 ただ、彼女は増長し過ぎた。身の丈に合った振る舞いをしていたならば、『傲慢だけど、それが許される立場』という認識程度で済んだと思う。


 リーリエ嬢の敗因は『王族すら思い通りになると、驕ったこと』。


 要は、喧嘩を売った相手が悪かった。キヴェラ王に喧嘩を売る度胸はないにしても、彼女はアルベルダという国、そして王を格下扱いしたのだ。相手が怒らぬはずはない。

 そもそも、アルベルダ王にはグレン殿がついている。彼はミヅキと同類なので、静かに見えても内心は怒り狂っていた可能性が高い。よくぞ、そんな人物に喧嘩を売ったものだと、逆に感心してしまう。


「まあ、リーリエ様は『そのようなことに思い至れる』のですね?」

「は、はい」


 にこやかに話すシャルリーヌだが、その目は獲物を見据えて僅かに眇められる。


「では、『その程度のことにさえ思い至らず』、『他国の王へと盛大に喧嘩を売り』、『自国の王に恥をかかせた』、『恥にしかならない令嬢』が、どのような評価をされるかも理解できますでしょう?」

「!?」


 直球の嫌味に、リーリエ嬢の目が見開かれる。しかし、美女の毒はこれだけでは終わらない。


「そうそう、ご存知? 彼女を主人公にした物語も考えられているそうですわ。私ね、とても良いことだと思いますの。だって、実際にはそのような『お馬鹿さん』なんて、滅多にいませんでしょう? それに絵本の登場人物ならば、皆様とて、素直な感想が口にできますもの」

「ああ、確かにそうでしょうね。実在するなら、身分や柵が邪魔をして言えないでしょう。だからこそ増長し、取り返しのつかないことになる。良い教訓になるでしょうね」

「そうですわね、旦那様。喩え実話であったとしても、本人からの抗議など上がらないでしょう……恥ずかし過ぎますもの」


 シャルリーヌとクラレンスの追い打ちに、リーリエ嬢は涙目だった。それでも余計なことは言えないのだ……ここは『絵本の営業の場』なのだから。

 それに。

 抗議なんてすれば、まさに今シャルリーヌが言ったように『それが実話であり、自分のことだと言っているようなもの』と証明してしまうことになる。

 公爵夫妻とて、二人の会話が直球過ぎる嫌味だと理解できているだろうが、口を出せないのはそういった理由からだろう。


 それを判っていて実行するのが、クラレンス&シャルリーヌ夫妻。

 それでこそ、イルフェナでさえ恐れられる『毒夫婦』。


「リーリエ嬢。君達はこれからも絵本の営業を行なうのだろう? この程度の言葉はどこに行ってもかけられると思うよ?」

「まあ、殿下。わざわざ忠告して差し上げるなんて、お優しいこと。貴方の威圧に委縮し、顔を向けることさえない方達ですのに」

「それは仕方ないんじゃないかな? シャルリーヌ。そもそも、私には彼らと話すことなんてないよ」

「あらあら」


 私が気になったのは、『うちの馬鹿猫が夜会の時点で、完膚なきまでに叩きのめしていないか』ということだけだ。

 遣り過ぎていれば、キヴェラ王に謝罪をせねばならない。それが飼い主としての責任じゃないか。

 だから……彼らに何かを思うほど、関心はないんだよ。その価値もないからね。

別名、毒夫婦無双㏌イルフェナ。でも、魔王殿下も結構酷い。

心配しているのか、嫌味を言っているのかはともかく、言いたい放題です。

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