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魔導師は平凡を望む  作者: 広瀬煉
ガニア編

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素敵なサプライズ

 目論み通りに、シュアンゼ殿下のお披露目……じゃなかった、犯人への断罪も終わり。

 現在、シュアンゼ殿下の部屋にて、テゼルト殿下を交えての飲み会です。従弟であるシュアンゼ殿下を案じての参加となっているけど、実際は私への探りだろう。

 まあ、それも仕方ない。この国に来てから、色々とやっているものね。

 シュアンゼ殿下がやる気になっているのは良いことだが、いきなりやり過ぎては力をつける前に潰される。テゼルト殿下はそれを案じているのだろう。

『今のシュアンゼは、魔導師に巻き込まれているだけではないか?』と。そう、疑っているのだ。シュアンゼ殿下の性格を知っていても、彼はこれまで何の動きも見せていなかった。だからこそ、『シュアンゼ殿下本人の意志』なのか、『王弟殿下がやらかしたため悲観し、自棄になっている』のか、正直なところ判らないに違いない。


 なお、これに関してはテゼルト殿下を責めることはできまい。

 本当に、シュアンゼ殿下が変わり過ぎなのだから。


 従弟の性格を知るがゆえに、お兄ちゃんは心配なのですよ。一緒に盛り上がっている私の噂を知っているからこそ、私に対して全面的な信頼などしないのです。

 つーか、それが普通。丸投げするようなめでたい頭をしているなら、とっくに足を掬われているだろう。

 そんなテゼルト殿下は現在、複雑そうな表情で『ある人物』と私を交互に見つめていた。これはラフィークさんも同様。ただ、部屋の主であるシュアンゼ殿下は面白そうな顔をしたまま、私に視線を向けていた。咎める気はない模様。


 っていうか、シュアンゼ殿下が許可しなければ、『この人』はここに居ませんからね!


「……。ねぇ、魔導師殿。この状況を何か疑問に思わない?」

「いえ、別に? 飲み会ですから、飛び入り参加がいても不思議はないでしょう」

「いや、そういう問題かな!?」


 顔を引き攣らせるテゼルト殿下だが、私は全く気にしない。そこに、シュアンゼ殿下から追い打ちが入る。


「いいじゃないか、テゼルト。私も彼の話を聞きたいんだ。これは双方の認識を正しいものにする上で、必要なことだと思うよ? いい機会じゃないか」

「ちょ、シュアンゼ!? お前まで!?」

「細かいことを言うものではないよ。先ほどの断罪とて、ファクル公爵は無関係だったじゃないか」


 そう言って、飛び入り参加のゲスト……ファクル公爵に笑みを向ける。ファクル公爵もシュアンゼ殿下の余裕ある態度に思うことがあるのか、どことなく楽しげだ。

 飲み会のゲスト・ファクル公爵。彼は『シュアンゼ殿下を訪ねて来たため』、私が誘ったのであ~る! 『飲み会に参加しますか?』と。


「まさか、誘っていただけるとは思いませんでしたぞ」

「いや、あの状況なら誘うかと」


 ファクル公爵も私のお誘いは予想外だったらしい。ただ、『こうなることを仕掛けた人物の思惑』は気になるらしく、あっさりと参加を決めてくれた。

 その人物とは、この部屋の主ことシュアンゼ殿下。元々、ファクル公爵から話がしたいと申し込まれていたらしいのだが、それを『うっかり、皆に伝え忘れていた』らしい。ラフィークさんは知っていたので、意図的に口止めしたと思われた。


 なるほど、うっかりファクル公爵と会う約束があることを忘れていたんだね?

 忘れて飲み会の約束をしちゃったから、『丁度いい』とばかりに、参加させたと。

 しかも、私に誘うよう仕向けましたよね? だから『自分が王弟派と繋がったわけではない』と。


 ……。

 シュアンゼ殿下を大人しいとか思っていた奴らよ、これを見ても本当にそう思うか?

 これまで被り続けた弱者の仮面は絶対に、証拠や証言を握るためだと思うぞ?

 しかも、さらっと私も利用されてます。ファクル公爵の飛び入り参加は『魔導師が言い出したことにされる』だろうねぇ、どう考えても。

 おっかねぇなぁ、王族は! 大人しそうに見えて、腹の中は真っ黒です。ある意味、ガニアは安泰だろう……テゼルト殿下の補佐(予定)になりそうな従弟殿が怖過ぎる。

 私が黒猫ならば、シュアンゼ殿下は灰色猫だ。華奢で優しそうなお兄さんなのは、見た目だけ。


「隣の部屋から私が色々と運び込んでいる時に、ファクル公爵は訪ねて来たんですよ? しかも、酒好き。ばっちり、私が持ち込んだ物を見られているんです。賄賂代わりに誘いますよね、『一緒に飲みます?』って」

「いや、魔導師殿? 賄賂って……」

「私が個人的に作っているものがメインになっている以上、大っぴらにできませんよ。巻き添えにして、情報の流出を防ぎます。それに加えて、良い機会だと思ったんですよね。酒の席なら無礼講と言い切れますから、本音を言っても流されますし」


『お酒を飲んでたので、言ったことが曖昧です』という言い訳も使えるじゃないか。ファクル公爵としても予想外の事態なので、何の用意もしていないだろう。


「ふむ、魔導師殿は大らかというか……私を警戒していないのかね? 私は王弟殿下の派閥に属しているのだが」

「だからこそ、この場では警戒すべきじゃないと思っています。お互い、情報収集は必須。そして、貴方は王弟殿下の派閥がやらかしたことに関与していない。探り合いの場は必要でしょう? 最低限、一度は顔合わせをしておくべきですね」


 そう言い切った私に、ファクル公爵の笑みが深まる。どうやら、『何も考えていないアホ猫』から『一応は考えていたらしいアホ猫』程度にはランクアップした模様。

 アホ猫評価は覆らないだろうね、絶対に。愛国者であるファクル公爵に比べ、私は『楽しめればいい自己中』だから。


「面白いことを言う。知らぬ方が手を打ちやすいだろうに」

「それだと面白くないので、却下。そもそも、先に行動をしたのは貴方でしょうが。『シュアンゼ殿下と話したい』なんて言い出したのは、シュアンゼ殿下を見極めるためでしょう? あまりにも、これまでとは印象が違いますしね」

「それが普通だと思うよ? 私は必要最低限しか、露出してこなかったからね」


 不敬を気にせず予想を告げると、シュアンゼ殿下が即座に乗ってきた。……やはり、彼もそう思っていたらしい。そこに私という緩和剤だか、劇薬だか判らない生き物を投下し、本音を吐かせることを狙っていると見た。

 私達の視線と笑みを受け、ファクル公爵は軽く目を見開き――


「ははっ! そうか、そうきましたか! うむ、その通りですぞ。私は貴方達と話してみたかったのです。勿論、建前を取り払った状態でな」


 本当に楽しそうに笑うと、満足そうに頷いた。思わず、呆気に取られてしまう。

 おやぁ? シュアンゼ殿下が力をつける――共犯としての姿を見せている以上、私はシュアンゼ殿下の味方と認識されるだろう――のはいいのかい、公爵様? これはちょっと予想外。

 それに加えて愛国者だからこそ、私のような異端がガニア内であれこれするのを疎んでいるとも思っていた。勿論、あからさまな嫌悪などは見せないだろうけど。

 だが、この状況を見る限り……どのような形であれ、私達が挑む姿勢を見せていることを喜んでいるような?

 あれだ、猫に纏わりつかれることを邪魔そうにしつつも内心、『そうか、構って欲しいのかー♪ 仕方ないなぁ♪』と喜ぶ飼い主のような感じ。爪を立てられても『元気があっていいじゃないか』で済ませるというか、敵対姿勢にも怒っていないみたい。

 そんな気持ちが駄々漏れになったのか、ファクル公爵は意味ありげに笑った。


「魔導師殿、私はこの状況を待ち望んでいたのですよ。守るべきは国だが、仕えるならば己が納得できる方がいい。漸く、漸くなのです。これに心躍らぬはずはないと思いませんかな?」

「貴方が納得できる『主』というものが『王族』を指すならば、次代には期待できるってことですよね。今、私が引っ掻き回そうとも、貴方は動いていないのですから」


 ぶっちゃけ、『今代は駄目、次代に期待!』ということです。もしもガニア王がファクル公爵を納得させていれば、どんな手を使っても王弟殿下を排除しただろう。

 それをしていない。それどころか、王弟殿下をテゼルト殿下とシュアンゼ殿下の敵に見立てて、二人を見極めようとしているように見える。

 ファクル公爵が王弟派に回ったのは、王弟殿下の抑え役を担うためだった可能性が高い。逆に言えば、ガニア王は不合格だったということ。……まあ、それも判らなくはない。イルフェナも被害を受けたからね。

 自分が含まれたことが意外だったのか、テゼルト殿下は怪訝そうな顔をしている。だが、この認識は正しいと思う。

 王族として、シュアンゼ殿下ができることは少ない。個人の能力が高くとも、人脈や功績が圧倒的に足りない。それを補っているのがテゼルト殿下なので、『テゼルト殿下&シュアンゼ殿下』が次代を指す。

 今回の一件で、シュアンゼ殿下がどちらにつくかがはっきりした。これが決定打。

 親を切り捨てることもまた、ファクル公爵に認められる要素だったのだろう。血縁としての情を優先するのは悪手。……負い目ゆえに、弟を切り捨てきれなかったガニア王と同じになってしまう。


「ほう、魔導師殿はそう見るか。私が次代には期待していると」

「ええ。王弟殿下の派閥が国にとって致命的な被害を出していないのは、貴方の働きが大きいと私は考えています。それはアウダークス侯爵への叱責からも判るでしょう。だから、安心していられるのですよ。私も心置きなく遊べそうですもの」


 にっこりと笑えば、ファクル公爵の片眉が上がった。……やはり、私に対するイメージは宜しくない模様。笑みを浮かべてはいるが、笑っていない目をしたファクル公爵と暫し見つめ合う。

 私の目的は魔王様を誘拐しようとした馬鹿を〆ること。そして、もう一つの目的を叶えるためには、シュアンゼ殿下が無事に生き残ることが必須なのだ。絶対に、手は抜かない。


「ふむ、魔導師殿が怒るようなことをした殿下に非はあろうが……他にも理由があるのかね?」


 興味本位でファクル公爵が尋ねてくる。その言葉に私は大きく頷くと、力一杯『その理由』を告げた。


「当たり前じゃないですか! 魔王様を狙っただけでも即アウトですが、それに加えて『成功報酬として、シュアンゼ殿下から米が定期的に頂ける』んですよ!? 日本人は米のためなら、戦闘民族になれる種族です!」

「「は?」」


 ファクル公爵とテゼルト殿下の声がハモった。その一方で、シュアンゼ殿下とラフィークさんが生温かい目を向けてくる。

 今回の騒動の発端となったお出かけ。そこはシュアンゼ殿下所有となっている領地だった。これまでろくに出向いていないことに加え、シュアンゼ殿下のやる気――歩くことに対するものです――が向上することを期待し、外出先に選ばれていたのだ。

 勿論、転移法陣を使ってのプチ外出のようなもの。ま、日帰りできる場所ではあったのです。

 シュアンゼ殿下はこれまで細々とテゼルト殿下の手伝いなどをしていたため、療養地として領地を与えられていたらしい。はっきり言って狭いが、人も気候も穏やかなため、『最悪の場合はここに引き籠もって余生を過ごせ』的な意味もあったと思う。

 そこで遭遇したのですよ、米に! ……ただし、デザートらしき扱いで。


 この世界の米、物凄く甘みが強い。粥が甘味扱いと言えば理解していただけるだろうか。


 砂糖を入れた粥かと思ったら、ただ煮込んだだけらしい。見た目が良く知る粥だったので甘いと思わず、食べた時は時が止まった。元の世界にも甘い粥はあったけど、私が望むのはこれじゃない。

 ……グレンが『米がある』と言わなかった理由が判る気がする。餅菓子ならいけそうだが、私達が食べたいのは『御飯』。元から甘みが強い以上、どうにもならないと思ったんだろう。グレン、料理が全くできないはずだもの。

 ちなみにこの米、高級食材だったりする。冷やされて小さな器に入れられた甘い粥は、ガニア特有のデザートだとか。ただ、強い甘みと独特の触感、どろっとした見た目が災いし、他国からはあまり好まれないらしい。米で作った酒は受け入れられているようなのに、不憫である。

 とはいえ、憧れのお米様との遭遇です。目の色が変わった私に人々がドン引きする中、私はシュアンゼ殿下に詰め寄った。『甘くない米はありませんか!?』と。


『甘くない米? あ〜……一応はあるよ。でも、こちらの方がいいんじゃないのかな? 貴重な甘味だよ?』

『甘くない方があるなら、隠さずに出してください。それで今後の貢献度が大きく変わります!』

『う、うん? まあ、あるんだけどね……人も食べるけど、飼料にもなってるんだよ』

『!?』


 どうやら、味に極端な差がある品種らしい。飼料になるという言葉通り、甘くない方は貧しい人の食べ物と認識されているため、グレンが知らなかったことにも納得できた。

 ウィル様と一緒にいる以上、他国にとってグレンの立場は側近扱いかそれに準じるもの。出すわけないわな、そんな立場の人に飼料扱いされるものなんて。

 甘くない方も食べてみたけど、何と言うか……本当に全く甘みのない感じだった。確かに、これの比較対象が甘い方だと『味が悪い』で終わってしまいそう。甘味という認識でいると、どうしても価値が下がるだろう。

 だが、そんなことで諦めるはずはない。ブレンドすれば、何とかなるかもしれないじゃないか。 

 よって、調理できる状態にしてから甘い米を適度に混ぜ、鍋で炊いてみた。皆の視線が痛かったが、お米様への期待を胸に綺麗にスルー。その結果――

 

 とりあえず、御飯ぽくなった!(歓喜)


 炊き上がる間に甘みが移るのか、一割ほど甘い米を混ぜると元の世界の味に近くなるらしい。贅沢を言わなければ、これでいいだろう。改良は後でもできる!

 シュアンゼ殿下は興味津々に眺めていたので、ラフィークさん共々、おにぎりにして振る舞った。甘味ではないと説明するため、肉を焼いたおかずと共に。

 その後、速攻でシュアンゼ殿下と契約書を交わしたのです……私が得るものは『米の権利』、シュアンゼ殿下への対価は『王弟失脚への協力』と『米の炊き方を伝授すること』。……気に入ったようです。そうだよ、米は美味しいんだよ!

 ――そんなわけで。

 私としては、何としてでもシュアンゼ殿下達に勝利してもらわなければならないのですよ……!


「個人的にも許しがたい存在ですが、私が今後、素敵なお米ライフを送るためには壊さなければならない壁なのです! 必ず、シュアンゼ殿下達には勝っていただきます」

「そ、そうか、魔導師殿がそこまで本気になっているのだな」

「ええ!」


 力一杯頷けば、ファクル公爵は顔を引き攣らせながらも納得してくれた。だが、ふと首を傾げる。


「ん? 魔導師殿、貴女は協力者という立場でいいのかね? 王弟殿下に対し、思うことがあるだろう? いや、その派閥さえも敵といっていい存在では?」


 ああ、そこが引っかかったのね。テゼルト殿下達も不思議そうな顔をして、私を見つめている。誘拐された直後の私を知っているからこそ、そしてガニアでの言動を間近で見ていたからこそ、信じられないのか。

 確かに、協力者では『私が王弟殿下をどうこうすることはできない』だろう。シュアンゼ殿下達に見せ場を譲る意味でも、敵の大将――王弟殿下は譲らなければなるまい。

 だが。


「え? 私はガニアという国や王弟殿下の派閥に興味はありませんよ?」

「「「「はい?」」」」


 私を除く全員の声がハモった。何さ、その反応は。


「ま、魔導師殿? 君、それでいいのかい?」

「勿論! だって」


 意外そうなテゼルト殿下に対し、にやりと笑い。


「私はあの方が嫌いです。だからこそ、貴方達を勝たせることが最大の嫌がらせなんですよ。そもそも、私が望むのは処罰ではありません……死にたくなるような目に遭わせることですから!」


 私の最終目的は王弟殿下の処罰に非ず。徹底的に辱めることである!

 というか、シュアンゼ殿下達が今回の主役なのだ。私が王弟殿下にとどめを刺さずとも、最終的に処罰は免れまい。だからこそ、その前に私が虐め倒したい……それを他国にもばら撒いてやる。

 絶対に、絶対に、処罰なんて綺麗な終わらせ方をしない。ガニアの黒歴史として刻んでやらぁっ!


「ミヅキ……なんて正直な……」

「お嬢様はそこまであの方がお嫌いなのですね」

「うん、嫌い! だけど、派閥の人達に興味はないから、喧嘩を売られない限りは何もしないよ?」


 呆れたようなシュアンゼ殿下と、深々と頷くラフィークさん。ラフィークさんも主持ちなので、私の怒りは判ってくれるらしい。元気に頷いておく。


「なるほど、そういう基準なのか。だから、ファクル公爵に対しても、何とも思わないと」

「やだなぁ、シュアンゼ殿下。私は奉仕労働をする気はありませんよ? 私が帰った後、存分にどうぞ」

「くく……これが魔導師か! なんと、自分勝手なことよ。やれやれ、楽しい時間が過ごせそうだ」


 ファクル公爵は楽しげに笑っている。彼こそ怒らなければならないはずなのに、私を諫める素振りは見られない。だからといって、シュアンゼ殿下達の味方をする気もなさそうだ。

 ……どうやら、ファクル公爵も面倒な性格をしているらしい。これまでの苦労を考えれば、仕方がないのかもしれないが。


「……。笑っていられるのも、今の内だけなんですよ。ファクル公爵……」


 サロヴァーラでの所業を『多少は』目撃していたせいか、テゼルト殿下が乾いた笑いを浮かべながら呟く。余計なことは言わんで宜しい!


 ――その後は、普通に飲み会となった。

 情報は得られなかったが、ファクル公爵とシュアンゼ殿下達は中々楽しそうに話している。その話題の大半が政に関するものなのは仕方がないとしても、ファクル公爵にとっては二人の考えを聞く良い機会なのだろう。

 そういえば、ファクル公爵はシュアンゼ殿下の祖父にあたるんだった。もしかしたら、ファクル公爵なりにシュアンゼ殿下を案じていたのかもしれない。


「このような機会を得られるなど、思ってもみませんでした。主様が変わられたからでしょうね」


 私もそう思います、ラフィークさん。つーか、シュアンゼ殿下の腹黒……いえ、聡明さはファクル公爵譲りな気がします。

 そんな気持ちのまま『シュアンゼ殿下とファクル公爵って、そうしていると完全に祖父と孫ですよね』と発言し、二人を硬直させたのはわざとではない。わざとじゃないので、生温かい目で見ないでくださいよ!? テゼルト殿下!

お互いを探りつつも、楽しい飲み会。

シュアンゼは両親がいなければ、祖父に一番懐いている孫になったかも?

そして、漸く米発見。主人公、完全に獲物を狙う目になりました。

当然、米≧シュアンゼ。仲が良くても、べったりにはなりません。

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